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これからの人事労務管理は、「感情」をいかに扱うのか?■□下田コラム□■vol.95

これからの時代は、働く人の「感情を快」にしてあげられる組織が市場に残っていけると考えている。
それを私は「心のマネジメント」といっている。
「心のマネジメント」というと、会社が自分にとって都合の良いように働く人の心をコントロールすることかと思う人もいるかもしれない。
もちろん、そんなことではない。

働く人が最高のパフォーマンスを発揮できる心理的状態を作ってあげ、充実感で満たされた日々を送れるようにしてあげることだ。
その結果、会社の生産性も向上するとうい場づくりである。

「感情が快」とは、働きがいや認められていることを強く感じ、組織に対する不安感を限りなく弱くすることである。

そのような環境を作りあげるために人事労務の施策をハード面、ソフト面、集団、個人に対して様々なアプローチで練り上げていくことがこれからの企業に必要なことだと考える。

では、なぜ感情がそこまで大切なのか。

会社で求められるのは「結果」だ。
では「結果」は何から得られるのであろうか?
「結果」は「行動」から得られる。
だから結果が出なければ、行動を見直せばよかった。
そのため、飴と鞭、ノルマや脅しでやらせればよかった。

「いいから黙って言われたことをやれ!」と上司は部下に言ってやらせればよかったのだ。

しかし、時代は変わった。
今の若い人はそれでは動かない。
自分の中に「なぜ、それをやるのか?」
やる理由が見当たらなければ動かない。

おじさん世代がからするとイライラすることかもしれないが、私はその若い人の感覚の方がまともなのではと感じる

そして昨今単純作業はどんどん機械やAIに置き換えられ、人が介在する仕事は創造力と想像力が求められるようになってきている。
創造力と想像力は「いいから黙ってやれ」のやらされ感で発揮できるものではない

自らが仕事の意味を知り、やりがいを感じていることが重要だ。
さらに、所属の場に対する安心感がなければならない。

「安心感」がある組織とは例えば、多くの会社は新入社員に対して、オンボーディングで会社のさまざまなルール、ツールの使い方などをレクチャーするだろう。
どの会社も独特のものがあり、それを理解してマスターするのは大変だ。
どんなに必死に覚えようとしてもなかなか覚えられない。
そもそも初日は多くの方が緊張している。

そんなときに、リラックスさせる声掛けができるのか?
帰り際に「一日でマスターしようと思わないで。明日同じことをまた質問してもいいからね」という一言が投げかけられるのか?

安心感のある職場は、こういった一言が当たり前のように発せられる組織なのだ。

あなたの会社の中を見てほしい。
相手の心をほぐすような言葉もかけないで、単にルールをレクチャーする。
一度教えたことを再度聞いたら「同じことを何度も言わせるな」という表情でイヤイヤ教える。
そんなことが頻繁に起きていないだろうか。
それは不安感を強めることになる。

この対応から湧き上がる新入社員の感情が今後の仕事に大いに影響する

あなたは、たったそんなことでと思うかもしれない。
しかし新入社員に対するこういった対応は、そのときだけの特別なものではない。
一事が万事、あなたの会社の対応はおおむねそのようなものになっていると自覚したほうがいい。

その積み重ねが組織を良い方向に向かわせるか、悪い方向に向かわせるかを考えると答えは容易に想像できるだろう。

「心をマネジメントする」とは、このような些細なことにも目を向けて働きがいや安心感を得る場を、時には人事評価制度などの仕組みで、時には上司と部下など現場のコミュニケーションのあり方で作り上げていくということなのだ。


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