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いい「さよなら」の仕方

10年前に他の国でお世話になった方


今日、10年位前に、他の国に住んでいた時に、お世話になった方で、今は、中東に住んでいらっしゃる方が、私の国に出張で来られていたので、お時間を頂いて、少しお話しした。

お互いの事情で、たぶん、今後はなかなか会えなくなりそうな方だったので、自然に、人の出会いや、別れみたいな話題になった。

普段は物静かな方で、あまり色んなことを自分からどんどん話して下さるお人柄ではなくて、私は今までその方とお話するのが少し苦手だった。こちらが引き出す努力をしないと、会話が途切れてしまうタイプ。でも、この方とは次にお会いする機会がもうないかも、もしかしたら一生お会いすることはないかもしれないと思ったので、いろいろ質問させて頂いた。

「また会おうね」と思っていても、現実には会えない

その中の質問の一つで、「別れの美学みたいなものってありますか?」とお聞きしてみた。

自分の人間関係を大切にしたいけど、色んな国を転々としていると、なかなか人間関係を続けていくのが難しい。

別れるときは「絶対また会おうね」とお互い思っているのだけど、一度去った都市を訪れる機会は、あまりなかったり、どちらかがまた、別の国や都市に行ってしまったりして、タイミングよく、同じ都市にいるということは、なかなか無いので、本当に会えるのはほんの一部の方だけ。

という事情もあるけど、本当はそれだけじゃない。

告白すると、私はマメな人間になりたいのに、全くマメじゃない (笑) 

恋に落ちた直後以外は、誰かからの連絡を首を長くして待つことはまずないし、自分から積極的には連絡を取りに行くことも苦手な方なので、相手がマメで積極的な性格か、私に負けないぐらいのマメ度ゼロみたいな人じゃないと、人間関係が自然消滅というパターンが多い。

余談だけど、私は、推しからの発信がなくても、わりと平気で、発信があるまで、推しのことは、すっかり忘れているタイプ (笑) 

「推しの発信がないとき問題」はそれだけで、記事として成立してしまう面白いお題(笑)なので、話を戻すと、、

出会う相手も色んな国や職を転々とする人が多いから、ご縁があって久しぶりに偶然つながれたりして、お話する機会がある人は、「今、何の仕事している?今どの国に住んでるんだっけ?」みたいな会話からキャッチアップが始まることも珍しくない。

お互い、絶対また会うつもりで「また、会おうね」と言って別れても、なかなか会えないことが多いのは、物理的状況が許さないこともあるけれど、私の性格によるところも大きい。反省はしているのだけど、人間って殆ど癖で生きている人間らしいから、染みついた行動パターンはなかなか変わらない。だから誰かに会える時は「一期一会」だな、と思って、会える奇跡にも、私という人間を受け入れて、会える時に快く会って下さる方の心の広さにも感謝する。

ちゃんと「さよなら」を言うことが大切

だから、別れ下手な私にとっては、「別れの美学みたいなものってありますか?」という質問は、かなり切実な質問だったのだけど、彼からはとてもシンプルな答えが返ってきた。

「うーん、そうだね、ちゃんとさよなら言うのを忘れないことじゃない?」 

「それ、アドバイスとしては、単純すぎませんか?」と思わずツッコミそうになったけど、その言葉を反芻してみたら、色んな国を転々としている彼が言うから、すごく説得力があるような気がしてきた。(笑)

確かに、「それ、出来てないです!」

私は、予定を詰め込みすぎるきらいがあるので、基本バタバタしている。普段の生活というより、

今までの人生、ずっとバタバタしている (笑)

それに加えて、人付き合いや、人の集まる場所があまり得意ではないので、去っていく人を送る側の立場のとき、送別会は親しい人だったら参加するけど、自分から時間をくださいって、積極的にアポイントメントを取って、会いに行ったりは、あまりできていない。送別メッセージを募集している時も、去る人が多すぎて、メッセージが間に合ったり、間に合わなかったり。

まして、自分が去るときは、やることが多すぎて、焦りまくって、作業をこなすマシンと化しているので、やっと旅立てる時が来た時には、時間切れで、会いたい人に全員会えなかった、みたいなことは過去に何度もあった。

なんてダメな人間なのだろう。落ち込む。泣

送られる側だった時のこと

でも、自分が送られる立場のときは、送り出してくれた人のこと、いまでも ずっと覚えている。集まってくれた人の表情や、会話や、用意してくれたメッセージやビデオ、その時、流した涙の量まで覚えている。

それって、やっぱりその想いが嬉しかったから、今でも覚えているんだろうなと思う。

してもらって嬉しかったことは人にもしてあげたい

当たり前のことなんだけど、自分がしてもらって嬉しかったことは、自分の大切な人たちにしてあげないといけないよね、と、今日、改めて思った。自分の性格や、至らなさや、忙しさを理由にして、そういうことをおざなりにしてはいけないな、と深く反省。

だから、今日から、去っていく人へ「さよならをちゃんと伝えること」を、もっときちんとする、ことを心がけたいと思ったし、自分が去っていくときは、黙っていなくなるのではなく、ちゃんと会ってお礼を伝えることを努力したいな、と思った。

その方には、他にも、良い人生のアドバイスを頂いたのだけど、それはまたの機会に。

地球のどこかで、この文章を読んでくださってありがとう。どうぞ素敵な一日を、夜を。


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