もんぶらん。

いまの自分だから感じる感覚を、言葉で残す練習をしています。

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ほんとうは。

私は本当は、ずっと子どもでいたい。 社会人になって、会社に就職をして、月曜から金曜まで働く。人から求められるように、期待に応えるように。誰かから電話がかかってきたり、急に予定が変わったり、準備しなきゃいけないものが増えたりしながら、いい結果が出せるようにただ毎日走る。 それでも本当は、毎日わくわくしていたい。 動物園でキリンを見て、でっかいな〜同じ生き物とは思えないなと感じたいし、ねるねるねるねが粉からふわふわのクリームみたいになる瞬間、おお〜ってなりたい。 私にとっ

    • Y字路を進むと。

      東京に来て5年目の春。 もう高い建物やネオンが溢れる街を見て 押し潰されそうだなぁと思うこともなくなった。 東京にも圧倒されるくらい素敵な桜並木はあるし、 狭い街の中にぐちゃぐちゃに並んでる無数の店も 中に入れば案外心休まる場所だったりする。 仕事も、5年もやれば慣れてくるもので 誰かにビクビクすることもない。 つまり、私はやっと、何にも怯えることなく 東京で働きながら一人暮らしできるようになった。 やっと少しは視界がひらけたと思ったら 急にいろんな情報が流れ込んでき

      • 家に帰ったら。

        自分の中にはいくつも顔があって、 家族やおじいちゃんおばあちゃんと過ごす自分と 地元の友達と過ごす自分と 東京の会社のみんなと過ごす自分と 家で1人だけで過ごす自分と。 それぞれが結構離れていて、 愛知から東京に帰る新幹線の中では どんな自分になればいいか分からなくて なんだかそわそわしてしまう。 おじいちゃんのお葬式は 大往生だったからか最後に会えたからか 不思議と悲しくなくて、 一個一個をちゃんと受け止めようとできた。 お家にいた頃のおじいちゃんの動画を見て あーそう

        • 大人が泣くとき。

          大人になると涙脆くなる、というけれど あれってきっと自分の中にリンクする経験が たくさん蓄積されてるからだと思う。 自分にとっての、あの時の風景が、気持ちが、 ブワッと蘇って心がぎゅっとなるから。 だから涙がじわっと出ちゃう。 大人は、嬉しいときや、幸せなときも泣く。 ---- 1ヶ月くらい前から、仕事の量はキャパを超えて 常に120%稼働をしている気がするけど、 まずいことは起きてないし、なんとか回ってる。 でもたまに、23時ごろの帰りの電車で、 ふと涙が出そうになっ

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        ほんとうは。

          日曜日の深夜。

          今日は本当は月曜日なんだけどね。 いや、むしろもう火曜日なんだけどね。 でも祝日だったから、実質日曜日の深夜の気分。 日曜日の昼って、あんなに時間があるのに なんでソファの上から動けないんだろう。 TikTokとかアマプラとか触ってると、 余裕で2時間とか過ぎてる。時間溶けてる。 そのくせ、深夜の0時くらいから 脳みそがむくむく起き始めて創作意欲が湧く。 1時くらいになると、いろいろ考えが膨らんで なんか作り始めてやろうかという気持ちになる。 明日会社なのに。 そう、明

          日曜日の深夜。

          暖かい季節。

          春の暖かさを、そわそわせずにただただ心地いいと感じられるようになったことを、ああ、大人になったな、と思う。 トレンチコートがちょうどいい季節。マフラーがないと首の辺りが寒いかなと思ったけど、玄関を開けたら、ほんの少しだけもわっと暖気があって安心する。 子供たちは春休みのようで、団地を通るといつもは聞こえないピアノの音が聞こえた。昼間の電車にも、楽しげな若い声が溢れてる。 学生の頃、春の雰囲気が得意じゃなかった。 春になると勝手に環境が変わって、やっと形成できた心地いい居場

          暖かい季節。

          わたしの友達。

          私は友達が多いほうじゃないけど、 今まで人生で出会ってきた中で何人か、 きっとこれから先も友達だろうという人達がいる。 大学の友達は、今でもときどき旅行に行く。 2人とも私より頭が良くて、穏やかで優しい。 私はたくさん喋りたがりだけど、 それを嫌がらずになんでも聞いてくれる。 聞き逃しそうになったことも、拾い上げてくれる。 器というか、懐というか、でかいなぁと思う。 高校の友達は、お互いに何かあると オンライン通話をする。 私が彼氏と別れた時、確か夜の12時を過ぎてたのに

          わたしの友達。

          戦争がおきている。

          今、平和について考えるべき。 そしてそれを、どこかに残すべき。 ウクライナで何が起きているのか、 ロシアは、プーチンはなぜそうするのか。 それもきちんと知らないといけないけど 何か少しでも平和の方向へ向けるとすれば、 「想像すること」もやっぱり不可欠だと思う。 先週まで普通に過ごしていた家族が 「国家総動員令」で、戦争に行く。 自分の父が、兄が、どこでどんな仕事をしていても 明日死ぬかもしれない戦地へ行く。 「もう会えなくなるかもしれない」と 子どもを疎開先へと送り出す親

          戦争がおきている。

          学校。

          学校が嫌いだった。 規則的に割り振られたロッカー。 ずっと使い回されてる机と教室。 クラス替えのたびに、 係も班も友好関係もやり直し。 自由の効かないルールの中で そこからはみ出す個性をぶつけ合ったり。 誰かを仲間外れにすることで結託したり。 相手を傷つけて負かすことに 一生懸命になったり。ほんとにバカみたい。 明日学校に行かなくていいなら どんなにいいだろうと思ってた。 でも今大人になって、もう一度、 廊下を歩いてみたいと思う。 うんざりするほど観察した朝顔を もう一

          25歳、それぞれ。

          何度も迷って、苦しみながら、自分の選択が正しいと信じて歩いた。立ち止まったら負けだと思って、悲しみや痛みにも必死に目を瞑った。 見知らぬ土地で1人、ボロボロになって走る自分は、一体何ができるようになったのか。定期テストの順位のように、見えるものがあればいいのに。いや、あったら何も変わっていないことが分かるだけかもしれない。 辛かったと振り返るのは、成果が出てから。 でも時々、ふと顔を上げて横を見ると 自分は時間を無駄にしているんじゃないかと、 急に足に力が入らなくなる。

          25歳、それぞれ。

          地元と東京。

          実家に帰って、そして東京に戻ってきた。 実家に帰る新幹線で窓から外を見ていると、静岡に入り始めるあたりから急に建物が減ってどーんと広い農地が出てくる。冬は黄土色のような地面が広がっていて、奥には山々が見える。すごいスピードで進んでいるはずの新幹線だけど、しばらく景色が変わらなかったりする。 地元の愛知に入ると、急にいろんな思い出が生々しく迫ってきた。景色と結びついた思い出は、出来事だけじゃなくて感情ごと呼び起こしてくる。 道の広さ、人の少なさ。空間がたくさんあるからこそ

          地元と東京。

          再会。

          社会に出て、それまで自分が 好き放題やってきたことを あまり人に話さなくなった。 どんな話をしたほうがいいか、 一生懸命考えて、頭が追いつかなくて にこにこしながらやり過ごした。 おとなは正解を知っているように見えて、 毎日、目の前の人たちの正解に 自分の正解をチューニングしてる。 ぼくもチューニングが上手くなったよ。 自分のそれに、気がつかないくらい。 手近な正解がたくさん染みついたぼくは りっぱな社会人だ。 最初はぼくも思ったんだ。 染められてたまるかって。 で

          たからばこ。

          新しい場所にひとり。 今までの自分がゼロだったみたいに、 できることは何もない。 誰かに話したかった悲しいことも 分かち合って欲しかった嬉しいことも 全部抱えて、ひとりぼっちの部屋に帰ってくる。 あの頃の、自分のためだけの自分が どんどん否定されていく。 早く、誰かの役に立たないと。 いろんなものに追われながら、 ただ一歩先の階段だけを見て 必死に、踏み外さないように歩いた。 . 顔を上げてあたりを見回しても どこまで登ったのかよくわからないけど 少しだけ見晴らしが

          たからばこ。

          小さな舟。

          今ならもっと、優しくできるのに。 あの頃、明るく笑うきみの笑顔を見て すぐそばにいたぼくは きみがその笑顔の通りに感じていると思った。 今のぼくなら ほんのちょっとでも、 きみがなにを感じてそんなふうに笑ったのか 想いを巡らせるのに。 ぼくは今、重く暗い海に放り出されて オールもない小さな舟に乗っている。 自分がどっちを向いているかも分からないまま たったひとりでポツンと浮いている。 きみがとつぜんいなくなって、 ぼくには思い出せないことがいっぱい。 きみと過ごした時間

          かしこい生き物。

          誰かの、意図的な敵意にふれたとき。 それは、相手のためではなく 相手が苦しむのを見るためのもの。 こわいけど、人っていうのは 嫌いな人が苦しむのを見て うれしいと思う生き物なんだ。 信じたくないけどね。 苦しめるためだけに生まれてきたものは、 すごくすごく尖っていて、痛い。 それがたとえ わたしに向けられたものではないとしても、 ちょっと触ってみるだけでわかる。 正義のためと大きな斧を振りかざし 歩いてくる人を見て、 わたしはこわいと思った。 誰かにとっての正義は

          かしこい生き物。

          おとなの秘密基地。

          大人になって、誰かに認めてもらえなくて、 自分も自分が愛せなくて どうしようもなくなったとき。 そういうときは逃げるんだよ。 あなたを苦しめる思考から、逃げて逃げて。 好きなものと懐中電灯だけ持って、 お布団の中に逃げ込むんだ。 大人にだってね、そんな日があるんだ。 布団の中はあったかくて、真っ暗。 でもだからほら、 懐中電灯を持ってきたんだった。 あんまり近くでつけたら眩しいな、 そうだお菓子も持ってくればよかったな。 短めの、大好きな映画を二、三見て、 わたしは

          おとなの秘密基地。