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ローリングラウド・パタヤ2023レポート~ヒップホップの過去、現在、未来が交差する記念すべき初のアジア開催~A$AP Ferg、リル・ウージー・ヴァート、カーディB(第2回)

友人の計らいで国際的なフェスの裏側を見ることができた。レー・シュリマーのステージの次はA$AP Ferg(エイサップ・ファーグ)のライブだ。A$AP FergまたはFERGとして知られる彼は、ニューヨーク出身のラッパー、歌手、ソングライターであり、ヒップホップ集団「A$AP Mob」のメンバーとしても活動している。レー・シュリマーの二人に比べて体格の大きい屈強な姿が印象的だ。

彼の2017年の曲『Plain Jane』はタイのクラブでもよく流れるが、アグレッシブなビートと力強いラップで、曲が掛かるとフロアの雰囲気が一気にハードなヒップホップになる。ライブで演奏した時には観客の大合唱となった。A$AP Fergのセットリストはこちら

セットリスト最後の曲『プレイン・ジェーン』に目を奪われてしまい、ステージ裏が異様な雰囲気になっていることに遅れて気がついた。関係者やメディアが溢れている。次のライブはすぐに始まる様子で、リル・ウージー・ヴァートがそこにいた。今のUSヒップホップシーンの重要人物であり、米国内で多くのリスナーに敬愛されている旬のラッパーは、ファーグと比較したからかとても小柄でびっくりした。

そして警備の数も印象的だった。自分は気づかずにそこにいたが、偶然リル・ウージー・ヴァートは自分のいる場所を待機場所に選んだ。警備は物々しくないが、こんな話がある。彼はかつて、額に25億円のダイヤを埋め込んでいたが、ライブでクラウドサーフィンをした際に、観客にむしり取られてしまったという。そのライブというのがアメリカでのローリング・ラウドだったそうだ。なので彼の周辺に警備が多いというわけだ。それにしてもこのアーティストはただものではない雰囲気が漂っていた。

リル・ウージーのライブ最後の曲は『Just Wanna Rock』で、これを眼前に見た時に、これが全米を熱狂させているヒップホップの姿なのかと考えてしまった。結論をいえば、その通りなのだ。50年間の歴史を持つヒップホップだが、時系列で見ていくと実はその形は一つにとどまらない。

世界で流行するトラップを取り入れたヒップホップこそが、今の若い世代にとってのヒップホップであり、NASやノトーリアス・B.I.G.の時代のブーンバップこそ原点として愛するのは自由だが、実は姿を変え続ける音楽こそがヒップホップなのだと納得した。リル・ウージーのステージにはかなりの衝撃を受けたが、新時代のヒップホップを受け入れるとてもいい経験になった。

ここからさらに関係者が増えていき、少し休憩と、隣のステージの様子が気になってステージを離れることにした。ちょうどタイのラッパーF. HEROがパフォーマンスをしている最中だった。もともと彼は以前、タイのヒップホップシーンの重鎮、ジョーイ・ボーイが主催するラップ集団ガンコア・クラブ(Gancore Club)に所属していたが、その後ワット・ザ・ダック(What The Duck)に移籍し、現在は自ら設立したレーベル、ハイ・クラウド・エンターテインメント(High Cloud Entertainment)に所属している。

ロックバンドのCLASHやラッパーのMILLI、俳優で歌手のブライトなど、自分の好きなアーティストとのコラボレーションが多く、日本のLDHとパートナーシップ契約も結んでいて、ビジネスが上手な印象を受ける。もちろん、ヒップホップでビジネスをするのもゲームの一つであり、彼は間違いなくタイのヒップホップシーンでは有名人だ。

そしてこの日最後のステージがカーディ・Bのライブ。多分ステージ裏は人が多いと思ったので、観客席から観ることにした。トリだけあってこの日一番の客入りだった。

カーディ・B(Cardi B)はアメリカ人ラッパー、ヒップホップミュージシャン、テレビパーソナリティだ。ストリートギャングとストリッパーの経験を経て、VineとInstagramで人気を博し、インターネットセレブリティとなった。その後、リアリティ番組『Love & Hip Hop: New York』に出演し、2つのミックステープを発表した。

2017年にメジャーデビューシングル「ボーダック・イエロー」がBillboard Hot 100で首位を獲得し、女性ラッパーとしては19年ぶりの快挙を成し遂げた。2018年にリリースされたデビューアルバム「インヴェイジョン・オブ・プライバシー」はBillboard 200で初登場首位を獲得し、第61回グラミー賞で最優秀ラップアルバム賞を受賞した。同年、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれたそうだ。

グラミー賞以外にも、アメリカン・ミュージック・アワード、MTV Video Music Awards、BETアワード、ビルボード・ミュージック・アワードなどを受賞しているアメリカの大物芸能人だ。普段自分が聴くアーティストではなく、教科書通りで他のフィーメールラッパーとの差があればもっと良かったかもしれない。ステージの迫力や豪華さなどは流石アメリカ一流のエンターテイメントの仕事っぷりだった。ステージの迫力や豪華さなどは流石アメリカ一流のエンターテイメントの仕事っぷりだった。

そして初日の帰路に着く。会場を改めて見ると広大な敷地で、観客はストレスなく会場を移動することができ、自分の鑑賞ゾーンならアーティストも近くだったり、遠くの全体を見られる位置からライブを楽しむことができる。客層も男女半分ずつで、タイ人、欧米人、中国人、インド人など国籍も多種多様だ。

ただ一つだけ、会場の駐車場は広いのだが、狭い一本の道を抜けないといけない形状のため、帰りは車が全く動かない渋滞となってしまった。駐車場の車が進むのを待っている間に色んな人に声をかけられ、会場からやっと出られた頃には途中で出会った人たちを乗せることになっていた。これも今となってはいい思い出だけど、次回からは車での来場には注意が必要だ。

第一日目はこんな感じで、海外のアーティストを間近で見る経験ができた。翌日はFAT JOE、クリス・ブラウン、YOUNG OHM、MILLIのステージなので楽しみだ。会場近くに取っていたホテルに戻り、疲れを取って寝る。初日はなかなか良いスタートだった。

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