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マイクを通して体育館に朗々と響く教頭先生の声に、ほんの少し緊張する。何度やっても、大勢…
この時期の夕方、太陽はそろそろオレンジになりそうなのに、気温は一向に下がらない。 学…
換気作業は、基本的にわたしとお父さんの仕事だ。 作業室から、お父さんと一緒にキャンバ…
夏休みになったけれど、朝はいつもと変わらない。いつもより早く起きるということはないし、…
「龍ちゃーん」 「ん、かけすぎるなよ」 お母さんはだらしないところが多い。朝は誰かに起…
しづかさんが帰ったあと、次の絵を塗るのではなく新しい下絵を描いてみて、なんとなく鉛筆の…
新しい目標を見つけて、わたしは今まで以上に絵に打ち込んだ。 わたしの家に、一日中アトリエにいることを咎める人は居ない。 朝起きて、ご飯を食べて、絵を描いて、お昼になったらご飯を食べて、また絵を描く。夜になって、ご飯の前には一通り片付けて明日の準備。そしてご飯を食べて、お風呂に入る。それから寝るまでお母さんのパンフレットを眺めたり絵の勉強をして、寝て、また起きる。 そんな感じに繰り返して、八月もうそろそろ折り返し。 夏休みに入ってからも、コンクールの成績は上々だっ
お風呂上がり、お父さんにドライヤーを当ててもらいながらスマートフォンをいじる。お父さん…
最初はやっぱり、間違いだと思った。 何かを見落としているんだと思った。 ページを上…
それから、何日か後。 その日も、わたしは絵を描いていた。 お母さんの作業室とは別の…
夢を見た。 それは初めて見る夢だった。 広い海の真ん中。何もない水の上に、わたしだ…
結局、病院にいたのは半日くらいで、次の日の午後には家に帰ってこれた。 消化はいいけど…
まどろみが近くなった頃、ご飯を食べながら話したことを思い出した。 「お母さんって、絵が…
それからしばらく、わたしは絵を描くたびに体調を崩した。 下絵でも塗りでも、決まって筆がノリ始める直前に、それは現れた。 真っ黒で、重くて、冷たい「何か」。 それと目が合うと、それまで走っていた筆が止まる。これから描く色がどんどん散っていき、頭の中にあったイメージは黒く染まる。今までに描いていた線も全部グニャグニャと不安定に見えてきて、崩れたイメージはその上に立つ完成図を歪ませる。 イメージが掴めなくなると、筆を手放さないとどんどん気分が悪くなっていく。首周りの温度