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ヴェルサイユ宮殿、ギリシャ神話の神々の部屋

ヴェルサイユ宮殿を建てたのは、ルイ14世と言われていますが、もともとはルイ13世の狩りの宿でした。なにもない沼地にぽつんと。

鏡の間


子供のときにパリに住んでいたルイ14世は、フロンドの乱という貴族の反乱の記憶があまりにも怖くて、「よし、ぼくが王になったら、この貴族たちにはいうことを聞いてもらうしかな
い!」というので、パリから離れたこの館に目をつけて膨大なお金を投資し、建築家ルイ・ル・ヴォー、画家シャルル・ル・ブラン、造園家アンドレ・ル・ノートルというエキスパートの指
揮のもと、1661年に着工。

フランス式庭園

16,17,18世紀に流行ったバロック様式の宮殿を作り、絶対王政を築き、貴族たちを住まわせて監視したのであります。
あまり面会(ご機嫌取り?)に来ない貴族は即クビ。その後ルイ15世、16世の住まいとなったのであります。しかし、貴族たちも宮殿に住めるのは3か月。あとは田舎に帰るんですよ。で、ちょっと自慢する。王としてはどんどん貴族を変えてより多くの貴族たち宮殿でお金を使わせ、疲弊させていたというわけです。

鏡の間。
蝋燭一本は、当時の労働者の1ヶ月分の報酬と同額。


太陽王と呼ばれたルイ14世は、太陽を表すアポロンの名を冠する部屋も持っていたという事実を知る。

さてさて、ヴェルサイユ宮殿見学ですが、メインの2階は絢爛豪華な部屋部屋が続きます。各部屋がどんな使い方をされたかを知っていれば、興味深く見学できるかもですね。

しかしですね、宮殿には、貴族、使用人含めて常時1000人以上住み、大小226もの居室があったと言われているから、これらが全て金ぴかだったはずはなく、偉大さと卑小さ、豊かさと貧困、仮装飾と実の生活が表裏一体となる巨大な館だったのです。

まずは、必見!ゴシックとバロックが調和した美しい王室礼拝堂から始まって(ここのパイプオルガンは製作者の一人、ロベール・クリコという人の子孫が今も調律などを務めている)、王と王妃の公的な居室へと続く。しかし、それらの部屋の裏には、実は一般公開されえていない秘密の部屋がたくさんあります。

王の部屋たちには、ギリシャ神話の神々の名前(惑星の名前でもある)がついていて、礼拝堂の次に続く部屋は、ヘラクレスの間。ベネチアから送られたヴェロネーゼという画家が描いた「シモン家の晩餐」というルネッサンス絵画が飾られていることで有名。ここで描かれているマグダラのマリアが、自分の髪でキリストの足を洗って罪をつぐなう、という場面があり、許されると上に描かれた天使のように天に昇れる、ということらしいですが、なんかすごい話です。  
ヘラクレスの間
豊穣の間を通ると、レセプションの会場となったヴィーナス(金星)の間、ビリアードを楽しんだというディアーヌ(月)の間、折り畳みベッドで寝ていた護衛係がいたというマルス(火星)の間、マーキュリー(木星)の間と続く。この部屋にはベッドが置かれているが、これは訪問者たちに王の寝起きを見せるため。実際の寝室は他にある。マーキュリーの間の隣りが宮殿でも最も重要視されたアポロンの間。ここは王の謁見の間でもあり、舞踏会も催されました。つまり、アポロンは太陽を表し、太陽王と呼ばれたルイ14世を中心に世界が回っていることを示しているのだそうです。

ディアーヌの間
アポロンの間

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