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音楽家の旅行記 長野編 -Part4 戸隠〜火之御子社〜中社〜戸隠蕎麦-


火之御子社

長らく森林浴に癒されながら歩き、いよいよ火之御子社に到着。

火之御子社

早々に参拝。書き忘れていたがお清めの水の良さが手に触れただけでもわかる。

手水舎

水が非常に清らかである。透明感があり滑らかさを感じる。手の冷え方が気持ち良い。嫌な冷え方ではない。触っただけでわかる水の良さがわかる程の水はなかなか出くわさない。というわけで手酌で飲んでみたら美味しいのだが後味が苦かった。手すりを触った手がきちんと洗いきれていなかったようだった。そんな苦い思いをちょっとしながら、次の社の中社を目指す。再び森林浴だ。途中熊ベルを鳴らしながら15分弱歩き中社に到着、その前に戸隠の観光情報センターに寄る。

戸隠観光情報センター

戸隠観光情報センターのピアノ

おめあてはピアノだ。モーツァルトのきらきら星変奏曲を弾いた。こちらも後日YouTubeに投稿する予定なので是非どうぞ。
演奏後は中社に参拝。

中社

中社

戸隠神社の中で一番神社らしい凛とした佇まい。だが最初の社のあの神々しさに今のところはマイランキングは揺らがない。中社を参拝したところで、いよいよ食のメインイベントである戸隠蕎麦を食しに神道ルートからは外れお蕎麦屋さんへ。

戸隠蕎麦

蕎麦の実

風情のある佇まい。20分ほど歩いて着いたもののまだ開店には少し早く10分ほど待つ。開店後一人用の席に通され頼んだのはザルの大盛りと天ぷら。ワクワクそわそわしながらスマホをいじりながら待つ。途中他のお客さんへ運ばれていく蕎麦に目を奪われながら暫し待っているとついに到着。

戸隠蕎麦と天ぷら

念願の戸隠蕎麦。戸隠蕎麦といったらこのぼっち盛と呼ばれる独特の小分けされた盛り方だ。これは戸隠の五つからなる社それぞれにお供えするために始まった、ということらしい。大盛りなので通常サイズより数は多めだ。まずは蕎麦つゆを味見する。関東民には馴染みのある味だ。おそらく鰹出汁なのではないだろうか。東京の蕎麦つゆよりはみりんは少なめでお醤油も大人しめな印象。生粋の東京生まれ東京育ちの私にとってはお醤油というのは真っ黒で味の濃いものが当たり前だったが他の県に行ってみるとそれはローカル食であるという事を実感する。故に旅をするとお醤油が薄味で物足りなく感じる事が多々ある。海外にいたときは自炊していたこともあってかそこまで日本食に恋いこがれることは少なかったが他県に行くと東京の味に恋いこがれることがしばしばあるのが不思議なものだ。

つゆを味見した後は蕎麦。まずは何もつけずに味見。
やはり水が良い。非常に透明感があり口に入るだけで気持ちが良い。そして意外とツルツルしていない。東京の蕎麦は二八蕎麦が主流で小麦が全体の二割入っているのだがそれが蕎麦の喉越しを産んでいる。おそらく蕎麦粉の割合が多いのか、どっちかというと蕎麦のざらざらとした質感がやや強目だ。そして噛んだ後にふっと香りと共に現れる蕎麦の味が品良くしっかり現れる。そしてつゆにそばをつけて食べる。非常に品が良い蕎麦だ。麺とつゆが一体化してどっちがどっちという感じでなく一つのものとして成り立っている。逆に私が東京で美味しい蕎麦が恋しくなった時にお店を探し行って食べる蕎麦の完成度の高さがまた高いことも蕎麦の産地でしかも名高いお店の蕎麦を食べて実感した。だがそのどちらもスタイルが違いそれぞれの良さがありその良さを味わうものだ、ということも感じた。

写真では小さくなってしまったがこの天ぷらもとても美味しかった。一緒に備え付けの塩で食べる天ぷらだったがまず何より油が軽い。油の嫌な香りも重みも全くなくソテーをしているのと変わらないのではないかというくらい体に負担を感じない。そして上げ具合がとても良い。表面がクリスピーで油がよく切れている。野菜の素材も良くほんのりと優しい野菜の旨味が湧いてくる。これは塩をお勧めされるのもわかる。素材の味をじっくり味わいつつ完食。店を出た時には体がすっかり清められたような感覚に。と同時に気温も冷えてきて少し凍える思いをしながら奥社への入り口へと向かう。

次回に続く。


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