最近聴いてよかった曲 2023年1月

・サディスティック・ミカ・バンド/Wa-Kah! Chico(1975)
・山口百恵/BLACK CAB (ロンドン・タクシー)(1977)
・高橋幸宏/MURDER BY THE MUSIC(1980)
・Chris Squire/Hold Out Your Hand(1975)
・Deep Purple/Anthem(1968)
・美空ひばり/悲しき口笛(1949)
・笠置シヅ子/買物ブギー(1950)
・カネコアヤノ/予感(2023)
・Galileo Galilei/僕らのBUMP OF CHICKEN(2023)

・サディスティック・ミカ・バンド/Wa-Kah! Chico(1975)
きまぐれに再生したサディスティック・ミカ・バンドのHOT! MENUがよかった。おー、かっこいいと思っていたら数日後高橋幸宏が亡くなったニュースを知って、時間の経過を知った。
このアルバム聞いているときはサディスティック・ミカ・バンドのドラムが高橋幸宏だということも忘れていたくらいだし、思い入れはそこまでなかった。加藤和彦がとっくに亡くなっていることもあって、もうすっかり過去のバンドという意識があったような気がする。それでも、知っている人が亡くなると損失だと感じる。自分の知らないところでも曲を作りつづけてほしいという傲慢な気持ちがある。これから生まれる作品をあとで追いかけて好きになるかもしれない可能性がなくなった。


・山口百恵/BLACK CAB (ロンドン・タクシー)(1977)
かっこいい!さよならコンサートでロックンロール・ウィドウ歌っていたときみたいな赤い衣装でかっこよく踊りながら歌っていてほしい曲。作詞作曲はジョニー大倉らしい。コジコジでしか聞いたことない名前だったけど、山口百恵の曲に関わっていたのかー。同じアルバムに浜田省吾が作曲してる曲があって驚いた。松本隆作詞の曲もある。あとは宇崎竜童と阿木燿子、谷村新司。アルバム通して聞いてみたい。イミテーションゴールドの別アレンジの曲も入っているらしい。GOLDEN FLIGHT気になる。


・高橋ユキヒロ/MURDER BY THE MUSIC(1980)
イメージのなかの80年代ぽい音が鳴っているのに、キャッチーで聞きやすかった。何となく戸川純から思い浮かべているような80年代観。80年代の日本の曲は自分に馴染まないことが多いのだけど、好きな曲をまだあまり知らないだけかもしれない。ニューウェイブとかニューミュージックとか、「ニュー」とか「ネオ」とかついてるジャンルのことはぜんぜんわからない。
高橋幸宏の訃報があった日にナクヤムパンリエッタさんが「音楽殺人」とツイートしていたのが気になって調べたらこのアルバムだった。
70年代あたりから活躍されていた方々が亡くなっていく。過去の作品は、知った時点で携わった人が既に亡くなっていたりすることも少なくないから、なかには失礼ながらまだ生きていたんだと思ってしまうこともある。数年前だけど森田童子とか。その人が生きていると実感したことがないと訃報への切なさを感じないし、特に衝撃を受けることもない。高橋幸宏はイエローマジックショーなどテレビでも何度か見たことがあったし、現在の姿を目にする機会がたびたびあったからなんとなく死の寂しさを感じる部分もあったけど、それもそんなに大きな衝撃ではなかった。聞いていた作品がだいたい20~45年前のものばかりだったせいもあると思う。YMOに限って言えば坂本龍一の最後かもしれないライブが開催されるニュースやラジオを欠席しているのを知っていたからそちらの体調のほうが意識にあって、高橋幸宏の近況をあまり知らなかったせいで意外性のある訃報に感じた。
現在50~60代の人たちもいずれ(あるいはすぐ)死んでいくのかと、その順番について考えた。


・Chris Squire/Hold Out Your Hand(1975)
ロク漫の「リッケンバッカーベースで漫遊記」の回(田村さんゲスト回、選曲は田村さん)でかかっていた。クリス・スクワイアという名前とイエスは結びついていなかったけど、聞いたらめちゃくちゃイエスだった。同じアルバムのほかの曲にもちらほらイエスを色濃く感じた。
ベースがばちばちで、オルガンぽい音もたくさん鳴っていてうれしい曲。


・Deep Purple/Anthem(1968)
ロク漫の「ロッド・エバンスで漫遊記」の回でかかっていた。冬の夜に聞けてよかった。暗いクラシックロックというかんじで好きだった。でもちょっとクラシックすぎる気もするくらいオルガンとバイオリンぽい弦楽器の音がした。


・美空ひばり/悲しき口笛(1949)
歌がうますぎる。当時12歳らしい。同名の映画も見たらあまりに堂々としていた。身体の大きさや所作などは子どもなのだけど、ほんとにこの身体から鳴ってるのか疑いたくなる声をしていた。時代を追って美空ひばりを少しずつ知っていきたい。戦後の感覚はほとんど知らない(想像するにも情報が足りない)けれど、こんな少女がいたら希望を託してしまいたくなりそうだ。


・笠置シヅ子/買物ブギー(1950)
去年最後のロク漫のちょっぴりタイムマシンでかかっていた賣物ブギ(ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)きっかけに知った曲。服部良一のコンピレーションアルバムに収録されていたので改めて聞いてみたら、面白くて何回も再生している。ブギウギはほとんど聞いてこなかったけど面白そうだからもっと聞いてみたくなった。今年の秋の朝ドラがちょうどブギウギだから見てみようと思う。


・カネコアヤノ/予感(2023)
新譜「タオルケットは穏やかな」の曲。表題曲や「眠れない」もよかった。だんだん耳に馴染んできていてうれしい。予感の途中でガーッと歪む部分の高揚感も好きだった。「カネコアヤノ 眠れない」で検索したら、「眠れない」と「腕の中でしか眠れない猫のように」がどちらも出てきた。英語タイトルが "A towel blanket is peaceful" なのも好き。
インタビュー聞いて、たしかに自由な構成の曲が特に今作とか前作には多いかも!と納得した。


・Galileo Galilei/僕らのBUMP OF CHICKEN(2023)
Galileo GalileiがBUMP OF CHICKENのナイフリリィメロディーフラッグホリデイロストマンの5曲をカバーした。基本的にバンプのカバーはいまいちと思ってしまうことが多いのだけど、これはなんとなく暗いところで光っているみたいに感じた。再生したら最初のナイフのイントロが流れてきて、戸惑って一旦聞くのをやめてしまった。イントロが流れてきた瞬間に期待が高まって、いま聞いていいのかわからなかった。
自分のなかでメロディーフラッグロストマンはミュージックビデオの景色がつよく結びついている曲なので、原曲を聞くときはいつもその景色を思い浮かべている。このカバーを聞いても同様に、開けていく景色を思い浮かべられた。曲と景色が結びつきすぎているだけかもしれないけど、その瞬間の気もちよさを感じられてうれしかった。普段避けている場所に好きな音があったことがうれしい。


思いつき・思い出・日記