【詩】立方体との邂逅

鮮やかに染まることを待っているような白いプラスチック製の立方体

棒で突けば崩落しそうな平屋の内部にて


浮:遊  


している

展開される物体

内部には僕の肉体


君が?僕で

僕が?君だ


深夜の廊下

軋ませていく僕の足音  

二足歩行で歩み寄るドッペルゲンガー


こちらには来ないでと願う本能の真向かいには知りたいと欲する理性が腕(かいな)を伸ばしていて葛藤を無機質を孕む目で生産しているこのような出会いが在っても在っても良いのか良いのか逡巡はビデオテープのように繰り返される







私が私に触れている

ああこれが私の触覚で感触で


つ、





爪の先端が皮膚を刺す

毒のような緊張感が私の体内に流れ込んでいくまるで海月の防衛機制だ触れている触れている触れている私が私にこれが在るが儘の私と私の未知なる邂逅



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