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妻がカメラ買い替えるんだってさ。

 すっかり秋ですね。秋を通り越して冬の気配すらするこの頃、我が家ではちょっとした案件が浮かんでまいりました。

 そんなにカメラにハマっているわけではない、でも時々、仕事柄カメラが必要な妻は、まさにその時々にエントリーのカメラを使っていたのでした。ニコン。結婚前、というか、二人がこんなことになるとは思いもしなかったころ(職場が一緒)、彼女がちょっと楽しげにカメラを買ったんですよ、と同僚と話をしていたのを思い出します。

 ふーん、Nikonなんだなあ、と、そのころすでにカメラの楽しさにハマり始めていた僕は、はたからその様子を眺めていました。まあ、おいらはCanonだし、と、わけもわからぬ言い訳?をして、特別そこから何かが発展していくわけでもなく。

 それからふとしたことがきっかけでお付き合いするようになり、

こんなふうに結婚しちゃうのだから、人生よくわからないものです。

 さて、お付き合いしているときに、僕はオリンパスに激しく心揺さぶられていました。いや、オリンパスだけに二人の女性に揺れていたってことじゃないですよ、当たり前なんですが一応ボケておきます。マイクロフォーサーズになって、小型でかわいいフォルム、何よりアートフィルターはRAW現像をしない僕には、とても魅力的でした。それで結局XZ1を手にしたくらい。それで外付けEVFまで買うくらいに(それがまさかライカでも使い回す日が来るとは伏線回収みたいな気分だ)。

 そんななか、彼女がカメラを買おうかな、と言い出しました。仕事で使う分には一眼レフでいいんだけど、もう少し取り回しのいいものないかな、とかなんとか言ったのだと思います。いや、Canonに合わせようとしたんだっけか。ちょっと覚えていないのですが、先の流れがあったものですから、オリンパスを強く勧めたのでした。しかして彼女はepl5を購入します。これ2あたりまでのデザインは好みではありませんでした。なんなら僕はepシリーズの方を勧めたように記憶しています。デザインで言えばこちらだろうと。いやホント、この形にファインダーが付いてくれたらね、とか考えておりましたが数年後にほんとに出してきまして、あの時はかなり心揺さぶられました。マウントを増やしたい欲求がおさまりませんでした。でもそれでもそうはならなかったのは、若干のデザイン上のごちゃごちゃ感があったからかも知れません。フィルム時代のペンは、もう少しスッキリしています。同じ名前は冠しているものの、デザイン上は結構違っていたのです。

 彼女が持っているレンズはキットレンズに初心者向けの単焦点17mmと45mmです。好んで使うのはどうも17mmの方のようです。まあ画角的にはそりゃそうですよね。このレンズは、彼女の誕生日に僕が買ったものでした。爾来、この組み合わせで旅なんかに持って出るのでした。

吸い込まれんばかりの妻。

 ただ、そんなに使うわけでもありません。ほんとに何か行事ごとがあったときだけ。たとえば僕は写真ありきの旅がしたいわけですが、彼女の場合は旅そのものが好きで、旅の記録として写真を撮る。だから荷物になるな、と思えば潔くカメラを置いて出かけます。運動会だってスマホで撮ります。要はスマホでも全然構わない人なのです。こちらから言えば。


 そんな妻がカメラ買うと言い出しました。ペンのモニターが壊れてしまったんです。おそらくは配線の断絶だろうから、ギリギリ修理可能なんじゃないかな、とも思うのですが、もう良い、と。買い替えたいと曰うのです。

 さて、のんびりとしたカメラ選定が始まりました。個人でも見ているのかもしれませんが、その選定の仕方は僕のようなカメラバカみたいに目が血走ったりはしません。ちゃんと現実的な、お金の上限と機能性とのバランスを考えてきます。クールです。正しい消費者の姿です。いや、趣味であるなら僕らのような一度気絶して目が覚めたら何か振り込み依頼が届いていると言う方が正しい振る舞いだと言い張りたいのですが、どう考えてもそれはアレです。一種の病です。

 そんななか、おおよそ2つの選択にしぼられたようです。

 一つは手持ちのレンズを活かして、もう一度旧オリンパスを購入すること。いちばんはEM10mark4。10万あればお釣りがきます。

 それからデザインでNikonのzfc。デザインありきですね。初心者には使い勝手が良くないかもしれませんが、言うて初心者というわけでもないし、絞りとかシャッタースピードの関係はわかっているので、問題は無さそうです。

 Nikonのこれに関心を持ったのは、キタムラで、こんなのもあるよ、と僕が勧めてみたからなんですが、それがなければ迷うことなくオリンパスに行っていたことでしょう。すいません。僕がzfによだれ垂らしていたので、その弟分たるzfcを勧めてしまいました。

 悩んでいるポイントは、まずはオリンパスの、つまりOMシステムの今後です。いや、入れ知恵しちゃったんですね、僕が。今オリンパスじゃないって。今後どうなるかは分からないよね、この会社がしっかり続けてくれるかどうかはまだ判断しづらいって。ただ、ここはすでにレンズを持っていて新たに手にするのはボディだけだから、何かあってもそのときはそのときで、ということに。この辺は妻の方があっさりしてます。それに手ぶれ補正とかセンサーダストクリーニングとか、小型とか、魅力はあるシステムなので、やっぱり続いてほしいメーカーさんです。ラフモノクロとか最強に楽しかった。

 握りやすさは断然EM10でした。zfの何もないグリップ部分に比べて、EM10はお情け程度に盛り上がりがあり、しかしこれがね、実に手にしっくりくるんです。ちなみに僕の手のひらは妻より小さめ!なのですが、妻も同じことを感じているようです。で、このグリップの形状、すこし大きくするとまんまX-T5なんですね。このグリップだけでちょっとひと記事書きたくなるくらい僕にちょうどいいのですが、EMはさらにさりげなく、それでいて吸い付くとはこのことか、と思うほどでした。重量級のレンズには不向きかもしれませんが(T5は重量級も僕はいけます)、そんなレンズを使うはずもなく。軽量なレンズならこれが最適解だと思うほどです(僕の手には、です)。

 機能としてうーん、と思ったのは高感度でしょうか。OMシステムの方は6400が最大で、拡張しても25600まで。これはふた昔前のフルサイズの上限です。そう、5d2くらいの。その代わりボディ内手ぶれ補正が効きますからそこで相殺ということなのでしょうが、やはり被写体ブレを考えるとなぁ、とは思います。
 zfcは拡張で10万超え。常用でも51200。  APS-Cで、ほんとかよ、という性能ですが、FUJIFILMの4000万画素でも常用12800がそこそこ使えますから、(6400と12800じゃ、一段分しか差がないことになるな…。)そうなんでしょう。ただしこちらはボディ内手ぶれ補正無し。X-T5を手にするまではボディ内手ぶれ補正のあるカメラを使った事がなかったのですが、それでも個人的には困りませんでしたので、それはそれでいいのかもしれないです。何より妻は夜に撮影したいなんてことはあまりないでしょうから。桜の季節くらいかな。

 そうなると問題はシャッタースピードです。
zfcは最高4000分の1までの機械式、電子式も同様のスピードまでしか採用されていないのです。一方でOMは電子式でより早いシャッター速度を使えます。単焦点レンズを使うにあたってはこちらがいいように思います。

 それにNikonのDXフォーマットはまだまだ魅力的な単焦点が出ていません。少なくともマイクロフォーサーズ一本でやってきた故のレンズの豊富さには負けてしまいます。(ただボケ量で言えばフルサイズ2段分の差がありますから17mmf1.8は換算34mmf4くらい、一方でNikonは28mmf2.8の場合だとおよそ40mmf4ちょいなので、どちらもどちら、なんですが)

鳥居を埋め込んだ?妻。
斜めがけしているカメラが今回買い替えられることとなったオリンパスだ。

ここまで整理するとだいたい答えが出てきますね。

 妻の使い方、趣味というほどではないが、写真は好き。仕事でちょっと使う。過酷な使い方はしない。連写もいらない、夜の撮影もほとんどしない。明るい単焦点レンズは所有している。Nikonだとまた一からのやり直し。

 こうしてみると、今回はOMシステムの方が妻には合っているようです。

 しかし、妻は寝しなに呟きます。拡張性はどっちがいいのかしら。

 拡張性ときたか…。拡張性って?
 僕の頭の中にはzfが浮かびます。フルサイズにすることになるんならそりゃNikonだぎゃや。いや、そういうことでは無さそうです。多分に、僕が囁いてしまった、今オリンパスはオリンパスじゃないんだ、という事が頭にあるのでしょう。とはいえ、あなた、そんなにレンズ手に入れるわけじゃないでしょうに。拡張性もなにもさ、とは思ったのですが……、

 あ、これ、zfcに流れていくやつだ。

 ここで、僕がNikonを激しく推せば値段の差もものともせずにNikonに行くでしょう。ただし、激しくの内容は、無茶苦茶Nikonがいいぜ、とは言わないというものです。それとなく公平を保ちながらOMの良さを語り、Nikonの良さも言いながらちょっとでもNikonの DXはレンズがね、と言うと多分Nikonに行きそうな気配です。逆にしてしまえばOMに流れるでしょう。ただ、とにかくデザイン的にはNikonのようなのです。だからNikonじゃなきゃいけないという理由と、Nikonでも大丈夫という気持ちがあったらそちらに流れていくのでは?と思うのです。

見下しあそばされる妻

 個人的にはFUJIFILMに流れてマウントを共有したいというのが本音です。しかし今やFUJIFILMは在庫が払底し、値段も高くなっている。これじゃレンズ考えなければフルサイズでええやんか、というものもある。だからちょっとオススメしづらい。

 だったら、と悪魔な考えが浮かびます。
僕もNikon買う。
zf買ってライカと二台フルサイズ体制をとる。

 なんと甘美な響きでしょうか。
 いやいや、しかしそんなこたしません。できません。けれどX-T5の現在の販売価格は異常です。zfの方が安いってところもある。もしも自分がCanonを整理したときにFUJIFILMの高騰が今の状況で、さらにNikonからzfが出ていたなら、散々迷ってフィルムシミュレーションの良さとかで気持ちを引きずられながらもこれならフルサイズ行っちまえ!となったかもしれません。ごめんFUJIFILM…。好きだけど大好きだけどフルサイズとカバーガラスの薄さはライカレンズつけて遊ぶにはぴったりなんだ…。

 そんな妄想をしつつ、妻のカメラ選びはほんとにのんびりと進行中です。僕ならあれこら妄想しては、かぶりをふり、あるいはそのカメラで撮影している姿を思い浮かべてはぐふふと笑みを浮かべる楽しい時間ですが、妻はそこへんドライです。必要に迫られた購入ですからね。
 でも、そんなドライな妻のカメラ選びに、一瞬でも揺らぎを与えたNikonのzfcというカメラ、やはりすごいんだと思います。

助けを求める?妻。
この写真、x100tにワイコンつけたものだと記憶しているが、立体感あるんだよね。


 さて、そんなことを書いていたら、OM5はどうなんだろ、ときました。おっと完全予算オーバーですね。いや、zfcだってレンズ買い直しとなれば軽くオーバーなんですけどね。なんだかんだ、予算設定はオーバーするためのものというあるあるにハマってきているようですよ?


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