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音楽がくれるもの

中学生の頃音楽にあまり関心がなかった。

音楽を聴きたいけど何を聞けばいいのかわからなくて、とりあえず流行りのback numberを聞いた。

何が好きだったのかは記憶にない。

中学生ながらに何かしらいいなと思う部分はあったのだろうけど、とりあえず流行りだから聞いていた気がする。

あの時何を考えていたのかは鮮明に思い出せない。

ただ、昨日久しぶりに「わたがし」を聞いた時、中学生の頃の地元の祭りの風景が浮かび上がった。

毎年同じ中学の男子10人くらいで祭りに行った。

本当は好きな女の子を誘いたかったけど、そんな勇気もなくいつも男友達と廻っていたのだった。

少数だが祭りデートを楽しむ同級生もいて、自分にはまだ早いと言い聞かせながら、周りに悟られないように羨んでいた。

あの子も来てないかなあと期待を膨らませ、「あいつ誰々と来るらしいで」という話をしながら目を光らせて歩いたものだ。

「わたがし」の「撲」は祭りデートでうまく気持ちを表せられないもどかしさに悩んでいるが、僕のことを好きじゃなくても「君」と祭りに行き「楽しいね」って言われるだけで中学生の頃の僕は満たされただろうなあ。




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