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何者として人生を送り、覚えられ、死んでいくのかという話

2週間ほど前、9/8にイギリスのエリザベス女王が逝去され、日本時間の一昨日、国葬が営まれた。

英史上最長の約70年7か月にわたり君主を務めた女王。
世界中で多くの人が逝去を悼み、たくさんのイギリス国民が悲しみに暮れている。

イギリスの王室は、日本の皇族よりも国民から批評されるような立ち位置にある。
離婚、浮気etc…といった問題が取りざたされ、それらによって王室の権威が低下することもある。こんな記事も書かれている。


とはいえ、少なくとも私が日本のメディアを中心に報道を見聞きしている限りでは、国民や世界中の人々がエリザベス女王に対してネガティブなイメージを持っていたり、そう印象付けようとする記事や番組は見られない。

 女王はバッキンガム宮殿を一般公開したり、王室の広報活動に力を入れたりして国民との接点を大事にしてきた。経済格差の拡大、移民の増加など英国内で社会の分断が進む中、性別や年齢、人種などにかかわらず幅広い層に支持され、国民に一体感をもたらす存在だった。

(中略)

 王室に批判的な目が向けられる時も、エリザベス女王は大多数の国民に支持されてきた。国民人気を測る世論調査では、ウィリアム王子夫妻をおさえ、王室ナンバー1の座を保っていた。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20220909-OYT1T50133/
女王は英社会団結の象徴…大勢の市民が宮殿前で哀悼の意、大きな喪失感
読売新聞オンライン

一連の報道を見ていて私の心に浮かんだのが

「自分が他者から何者として覚えられ、死んでいくのか?」
「自分の人生を、自分以外の人はいったいどのように評するのか?」

という問いだ。

自己啓発書「7つの習慣」にある有名な問いのひとつに「あなたの葬式に誰が来て、あなた自身やあなたの人生についてどのように語っているか?」というものがある。

我々人間はいつか死ぬ。
その今際の際に、他の人々にどのように語られているのか、つまり自分を何者として覚えられるのか?
それを思い描くことによって、自分がどんな人生を生きたいのかが明確になる、ということだ。

女王が自身の葬式をどのようにイメージしたかはわからない。
だが、イギリス王室にもたらされる様々な危機を乗り越えつつ、国民に奉仕し続け、国民に愛される存在であった。
それは彼女の並々ならぬ決意と行動ゆえだろう。

女王は死ぬまで国民に奉仕する、との若いときの決意を見事実現した。いくつもの危機を乗り越えた女王は、国民に愛されつつ永遠(とわ)の旅に出たのである。

毎日新聞「エリザベス女王、若き日の決意「死ぬまで奉仕」70年の威厳」

翻って自分はどうだろうか。
一国の元首とは比べるべくもないが、それでも自分が望むように何者かとして誰かに記憶され、語られるような生き様を送っているだろうか。
そのために日々やるべきことをやり、積み上げることができているだろうか。
偉大な女王陛下の逝去に際して、我が身を、自分の送る毎日への意識を振り返らされた。

慎んで、女王陛下のご冥福をお祈りします。

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