絵本とは…

絵本は世の中に溢れているけど、他の本とどう違うのか。

自分の中にある、絵本の定義を考えてみたいと思う。

絵本とは、「ここではないどこか別の世界」へと、子供たちを連れていってくれるもの。
その世界は、まるで生きている人間のように、動物や植物が語りかけてくれる不思議な世界。

そして、面白くて愉快な世界でもあれば、悪いことをすれば怖いことが起きてしまう世界でもある。

その絵本の本質は、過去現在未来の子供たちへのプレゼントである。
すなわち、古の時代から現在に至るまで、積み上げりた「膨大な経験と知識」が物語という形に変わったもの。

絵本は、人生という左右どころか上下も分からないような、暗く暗く深い海の底のような世界において、進むべき道を示す一条の光となる。

さらに、こうした物語は子供たちの心の栄養となり、その栄養は心の種を育て、やがて心に大きな大きな木を育てる。

その木は、体の成長と共に育ち、そうして育った大人の心の中には、「永遠の子供の木」が育つのだ。

「永遠の子供の木」をもつ大人は、どのような状況にあっても道をはずれたりしない。
人の声に耳を傾け、人に手を差し伸べ、人に心の光を与える。

その光は、やがて暗闇を照らす月の光のように人の心を溶かす。
その時、物語の種が大地に落ちる。
そして、その本当に一部が物語として拾われ、絵本作家によって循環される。

理想と現実は、往々にしてすれ違ってしまうものだが、絵本の理想の定義として、このようでありたいと思う。

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