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【感想】ジョジョ・ラビット

2019年 アメリカ 109分
監督 タイカ・ワイティティ
出演 ローマン・グリフィン・デイビス
   トーマシン・マッケンジー
   タイカ・ワイティティ

あらすじ

舞台は第二次世界大戦末期のドイツ。10歳の少年ジョジョは、アドルフ・ヒトラーが好きすぎて空想上の友達にするくらい、筋金入りのナチス信奉者。困ったことがあればいつでも心のヒトラーに相談する、ちょっと危ないけれど心優しい少年である。
そんなジョジョくんが、ある日偶然、母親が家の中にユダヤ人の少女を匿っているのを発見してしまう。ユダヤ人は悪魔だと教育されてきた彼は、彼女に対し敵対的に接するが、年上のお姉さんに叶うはずもなく、なんやかんやで手玉に取られてしまう。ガチガチのナチ公だったジョジョくんが、彼女と交流していくうちに次第に心が動かされていく最中、物語は思わぬ方向へと動き出す…。
新世代おねショタ戦争コメディ映画。

感想

うーん、ナイスおねショタ。

別にエッチなジャンルとして「おねショタ」が好きなわけではないんだけど、物語としてはいっとう好きっちゃな私である。生意気な少年と小悪魔気質なお姉さんの絡み、いいよね……。

恋心に気づいていないジョジョくんが無意識のうちに嫉妬したり意地悪しちゃったりする様が本当に可愛らしい映画です。それを自然体に見せてる子役の演技力も凄くて、やっぱ大作映画は格がちげえなと思いました。普段はマイナー・低予算ばっか見てるからね。

周りを取り巻くキャラクターたちも非常に愉快で視覚的にも面白い。監督自ら演じる『例のチョビヒゲ』もこれでもかってくらい身振り手振りが誇張されててユニークだし、あとはなんと言ってもお母さんが魅力的すぎる。厳しくも優しく、パワフルでハイテンション。子供のことを本当に大切だと思ってるんだなとすごく伝わってくるキャラクターでした。

そんな楽しげな人たちに囲まれつつ、少年とお姉さんの愛らしいイチャイチャが最後まで育まれていく……。そう思っていた時期が私にもありました。

ネタバレになるからあんま言えないんだけど、前半から後半への切り替わり方がマジえぐいです。前半の明るく楽しい雰囲気から、これは戦争映画なんだと思い出させてくれる一気に重苦しい雰囲気に。カラフルで明るかった映像が、血と埃にまみれたものになる。ストーリー展開も急転直下!

もう不意打ちなんですよ。ガツンと。前半あたりで、お母さんの靴をなんか意識的に写すなぁ、と思ってたんですが、まさかそういうふうに使ってくるとは。鬼畜生かと。

そういうガラッと変えてくる二面性のある映画って、自分的には大好物なんで、最後まで集中して見ることができましたが、いかにも『コメディ』って感じの映画だから人によってはかなりキツイ展開かもしれないです。

ただ、少年の成長というものを描く上で困難は大きければ大きいほど惹きつけられる物語になるし、そういう意味ではある意味正統派なジュブナイル作品ともいえる映画なのかもしれません。

アカデミー賞まで取ってる作品なのでいつもみたいに揚げ足取りに批判はしたくないんですけど、一点だけケチをつけるなら、イマジナリーフレンドのヒトラーくんが生かしきれていなかったような気がします。あれだけ強烈な存在感を放っているのに、物語全体を通して見ればあんまり必然性はないような感じになっているというか。「少年の成長」が主題の映画なので、ヒトラーくんをフューチャーしすぎるとテーマがブレてしまうというのはあったのかもしれません。

はい、うだうだ言ってますがまとめに入ります。おねショタ作品の魅力って、ショタがお姉さんのために成長するところにあるんだよなぁと再確認させてくれた作品でした。

以上、本日もお疲れ様でした。

視聴:アマプラ

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