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断崖絶壁の絶景を歩く。黒部峡谷下ノ廊下を歩いてきた【3】2018年開通前

前回は、内蔵助分岐・鳴沢小沢まで共有しました。
今回は、
鳴沢小沢~白竜峡
までの区間を紹介します。前回と同じで写真メインです。

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▼雪渓の脇を通ります。巨大なプリンをみんなでスプーンですくって食べたような形をしています。

今年は雪解けが早かったそうで、雪の上を通るような箇所は一切ありません。アイゼン等の冬山装備はなくても何とかなりました。

このあたりの道幅はまだ50cmほどはあるので、ワイヤーを手に握りながら安心して進むことができます。

▼旧日電歩道で亡くなった方の慰霊碑が置いてあります。

▼新越沢合流点。まだまだ、本日のゴール阿曽原温泉小屋までの3分の1来たか?来てないか?くらいです。

▼崖下に巨大な溶け残りの雪渓。その下に黒部川。すべてが大迫力です。

こんな絶壁に丸太橋が設置されてることに驚きです。

ずっと左の岸壁に沿って歩いていくので、左の手袋が特に汚れます。

絶壁に打ち込まれたワイヤーを掴み、リュックを壁に引っ掛けないよう、慎重に足を運びます。

ワイヤーはこんな感じで二重にかかっています。ロープに比べて、伸びたり緩んだりしないので、今回の登山でワイヤーが好きになりました。

▼今回最大の難所の大へつり。

ここの最上部のはしごが未完成だったため、難易度の高い箇所となってました。最後のはしごの部分に足がないので、ロープを使って、ほぼ垂直の岩場をクライミングするような状態でした。
※この高巻きのはしごの手前に、右へ巻いて高巻きを迂回できる道があるそうですが、その道はクラックが入っているため、通らないようにしてほしいと阿曽原温泉小屋のブログに書いてありました。

▼大へつりの上から。ほぼ垂直の崖となっています。

もし落ちたら、岩場に1回くらい当たるか当たらないかで、300m下の黒部川まで落ちるでしょうね。。緊張感のために手に汗をかきます。同行者は登山で初めて手足が震えたそうです。
ここは下を見ないようにして、後ろ向きにはしごを下ったほうが精神的にもいいと思います。

▼黒部別山沢に到着。

沢に降ります。

沢を渡りますが、ここは水量によっては靴が濡れるのを覚悟したほうがいいかもしれません。石は苔としぶきで滑りやすく、川(というか滝)の流れが速いので、足を滑らせて激流に流されるよりは、多少濡れてもいいので確実に渡ることを優先したほうがいいです。

▼そして、さっき滝を渡るために降りたばかりですが、すぐに登り返しです。急勾配の斜面にロープが何本か設置されています。ロープに頼らず3点確保で取り付きます。

▼同じ看板。

ヘリコプターが飛んでました。登山道整備の資材運びじゃないかと思います。この狭い峡谷を操縦するのはかなり難しそうです。本来、人間が入るべき場所ではないのでしょう。

道幅の狭い場所が続きます。

巨石が転がっています。後で聞いたのですが、先に行った2人の登山者は目の前で落石に遭遇したとのことでした。雷のような低い轟音がしたそうです。2011年には落石による死亡事故もあり、ヘルメットは必携です。

峡谷の間にもだんだん日が差してきました。

峡谷のジグザグを進みます。凹と凸の部分、どちらも緊張感がありますが、やはり凸の部分では崖直下の黒部川の迫力もあり、さらに緊張感が増します。


壁にぴったり沿ってワイヤーを掴んだまま進みます。特に危険な箇所は、体にカラビナを取り付けて、壁のワイヤーにかけて進むことで多少は滑落のリスクを減らせると思います。

撮りたい景色が多すぎますが、カメラを取り出し両手で固定するのが怖くて撮影できませんでした。
▼いよいよ白竜峡に来ました。ここでやっと今日の行程のうち感覚としては半分くらいでしょうか。

【4】へ続く。

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