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断崖絶壁の絶景を歩く。黒部峡谷下ノ廊下を歩いてきた【5】2018年開通前

前回は、白竜峡→半月峡まで共有しました。
今回は、
半月峡~仙人谷ダム
までの区間を紹介します。前回と同じで写真メインです。

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絶景が続きますが、両手を離してカメラを構えることはできません。

S字峡の看板で後ろを振り向くと、黒部川がS字をえがくように流れています。切り立った岩壁を見ると、よくこんなところを歩いてきたものだと思います。

進行方向の目の前に、突如不思議な建造物があらわれます。

ここで、再び滝行です。先に渡った同行者は水が冷たかったらしく、顔が歪んでました。

滝をいざ目の前にすると、遠くから見た以上に水量が多く区間も長く、しぶきがかかるので、カメラを取り出してモタモタしている余裕がありませんでした。

渡った後。ヤケクソになるくらい濡れました。山側が濡れると思って、わざわざ谷側に色々なものを収納したのに、山側よりもむしろ谷側のほうがガッツリ濡れました。ちなみに前日は小雨でしたがこの日は朝から晴れていました。こんな切り立った崖のどこにこんな水量を蓄えているんですか?

日があまり当たらないので乾きにくい。

先ほどの建造物は黒四発電所の送電線でした。送電線が穴から伸びています。最初に送電線を通すときはどうやったんでしょうか。

気を緩めずに相変わらず細い道を進みます。

ここで唐突に送電線の塔が登場。富山側に続いています。こんなところにどうやって運んで作ったんだろう。不思議がいっぱいです。

送電線巡視路。

このあと山沿いではなく、谷側に折れてジグザグに下っていきます。右に曲がることが分かりにくく、目の前の崩れた谷を見て、そちらに行かないといけないのかと思って一瞬唖然としました。

谷側の道に目立たないロープがあるのでこれを目印にするといいと思います。

ここから一気に下っていきます。

下っていくと、林の中から吊橋が登場。

これが東谷吊橋です。

こちらも十字峡の吊橋と基本的な構造は同じですが、もっと長いです。

長いということは、それだけ上下に大きく揺れるってことです・・吊橋の中央あたりでは横のワイヤーを掴んでないと、足が浮きそうな恐怖で体が固まります。しかも掴む部分のワイヤーがひと続きになっておらず、縦のワイヤーとの交点をまたぐため、掴む→離して前方のワイヤー持ち替える という作業を2歩くらいごとにしないといけません。

↓これを撮影しているときは、カメラの画面など見てません。

右手:カメラ、左手:ワイヤー、目:定点(吊橋の終点の揺れてない部分)

吊橋渡った後も下ります。

久しぶりの階段です。段差の幅が異常に高かったです。階段を登ると広いスペースに出ます。

黒四ダム関連の施設として使われていたのでしょうか。廃墟好きにはたまらない鬱蒼とした緑に包まれた建物が右手にあらわれます。トンネルの奥は物置になってました。

車があったので、ここと仙人ダムの間を車を使って移動しているのでしょう。轍を進みます。よそ見したり水飲みながらでも歩けるというありがたみを感じます。

トンネルに入ります。黒四ダム発電所の送電線の口もこちらのトンネルも、丸みを帯びたデザインになってるのは建築家に何か意図があったのではないでしょうか。
右側の穴にはスノコのような資材や道の整備に使いそうな道具などが収容されてました。

途中から窓がなくて真っ暗で足元が見えません。

トンネルを抜けるとまた轍の道です。安心してのびのび歩きます。

対岸の左の方に灰色のはしごが見えます。雲切新道からの道です。ものすごく垂直に設置されています。ちなみに内蔵助分岐からここまで1本道でエスケープルートは一切ありません。

仙人谷ダムの堤防が見えてきました。

「旧日電歩道は、全線にわたり残雪が多く、滑落・雪渓崩壊及び落石の危険が有り、通行できません。」もう通ってきてしまったので、今言われてもどうにもできません。

堤防を渡ります。

上は放流側。黒部ダムより規模は小さいですが、より間近で見られます。峡谷に合流する水の勢いで空気が振動しているような凄まじい迫力です。

貯水側。バスクリンみたいな不思議なエメラルドグリーン色です。(例えが貧相)

ここ入っていいの?と言いながらそーっとにドアをあけて入ります。
この後、「高熱隧道」ファンには感慨深い場所が待っていました。
ここで高熱隧道に関してメモのため【黒部とダムと隧道】に補足書きます。
歩きの続きは【6】へ。

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