UADがズルすぎるセールをしていたので各種プラグインを買っちまった話

 財布が沼に沈み太郎ことイーヴィルな斉藤です。

 もう数ヶ月前の話ですが、Universal AudioのUADプラグインが夏セールで安くなっておりました。これがまたズルい方式で、ただでさえ安くなっているのに「4つのプラグインを組み合わせて購入したら安くなるセール」です。俺はこういうのに弱いんだ。

 どれくらいズルいのかというと、例えば、普段は1コ300ドルなのに、今回は4コ200ドル!安い!やす…い?いや日本円にして約30,000円なので普通に高い!でも、お得ではあります。

 では、購入したプラグインのレビューをしていきます。
 プラグインの概要は公式HPのリンク貼っているのでそれを見るか、他の転載ブログくんでもご覧になってください。

Neve 1073 Preamp & EQ プラグイン・コレクション(UNISON対応プリアンプ)


一番人気。ベタなので今まで買わなかった。

 Neve1073は少し前にプリアンプ比較でレビューした。
 元々、廉価版のNeve Preampを持っていたが、音は結構違う。どちらも似た傾向だけど、Neve Preampはどこか軽めで素直な音、1073はもったりとして古めな「たっぷりサウンド」という感じ(どんな感じだ)。
 歪みっぽいけどそれが妙にかっこいい、なんというか聞き慣れた音になる。
 メイン楽器やボーカルのみ、あるいはドラムのみにかけるのもいい。全体にかけると、それはそれでかっこいいけど飽和感が目立つ。

【基本的な使い方】

  1. インプットで割れない程度に音量を持ち上げる

  2. 持ち上げた分アウトプットで下げる

  3. 場合によってはEQをいじる

【音の傾向】

  • かけた時点で脳内定位が強まる(前に張り付くような音)

  • インプットを上げて、アウトプットを同量減らす→コンプがかかったような音になり、バランスがよくなる。やり過ぎると音割れする。

  • インプットを下げて、アウトプットを同量増やす→歪みっぽくてソリッドな音になる。エッジが立ち、目立つ。

  • EQをオンにする(パラメーターをいじらない)→低域の質感が変わる。好みによってオンオフしてよい。

  • シェルビングEQ(赤いノブの下のやつ)を2目盛りくらい+側に回す→ヌケが良くなる。めちゃめちゃいいすね。


Thermionic Culture Vulture(サチュレーション)

とっつきづらいが、ほとんどの場合左側だけいじってOK

 サチュレーションを付加するプラグイン。欲しいけど高かったのでこの機会に購入。

【基本的な使い方】

  1. 「DISTORTION TYPE」のところで歪みの質を決める。
    「T」→エッジが丸めの音。真空管の音らしい。
    「P1」→高域側もしっかりサチュレーションがかかる。
    「P2」→どれだけ絞ってもギターのディストーションみたいになる。ボーカルで使うことはなさそう。

  2. 「BIAS」のところでかかり方を決める。
    ノブを左側にする(数字が小さい方)→音が太くなる
    ノブを右側にする(数字が大きい方)→音がソリッドで細くなる

  3. たくさんかかるようにしたいならインプットを上げる、歪みすぎなら下げる

  4. インプットを上げ下げした分アウトプットを調節する
    (このプラグインをオフにしても音量が変わらないくらいに調節)

【音の傾向】

  • オススメの使用方法はプリセットをポンポン変えていって良さげなものを探し、最後にインプット・アウトプットのみいじって効き具合を調節するのがおすすめ。

  • あまり話題になっていないが、ボーカルにも使用可能。プリセットにも「VOCAL FORWORD(ボーカルを前に)」というのがある。埋もれずに前に出てくるが、強めに歪みがかかるので、インプット・アウトプットで調整しよう。


SSL 4000 G Bus Compressor Collection(バスコンプ)

昔はこれが各チャンネルに入ってたらしい。チートか?

 バスコンプ。

「ウッ!訳のわかんない単語出てきた!」と思わずに聞いて欲しい。普通のコンプと同じもの。
 ただ、「全体にかけたり、声・ドラムなどのまとめたトラックにかけるとなぜか一体感が出るもの」がバスコンプと呼ばれている(海外では接着剤(GLUE)のような役目を持つと言われている)。

 また、別に普通のボーカルトラック単体に掛けてもOK。
 酢昆布ではなく、バスコンプ(このボケいるか?)。

【基本的な使い方】

  • 基本的にはデフォルトのままでいいんじゃないかな…。それぐらい完成されたプリセット。

  • ただし、デフォルトはそれなりに潰されていて、アウトプットゲインが+4dBと多めに上げられているので、ここら辺は好みやソースによって変えるといいと思う。

  • 「ソースによって変えろって具体的にどう変えるのよっ!!!」と刃牙の彼女みたいなヒステリーを起こす方向けに説明しておくと、

  • 音圧を必要とするタイプの曲はこのままでよい。

  • もっとダイナミックレンジを生かしてピュアにしたいけど一体感は出したい、という人はスレッショルドを上げてインプットを下げる(コンプをゆるくかける)。

  • これ自体に音割れを完全に防止する機能はない。
    心配なら後段にブリックウォール・リミッターなどを挟むとよい。

【音の傾向】

  • デフォルトで通すとSSL特有の音があり、ピュアとはまた違うけれども、どこかいらない帯域を減らして透明感が出る感じがあり、私が使っているSSLのAlphaChannelというチャンネルストリップと同じ音。よく聞く「放送の音」って感じ。
    インプットを減らすと個性が減り、普通のコンプっぽくなる。

  • APIみたいにカラカラに乾いたピーカンなインパクト強めな音と比較すると地味だが、個性がないわけでもなく、SSLの方がなんにでも使いやすい。洋HIPHOPに愛されていたというだけあって、特に私には聞き覚えのある音。

  • 一聴すればすごく地味ではあるが、「全部まとめてぶちこんだら良い感じになっている」という楽を極めたコンプ。いやぁべた褒め。


C-Suite C-Vox Noise & Ambience Reduction(ノイズリダクション)

UADにしては洗練された画面(悪口のようなノロケ)

 ニアゼロレイテンシでものすごく性能がいいノイズリダクション。

 個人的にはIzotope RX7(更新しろよ)よりも精度が高いノイズリダクションだと思っている。
 猛暑による扇風機フル稼働の音をごまかすために買ったのは内緒だ。

 このプラグインのみ、公式で説明書のPDFが上がっていない。なんやねん。

【基本的な使い方】

  1. ノイズリダクションをしたい場合は「NOISE」、
    ルームアコースティック(部屋鳴り)を減らしたい場合は「ROOM」にスイッチを入れる。

  2. 「ATTEN」ノブでノイズリダクションの強さを決める。ノイズを完全に消すのを目的にするのではなく、声が不自然にならない程度にかけるのがよい。
    (そもそも、ノイズは多少あった方が密度感のある曲に聞こえたり、静かな時でも自然に聞こえる)

  3. 「AMBIENCE」ノブでリリースを決める(たぶん)。
    マニュアルに載ってないからわからんのだわ。
    でも数字が大きければ大きいほどノイズが消えるのに時間がかかる。不自然にノイズが鳴らない程度にしましょう。ゼロでもいいよ。

【音の傾向】

 基本的には、かけない方が良い音。
 また、自然な方ではあるとはいえ、多少のニュアンスは失われる(ノイズダクションにはよくあること)。

 ただ、ノイズ除去性能は現状トップクラスで、「NOISE」モードなら「ATTEN」を30~40くらいで使えば実用上はほぼ問題ない音になってくれる(ソースとノイズの音量による)。

 また、ルームアコースティックの方は若干精度が甘く(というかどれを部屋鳴りとするかの判断が難しいのか)ちょっと怪しい音になることもしばしば。
 でも部屋鳴りが除去された声がモニターからスパスパと返ってくるのは、実況やポストプロダクションでも話しやすくてよい。

 ちなみに、マイクから外れたところで声を出すと明らかに小さくなっているので、ちゃんと部屋鳴りを判断しているんだなぁ。技術の進歩ってすごいね。

 ちなみに、ハードウェアとしてはAMS Neveが似たようなものを出していた気がする……んだけど、今見たら見当たらなかった。見かけたら私の家まで送っておいてください。

 ついでにいえば、このC-Suite Audioはこれ以外のオーディオプラグインを出しておらず、またネイティブ版もないので「なぜUniversal Audioはここにプラグインを発注したのか」が気になるところ。いや、どこかのプラグインメーカーのOEM元だったりするのかもしれんけど。


買ってよかったプラグインは?

 UADのプラグインは買った後に使わなくなるものもしばしばありますが、今回はどれも珠玉のプラグインでした(あとなぜかBrigade Chorusが無料でもらえました。なんで?)。
 あとクーポンが余りに余っていたのでFairchild Tube Limiter Collectionも買いましたが、まだ使い込めていません。

 この中で一番を決めろ、となると、やはりNeve 1073 Preampが頭一つ抜けています。
 
Neve特有のもったり感こそありますが、声を張ったりインプットを突っ込んだときの歪み方が嘘くさくないのが素晴らしいですね。
 なんなら私が持っているチャンネルストリップSSL AlphaChannelよりもアナログ機材っぽさは上回っています。

 また、SSL 4000G BUSS COMPはどれに使っても素晴らしく、実況の方にかけることも多くなってきました。
 やはりこういうものはSSLらしさ、みたいなものを知っていると尚更感動するかもしれません。


補遺:UAD公式のオススメチャート

 UADは日本語ページもありますが、サポートを開くと「イエローモンキーのサポートはしないぜ」と言わんばかりに一面英語になっています。

 ただ、その中でもUAD公式が「ボーカルに使うならこれを買った方がいいぜ!」とオススメしている表があったのでご紹介します。
 UAD諸兄、もっと目立たせてくれよな!!!

https://help.uaudio.com/hc/en-us/articles/115005654826-Which-UAD-Plug-Ins-Should-I-Use-

縦列がプラグインの種類(コンプなど)、横列が楽器名(ボーカルなど)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?