見出し画像

【アイドルマスターシンデレラガールズ】藤本里奈を見届けたい

中学の頃。彼女は強めのギャル系グループの子だった。ブレザーを着崩しては叱られていたけど、不思議と謝って許されちゃう愛嬌があった。誰にでも同じ明るさで接してくれる、思ってたよりも優しい子だった。でも成績はとても悪くて、グループでもいじられていた。

中三の夏休み、偶然会ったら金髪になってて驚いた。夏休みが終わったら黒染めすると言って笑っていた。進路の話になった時「あたし、バカだからなー」と苦笑いする姿は、何らかの事情をうかがわせたが、それ以上踏み込めず、自分の受験が忙しくなって彼女とも話さないまま卒業した。卒業式で、彼女はセルフィーを撮りまくって、ちょっと泣いて、最後は笑ってバイバイしていた。

高校に上がってから集まった仲間内の会話で「あいつ高校行かなかったらしい」と聞いて、驚きと、納得と、少しの心配が一瞬胸を横切った。元気なのかな……


上記のテキストは全て創作ですが、そんな想像をさせるアイドルが藤本里奈です。

この子は諸星きらりちゃんとは別ベクトルの推しで、一言で言うなら「しあわせに生きてほしい」女の子だ。

▲関連:前回の諸星きらりちゃんの記事

藤本里奈は一言であらわすなら「マイルドヤンキー」。強めのメイクをして、長い金髪は側頭部に思い切り剃り込みが入っている。

▲藤本里奈のプロフィール。出身地が「湘南」。

この通り、見た目はドンキにいそうなギャル系。でも、水商売やったり、ガチ不良系のグループは本人的に「ナシ」。おそらく藤本里奈の成分表には多少の木下優樹菜が含有されているので、わかる人にはどういう雰囲気の子か捕まえやすいかと思う。

藤本里奈は中卒で、道路工事現場で働いていて、自分の事をバカだからと笑い、なんとなく地元の友達とつるんで、先のことは考えないボンヤリと楽しい毎日を過ごしていた女の子だ。

そして、これはスカウトした時にわかる事なのだけど、藤本里奈は自己評価と自己肯定感が低い。二言目には「バカだから」と言うのだけれど、その声はとてもあっけらかんとしている。彼女は「自分はそういう人間である」とごく自然に認識している。何か大きな挫折ではなく、18年の積み重ねで身につけた低い自尊心。

これはやべーな、と思った。ここでPちゃんがホワイト事務所の346プロに突っ込んでおかないと、あとあとの人生がハードモードになるぞ。

わたしは藤本里奈をスカウトしたときに、高校に行かず、工事現場で肉体労働する女子の家庭背景について考えちまったのだ。(ちなみに本家のモバマスによると、ママとの関係は良好らしい)

▲だってお前、中卒工事現場勤務でこういう経済感覚の女の子だぞ

例えば彼女がアイドルじゃなかったら、きっかけを思い出せない男とデキ婚してカネか暴力が原因で離婚してシングルマザーで宅配ドライバーとか飲食のフロアで働いて、近所の小さい飲み屋の常連になって……狭いコミュニティで人間関係が煮詰まり……メンタルをやる未来……守護らなければならない……(※妄想です)

藤本里奈は、性根はサッパリしていて素直、愛嬌があって甘え上手だし、ユニット内でケンカの気配があると自然と話を変えたりおどけて仲裁するような、ムードメーカーだ。あと、見た目で誤解されるかもしれないけど、すごく身持ちのしっかりしたお嬢さんです。

▲宣材撮影のスタッフから、こんな風に好かれる子が藤本里奈です

こういう女の子には、幸せになってもらいたいのだ。充実した仕事に進んでも、私生活の幸福方面に進むのでも良い。とにかく「バカだから」で全部諦めてきた女の子に、もう諦めてほしくない。その一心で彼女を見守っている。

彼女は346プロダクションで持ち前の社交性と愛され気質を発揮して、ユニットのマスコットのような位置にいたり、年少者にアドバイスしたり、安定した居場所を手に入れたように見える。「セーラー服着てみたかったんだ」と笑う彼女に、幸せになってくれよと願ってやまないのだ。

ちなみに彼女と元ヤンの向井拓海ちゃんが組むユニットが主人公のwild wind girlという漫画があり、とても評判が良いのでぜひ読んでみてね!