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日本、有名ブランドへの軍備増強の説得に奔走

以下文章は、個人的試訳です!

東京は、第二次世界大戦後最大の軍備拡張の為に防衛産業を活性化させているが、その一方、日本の有名ブランドの中には、軍事分野への投資に消極的なところもあるという問題に直面。

1947年に戦争を放棄した日本は、昨年ロシアが「特殊作戦」と呼ぶウクライナへの攻撃によって、中国が台湾への侵攻を強めるのではないかという懸念が高まる中東シナ海での北京の武力行使を抑止する為に、5年間で3,150億ドルの軍拡計画を発表した。

しかし、東京の戦略の重要な部分は、東芝、三菱電機、ダイキン工業など、何十年にもわたって自衛隊の装備を黙認してきた民間企業を説得し、生産を拡大させることにかかっている。

ロイターが、6人の政府関係者や企業関係者に取材したところ、軍国主義に反対する国民感情が根付いているこの国では、一部のサプライヤーにとって、軍国主義を売り込むことは難しいことが判明。

昨年来の防衛省との個人的な会合で、一部の企業は、利益率の低さ、日本が軍備拡張を完了した後に遊休状態になる可能性のある製造工場を建設することの財政的リスク、武器販売による企業イメージの低下の可能性などの懸念を表明したと、直接交渉に関わった関係者がロイターに語った。
この関係者は、協議の機密事項である事を理由に、身元を明かしたり、苦情を特定の企業に帰属させたりすることを拒否した。

政府は、軍需品の利益率を数%から最大15%に引き上げることや、企業がリスクなく生産拡大できる国有工場の提供などを盛り込んだ法案を準備している。しかし、それだけでは十分でないと懸念する声もある。

与党の有力議員で元防衛副大臣の佐藤正久氏は、「これまで防衛省は、防衛会社を当然視していた」と述べた。

佐藤氏は、日本の経営者が、より収益性の高い民間事業に注力する株主に対して、「愛国的義務」から防衛販売を正当化することは、ますます難しくなっていると述べた。
岸田文雄首相の軍備増強計画では、防衛産業を国家安全保障の重要な柱と位置づけている。

しかし、日本には、米国のロッキード・マーチン社や、英国のBAEシステムズ社のような国防のチャンピオンがおらず、自衛隊に供給する企業の多くは、よりありふれた製品を扱う企業である。

日本最大の防衛企業の三菱重工業は、日本の次期ジェット戦闘機や中国を抑止するための新しい長距離ミサイルを開発している。
しかし、昨年の売上高290億ドルの内、軍事契約はわずか10分の1。
同社の事業の大半は、民間航空機部品、発電所設備、工場機械である。

エアコンメーカー: ダイキンは軍需品の副業をしている。

プリンターなどの電子製品を製造する東芝は、軍用電池も製造

三菱電機は、冷蔵庫や掃除機と一緒に、レーダーやミサイルも製造。

昨年初めから、防衛当局はこれらの企業や、自動車・ヘリコプターメーカーのスバルなどのトップサプライヤーと会談、知名度の低い軍事部門の拡大を促してきた。

ロイターは、日本大手防衛メーカー15社に問い合わせ。
防衛省は、そのCEOを4月に岸信夫防衛相(当時)との会談に、1月には後任の浜田靖一防衛相との会談に招いた。

そのうちの3社、ジェットエンジンや橋、重機を製造する三菱重工業、三菱電機、IHIコーポレーションは、他の下層部の議論にも参加したことを確認。

5社は回答せず、残りは他協議に参加したかどうかについては明言を避けた。
回答した企業は、会合の詳細や、会合中に提起された懸念事項の説明を避けた。

多くの企業は、反軍事的な感情が残る国内、あるいは海外、特に中国において、日本の戦時中の過去に対する恨みが政治的に利用される可能性があるため、自社の防衛部門について話すことを躊躇している。

ロイターは、東芝、三菱電機、ダイキン、スバルなど、日本の軍需産業のサプライヤー10社に、防衛部門の責任者への取材を依頼。
三菱電機だけが同意

三菱電機の防衛システム部門長である荒井正彦氏は、政府の提案を歓迎し、日本の「安全・安心」に貢献することが三菱電機にとって有益であることを期待すると発言。。

彼の最大の関心事は、5年間にわたる日本の軍備増強が終わった後に何が起こるかであり、他の企業は「レピュテーションリスク(風評被害)に悩まされている」と。
彼の部門は、同社が昨年度記録した340億ドルの売上高の約4%を占める。

日本の他の大手防衛関連企業の関係者は、この問題の敏感さを理由に匿名を要求したが、地域の緊張に直接関わることはビジネスにとって悪いことかもしれないと述べた。

風評被害は、私たちを大いに悩ませる」と、この関係者は言う。「中国の顧客が、防衛の話題になると不快感を示すこともあった。

外交的な緊張はあるものの、中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、多くの日本企業にとって主要な製造拠点となっている。

日本が、2014年に数十年にわたる軍事輸出の禁止を解除した時、企業の臆病さや慎重すぎる官僚のせいで、産業の成長に拍車をかけることはできなかったとアナリストは述べてる。

三菱電機は、防衛機器を海外に販売した唯一の企業であり、2020年にはフィリピンにレーダーを供給する契約を結んでいる。

一方、化学会社のダイセルは、パイロット射出システム部門を2020年に閉鎖すると発表

住友重機械工業は、2021年に防衛省に機関銃の製造中止と伝えたという。

ダイセルは、収益性の低さを理由に、住友重機械は生産の維持と技術者の育成が困難であることを理由に挙げている。

今月政府が発表した世論調査では、中国や北朝鮮との地域的な緊張が高まる中、より大きな軍事力を求める国民の支持が高まっていることが示された。

1,602人を対象にした調査では、41.5%が「自衛隊を拡大したい」と回答、5年前の前回調査の29.1%から上昇。

それでも、日本企業は自社の軍事製品を「特殊装備」と呼ぶことが多い、と言う政府関係者。

売上の9割を空調で稼ぐダイキンもその一社。
大阪の淀川工場(西日本)で作っている大砲や迫撃砲の砲弾をホームページには掲載していない。

「防衛事業を秘密にしているわけではなく、通常の方法で情報を開示している 」とダイキンの広報担当者。「風評被害の問題ではない」。

ダイキン工場を囲む鉄条網の外側の通りで、奥本玲子さん(66)は、「砲弾を生産していることを知らずに40年以上、工場周辺の労働者階級近隣に住んできた」と語った。

「(ダイキンが)軍事活動から離れられるといいのですが。「でも、世の中の状況を考えると、それが非現実的であることは分かっている。」

- INFO SOURCE -
REUTERS ( 16 March 2023 )
https://www.reuters.com/world/asia-pacific/japan-battles-persuade-its-big-brands-join-military-buildout-2023-03-15/


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