飲み会を終えた夜に
2020年7月31日(金) 晴れ
酔っ払って帰る夜、アイスか本を買って帰る癖がある。
大学の頃はしょっちゅう、セブンイレブンでハーゲンダッツを買って帰った。家に着いてそのまま食べることもあれば、その日は食べずにしばらく冷凍庫でねむらせることもあった。
社会人になり、引っ越した先は駅前にTSUTAYAのある街だった。電車を降りて、あてもなく新刊や文庫本、単行本などのコーナーを見る。なんだか小難しいことが考えたくなって、村上春樹を買って帰ったりもした。
飲み会帰りの静けさは、おいしいご飯を食べた後にも似ているし、おもしろい本を読み終えた後にも似ている。充足感と、終わってしまう少しのさみしさ。どこかまだふわふわとしていて、もう少し余韻に浸っていたくて、だから買って帰るのかもしれない。夢の続きを。
最近はそんな飲み会もすっかりなくなって、だからいつかの飲み会帰りにねむらせたものたちをすこしずつ、冷凍庫や本棚から取り出しては、夢を貪る日々を過ごしている。
夢のかけらのストックが底をついてしまう前に、また大手を振って大好きな友人たちに会えるようになる日がくるだろうか。
サクレにつき立てたスプーンがシャリ、と音を立て、私は考えるのをやめた。いつだって美しかった思い出だけを抱えて生きていきたい。
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