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夫婦円満のススメ 〜察しないことを前提にする〜

 我が家には絶対の不文律がある。それは、「思っていることは口に出さなければ伝わらない。察して欲しいは甘えである」と言う考えだ。これは夫婦になった時に決めたことではなく、お互いに付き合いを深める前からSNSで主張し合っていたことであり、付き合う過程から、結婚生活の今日に至るまで、私たちの結婚生活を円満にしてきた絶対の価値観であると思っている。

 口に出さなければ伝わらない、まず第一は感謝だ。ご飯を作ってくれること、掃除をすること、些細なプレゼントをくれること、ぎゅと抱きしめ合うこと。毎日の些細な、だけれども決して当たり前ではないことにお互いが常にお互いに感謝する。口下手という甘えは許さず、感謝して欲しいことは感謝を求めたりする。その求める言葉に不満があればそれもいう。褒めて欲しいも、それは褒めるところかと笑うことも私たち夫婦には重要なことだ。

 次に不満である。些細なことでも積もり積もったら大爆発してしまう。だからこそ、少しでも不満に思ったら、指摘する。しかし、指摘する時は、必ず現在発生いることだけを指摘することが大事だ。流石に全く同じことを繰り返す時は過去も含めて指摘する必要があるが、基本的にはその場で発生した不満に対してのみ指摘のみにとどまることで必要以上に問い詰めることをしなくなる。そして、人格ではなく、行為に対して不服を申し立て、改善方法を探ることが大切だ。不満だけではなく、ではどうして欲しいのかそれを2人で話し合うのである。

 最後に、お互いが行った家事についてである。それは終了報告の意味合いも大きい。これは行ったから、それをする必要はないとお互いに報告して、報告した方はその行為に感謝する。なんてことはない、わかった、の後に、ありがとう、というだけだ。それだけで家事は円満に進む。家事に対する指摘は、必ず感謝を述べたあとだ。ありがとう、今度からはこうしてくれるとありがたい。と言った具合に否定せず、次の行為の時のために希望を述べるというものだ。案外これの方がうまくいく。

 こんな感じで、我が家では察しないことを前提に生活している。口に出さないことは、存在しないこと、不満に思っていないこととして生活する。それができると自分も相手も楽である。夫婦ならば察し合うことも素敵だと思う。けれども、私たちは基本的に夫婦になれども全く違う生活環境で生まれ育った全く異なる個体であり、どこまで一緒に生活しようが血の繋がらない他人であると認識している。だからこそ、私たち夫婦の間には当たり前も普通もない。毎日、ちょっとずつすり合わせて少しでも快適な日々を暮らしていく努力をするパートナーなのである。

 日本は、察しの文化が根強く、察してもらえることがなりよりも良いこととされがちである。しかし、それは一種の家庭内サービス業である。家庭は、ゆったりと落ち着ける場所で、リラックスする場所である。だから、サービス業はやらない。お互いにそれを守って、心を癒せる場所を作る努力をする。それが、我が家なりの夫婦円満のススメである。

 

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