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受験生版Tiger Funding オシカジュリアナさん回の感想(前編・入国関連)

ブラジル人と日本人のハーフの父親(在留資格アリ・逝去)とタイ人の母親(在留資格ナシ)の間に生まれたジュリちゃん(動画での呼び方に合わせる)は、本人も日本の戸籍がありません。母親の非はさておき、日本で出生したジュリちゃんについては18歳になり、学籍または就労であればビザが取得できる可能性が極めて高いと言われており、保育士の専修学校に行きたいという主旨でした。
彼女は17歳と思えないほどのバランス感覚の持ち主であり、母親の非については贔屓目なく理解していて、入国管理局の見解も十分にわかった上で、それでも完全に日本生まれ日本育ちの日本人マインドを持った人間として、今後も日本で暮らしたいとのことでした。

同様の件は過去にも何度かあり、そのたびに騒動になっていました。声の大きいネット民(主に右巻きの方)が、母親の不法入国を批判し、家族もろとも国籍のある国に返せ的な論調をかなり強硬に展開します。
ここからは持論ですが、私もこの方たちの意見に反対ではありません。あくまで法治国家であり先進国として適切な対応を講ずるのは悪いことではないように考えます。ゆえに、スムーズに、そして成功率が高く、帰国させる手はずを十分に整えることが対応の肝であると着目しました。

しかし、これが前者のネット民の方には通じません。全体の方向性は同じであるにもかかわらず。よくある意見は以下の通りです。
・相手国の問題なんだから相手国に帰して突き放せばいい
・娘もろとも帰してしまえばいい(いやいや娘さん現時点で相手国に国籍ないんですけどね)
・若いんだから言語はすぐに覚えられる(お前ら6年間も英語習って何も話せないだろうが)
・親が言語は教えればいい(お前日本語母語話者だけど外国語としての日本語を体系的に教えることなんてできるのか、日本語教師に失礼)

スムーズに帰す計画を整えることで、裁判や騒動を避けて、居残られる確率も下げて、日の丸ネット民も大満足かと思いきや、何故かスムーズに帰すことに難色を示します。
ここであることに気づいたのですが、要するにこの家族が相手国に帰って「路頭に迷う」「困窮する」「苦しむ」ことを願っていませんか?ということです。クローズドなSNSで、過去にこの議論をしている際に率直に問いただしたことがあって、相手も自分自身気づかずハッとした顔をして、もしかしたら無意識にそうだったかもしれないと答えてくれました。

無論、「この方たちの意見に反対ではありません」ですから、少なくとも不法滞在者が日本で出生した子については、日本に滞在する権利は与えてもよいと思います。他方、子が日本にいるという理由で、親を滞在させる権利は与えなくてもよいとも考えます。
その意味で私個人の見解としては、ジュリちゃんに関しては何の罪もないわけで、今後然るべき手続きを経れば、日本に滞在する権利は与えられるべきと思料します。

ジュリちゃん自身も今回は批判も浴びるだろうし、顔を出して訴えるのはある種の賭けであると話していましたが、同様の人が他にもいる中で、出演したのが彼女であったのは非常にプラスでした。
本人に思慮分別がある、批判されることや入国を許されない理由も十分理解している、どの考え方の人に対しても受容する姿勢を見せている、ましてや未成年の女子。これがもし「権利なんだから認めろ!」みたいな権利主張タイプや、不法滞在の母親本人が出てきて在留許可を唱えだしたら、きっとコメント欄の論調はヤ〇コメや2ち〇んねると変わらなかったでしょう。

私はこの問題を今後も中立的に見守りたい所存です。

後編に続く・・・。


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