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借金してゲームを作ったけど赤字だった件


たまには失敗談でも書いてみます。

貯金ほぼゼロマンの無謀な挑戦

「ゲーム作りてぇ」
そう思い立った私でしたが、貯金がほぼゼロでした。
そして毎月の稼ぎもよくない。
イラストを依頼するためのまとまったカネが無いから作ろうにも作れない。と悩んでいました。

このときはプログラムは自分で担当し、キャラクターデザインや立ち絵、イベントCGなどの絵の分野を外注するという座組でした。

しかし、行き詰まった時こそひらめきが生まれるもの。
「手元に無くても借りればいいじゃん」ということを思いつきました。

ざっと見積もって必要な資金は◯◯◯万円。3桁万円でした。(ちょっとぼかしました)
貯金ほぼゼロ男が博打に使うには勇気のいる金額。
しかしこのときは「ゲームが売れなかったらどうしよう?借金が残っちゃう!」という不安よりも「ゲームを作ってみたい!」という創作意欲が勝ちました

今思えば非常にインディースピリッツがありますね……。
「作りたいから作る!」「売上でペイできるか?知らん俺は作るんだ!」
という勢いと燃える気持ちだけはありました。

そして銀行へ……

いくつか銀行へ打診し、小規模の融資相談窓口に駆け込みましたが、
すべて断られました。
◆ケースその①◆
ぼく「個人事業のために小規模融資を受けたいんですが…」
銀行「事業計画書はありますか?」
ぼく「じぎょ…無いっすね」
銀行「簡単でいいので用意してから来てください」
ぼく「はい…」
銀行「事業内容の説明と想定する主要取引先とか1年間くらいの予算計画ね」
ぼく「…」
◆ケースその②◆
ぼく「ゲーム作るのでゆーし受けたい!」
銀行「企画書あります?」
ぼく「えっちなのだけどいい?」
銀行「ダメです」
ぼく「…」

だいたいこんな感じ。
箸にも棒にもかからないのと、ちょっと厳しいかなと感じたので、借りる先を変えました。
目的にかかわらず借りられるキャッシュカードのローンに。

失敗談なので真似しないようにしてください。
借りるにしても金利が高くてもったいない。
兼業しながら余剰資金を捻出するか、貯金をガッツリしてから始めるか…。とにかく『コレがポシャったら借金を返せなくて死ぬ』が起きないようにすべし。

一つの会社に数年間勤めていたおかげでカードローンの審査は通れたので、晴れて3桁万円の債務者になれました。

無謀な挑戦が始まった……!

「さぁこれでイラストが頼めるぞう!」
「やっと夢を詰め込んだゲームが完成するなぁ~!」
「爆売れして、パーッとインディゲーム開発者デビュー飾っちゃいますかぁ~?」
……などと、カネを手にしたアホは喜び勇んで制作に取り掛かりました。

でも当初想定していたよりもかなり時間がかかっちゃいました。
事の顛末は↓↓こちらに。
【ゲーム制作にかかる時間(中編RPGの場合)】
https://note.com/examgames/n/n12fbd68870a9

制作アンド発売。その結果は…?

その結果は…?なんてもったいぶる必要もなく題目に書いてあります。
赤字でした
大のつく赤字です。

借りたお金の6割くらいしか回収できませんでした……。

しかも借りたお金の他に、自分の作業工数はめちゃめちゃかかっています。
これを事業としてやろうとしたら大赤字どころか倒産です。
インディーゲーム開発者マンでよかったね!

でも良かったこともある

◆ゲームの評価は良かった◆
プレイしてくれた人は楽しんでくれたようで、それがなによりも嬉しいです。
無名開発者の第一作を買おう!という勇気あるゲーマーの方々に感謝します。
◆なにより楽しかった◆
これ重要です。
作ってる最中はとにかく終わりの見えない苦行が続く感じで体力と精神がヘロヘロに。発売後の不具合修正の連続に心を病みはじめ、高評価をもらってなんとかメンタルを回復させていた感じでした。
が、終わってみれば「大変だけど楽しかったなぁ」と思えるくらいには超楽しかったです。

でも借金が残っちゃった

自分の夢を詰め込んだゲームを作り、完成はした。
あとに残ったのは作品と、借金。
ゲーム制作で食っていこうなんて夢のまた夢…。

と挫折しかけましたが、追い詰められてからが本当の勝負どころ。
「日本市場では赤字、まぁしゃあない!これがワイの今の実力や!」
「ほな次は海外市場に挑戦やで!真のクールジャパンを見せたるわ!」

ということでSteamにて英語版を発売し、なんとかトントンまで取り返すことができましたとさ……。

日本語版は2019年6月発売。
Steamでの英語版は2019年8月発売です。
当時はまだまだSteam進出してる小規模/個人インディーゲームは少なかった印象です。よくやれたなぁ……。と自分で自分をほめておきます。へへっ。

海外版を作ろうにも金が無かったので、機械翻訳を使ったのがさらなる失敗談です。
海外ユーザーから「翻訳が良くない」とバッド評価が多く寄せられました。
Steamで海外に向けて出すなら、翻訳はちゃんとしような……。

今回のまとめ

借金してインディーゲームを作ったら、日本市場では赤字だった!

でもちゃんと生きてます

ウン十万とはいえ返すアテのない借金が残った時は毎日どうしようかとゲロ吐きそうでしたが、海外市場でなんとかトントンにまでもっていって、おかげさまで大好きなゲーム制作を続けることができています。
EXAMGAMESのゲームを遊んでくださった方々。いつもありがとうございます。
これからウチのゲームを遊んでくださる方々。とてもありがたいです。
今後ともよしなに。よろしくお願いいたします。

ありがたいことに、EXAMGAMESは2024年でゲーム制作6年目を迎えることができました。パチパチ。

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