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「ビットコインが法定通貨に」エルサルバドル 法案可決


ビットコインが法定通貨に

中米エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は6月5日にビットコインを法定通貨にする事を検討していると発言し、その後法案を提出し国会は6月8日にビットコインを同国の法定通貨とする法案を可決しました。

これによりビットコインを法定通貨に採用する世界初の国となりました。これを受けエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は「歴史的だ」とツイートしました。


エルサルバドルの国内事情

エルサルバドルは人口約664万人、中央アメリカ中部に位置し国土は九州の半分ほど。
現在国内では2つの公式通貨があり、自国で発行される「コロン」と「米ドル」です。
どちらも法定通貨ではありますが、実質的にはコロンは使われておらず米ドルが主に使われています。

エルサルバドルでは国民の約7割が銀行口座を持っておらず、海外に出稼ぎに出た家族からの海外送金に頼る人が多く貧富の差が激しい国の一つです。


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ナジブ・ブケレ大統領はこのように述べています。


「ビットコインの時価総額は 6,800 億ドルある。
その内 1% がエルサルバドルに投資された場合、GDP を 25% 押し上げる。
一方でビットコインは1,000 万人の新規ユーザーを獲得し、年間 60 億ドルの送金を急速に成長させる方法である。」

エルサルバドルは人口・GDPで見ると千葉県と同じくらいな為、市場への影響はそれほど大きくないかもしれません。ただ、自国の通貨が安定しなかったり、海外送金に頼るエルサバドルのような国であれば他の国でも起こり得る事であり、金融サービスを受けられない人々への希望の星と言えるでしょう。


なぜビットコインなのか

法定通貨に価格変動が激しいビットコインをなぜ採用するのかについては不透明で、他の通貨でも良いのではないかと言う声も多くあります。

しかし、ビットコインは世界で最もメジャーな暗号資産通貨であり流通量が多いことなどからビットコインを採用した事は客観的に見ても良いのではないかと思います。

海外送金・決済などがビットコインにより可能になると、インバウンドも増えますし利点は多くあると判断したのでしょう。

逆に法定通貨にビットコインを採用することに問題もあります。


マイニングの環境汚染問題

法定通貨がビットコインになると当然マイニングを行うことになるのですが、ビットコインの電力消費量が多すぎる問題は元マイクロソフトCEOであるビル・ゲイツなども指摘しています。

オランダ中央銀行のデータサイエンティストのアレックス・デ・ヴリース氏によると、「ビットコインが生み出す二酸化炭素(CO2)が、1トランザクションあたり300kgと試算したが、これはVisaカードの約75万回分の決済が生み出す二酸化炭素の量に匹敵する」とのこと。

このような世界規模の問題に対して、ナジブ・ブケレ大統領は地熱発電によるマイニングを検討していると発表し、100% クリーンで、100% 再生可能で、火山からの排出量ゼロのエネルギーでマイニングをすると発言しています。

また動画でも井戸を掘り地熱発電の実現を促しており、井戸から出るのは純粋な水蒸気でクリーンであるとツイートしており、このツイートにTwitter社CEOのジャック・ドーシーも賛成しています。

これはマイニングの環境汚染問題に対する一つの答えなのかもしれませんね。

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最後に

大統領がこの法案についてアナウンスをしてから、法定通貨にビットコインを採用するまでのスピードがとても速くびっくりです。

世界初の試みなので未知数ですが、金融サービスを身近に利用でき利便性を高めることにより、貧困問題が徐々に解決して欲しいなと心から思います。

このように一国が暗号資産を法定通貨に認めるようになるなど、世の中は日々変化しています。
当社も「ブロックチェーン・暗号資産の社会実装」というミッションを掲げています。

c0banも日本発で社会に貢献出来るよう、より精進して参ります。

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