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34歳で末期癌になった話#セカンドオピニオン

7月になり投薬を初めて一年が経ち、改めて薬がいつまで効き続けるのか、耐性のことが気になり始めた。治療に関しての最新の報告があったようで、平均して20ヶ月程度で耐性がつくということだった。ただ、全体の1/3程度の人で3年ほど効き続けるという結果も出ているようだった。
他が分からないので長いのか短いのかの判断がイマイチつかないが、当初1年くらいで耐性が付くかもしれないと言われていたので多少伸びたのか、くらいの印象しかない。以前この分子標的薬で癌が消えないのかと質問した際に、それは医学的に絶対有り得ないと回答され、既に自分の中での希望は失われている。
治らないのがわかっていても飲み続けるしかない、そして、耐性がついたあとはどういう方針なのか聞くと、点滴で抗がん剤の投与しかないとの答え。
そうやって薬漬けの癌治療が始まるのかと思うと萎える。兎に角、標準治療に選択肢はなく、それが100年変わっていない癌治療の考え方という言葉がまたよぎる。
それ以外で生きながらえる可能性を自分で探して試すしかないという思いは以前和田医師の本を読んだ時から当然あった。そんな時偶々インターネット上の広告で免疫療法という本が出てきたので読んでみることに。その週数間前にNHKで放送されたウイルス療法でがんを治療するというものに感心したものの、まだ一部のがんにしか適用されていないことや、治験段階が多く、自分に当てはめて考えるにはどこかまだ現実味を帯びない治療と写ってしまう。
しかしこのNK細胞を使った免疫療法はある程度の効果をだしており、自分の免疫を使うので副作用もないという夢のような治療に見えた(後日魔法の杖と思われてくる患者が多いがそうではないと直接医師に訂正された…)
とにかく、次の一手が抗がん剤しかないという状況に抗いたい気持ちで無料相談をするべく問合せたのだった。
保険適用外の自由診療に当たり、全て自己負担、がんの治療が100年変わらず新しい治療方法にはまだまだ風当たりもつよい。
古い体制や既得権益など、恐らくどこの業界にもありそうなことがここにもあるのだろうと容易に想像が出来てしまう。
何ヶ所かクリニックの説明を聞こうかとも思ったが日比谷のクリニックで話を聞いた先生が30分予定を大幅に超えて2時間近く様々なことをお話ししてくださり、始めるなら早い方が良いし、この先生の熱意にかけてみようかなという気に既になっていた。高額な治療だが、必ずしも全ての人に効果が出る保証はないという条件を受け入れ初診の予約をすることにした。
前述したように夢のような治療でも魔法の杖でもなく、がんと戦うための選択肢の一つとして、やれることはやりたい。そう思う人は多いと思うが、いかんせん情報をどう得るか、取捨選択するための判断材料をどう得るか、簡単に検索できる時代だからこそそれが本当に難しいと改めて思う。
溢れているものから本当に知りたいこと、自分にとって本当に価値のあるものにたどり着く為には誰と出会うかも重要な要因になる
日比谷のクリニックの先生は他の治療方法で優れていると思う先生とのネットワークが豊富で患者が治るなら幾らでも紹介をしてくれるというスタンスであった。自分のクリニックで囲うような無意味なことに固執しておらずそういう点で非常に信頼できる。このような出会いはネットでは検索できない。


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