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34歳で末期癌になった話#寛解という考え方

和田洋巳氏の"がん劇的寛解"という本を通読した。この本を読み、治るか治らないかの0か100かしか考え方としてないのが、今のがん治療のスタンダードということを知った。そしてそれが100年変わっていないということも。
以前、何の知識も無い私が一度、腫瘍が小さくなったら次の治療方針があるのか聞いた時、主治医からは標準治療から外れたことはしないで、薬の服用を続けるだけです、治りませんから。と当たり前のように言われたことを思い出した。
その時は"がんの治療はそういうもの"かと思ってしまったが、ステージⅣの患者にとって0か100ではなく、QOLを維持しながら如何に生き続けるか、ということが大事であるということがよく理解できた。病気以外の話で勝てなくても負けないことが大事という言葉を前に聞いたが、まさにこれの事だと思った。治らなくともすぐに死ななければ同じことだし、いづれ生き物は死ぬのだから寛解という考え方はステージⅣの患者にとっては生きる希望になると思った。
ステージⅣとは完治不可、がんで死ぬということ、今の標準治療の考え方では、抗がん剤が効く限り、極量を投与し続けるしか方法がないというのも冷静に考えるとかなりのパワープレーだなと思ってしまう。
薬漬けにされて、耐性がついて効かなくなれば緩和ケア送りで死を待つだけ。
これでは抗がん剤を投与してるのも死ぬまでの時間稼ぎ、副作用で身体が負けるか、耐性がつくのが先か、助からないことが分かっててやる悲しい競争でしかない。
この著者である和田氏は上記の考え方(現在のがん治療の考え方)からは逸脱しているが故に、白い目で見られたり、当然アンチがいるようで、医学じゃなくても権威が君臨する世界ではどこも同じ事が起こるのだろうと推察される。ただ、イチ患者から言わせて貰えば、治らない相手(がん)との付き合い方をもっと多面的に、複眼的に、考えるということがあって然るべきだと思う。
医者は誰の為に、何の為に存在しているのか、そんな根源的な問いすらぶつけてみたくなる。
病気を治す、命を救うのは当たり前だが、根本的に原因が取り除けないのなら、患者にとって何をしてあげるのがベストなのかを第一に考えれば
治らないけど、病気を持ちながら生きながらえるという考えに何故至らないのか逆に疑問である。そして我々患者は医者の言う事をただ盲信するのではなく、どう前向きに病気と生きていくかと言う視点を同時に持って医師と対話すべきであると感じた。

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