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農園で収穫したものを焼いて食べてみました!〜くいしんぼうラボ 活動レポート(vol.12)

くいしんぼう ラボ(KUISHINBO LAB)」は、2022年に東京学芸大学と辻調理師専門学校との間で締結された「食と農と環境に関する教育研究連携」に基づき、「くいしんぼうの視点で、食・農・環境を考える。畑で食べる、薪でピザ、梅干し作り、ハーブで遊ぶ、畑でコーヒー焙煎、コーヒーの抽出カスで肥料作りなどなど。美味しいものを中心にして、みんなで、食べること、農作物を育てること、そして環境に優しく、持続可能な社会のことを楽しみながら学ぶ」そんなラボです!

昨年度も10回以上の活動が行われましたが、2023年5月22日(月)、新入生を迎えての今年度初めての活動が東京学芸大学環境教育研究センターの「農園(教材植物園)」で行われました。
晴天の空の下、新緑のまぶしい中、季節の農作物の収穫をメインに、収穫物の一部は火をおこして調理もしました。収穫したのは、梅、空豆、ジャガイモ、イチゴ、麦、そのうち調理したのは空豆とジャガイモで、今回も農園を管理されている環境教育研究センターの平田大介さんにご指導いただいて、楽しく活動することができました。

最初は梅の収穫です。脚立に乗ったり、木に登ったり、高いところは高枝切り鋏を使ったり、みんなで協力してたくさんの青梅の収穫ができました。

脚立組、木登り組、高枝切り鋏組、みんな合わせて大きなバケツ二杯分の青梅です!

続いては、茄子の苗を植える作業です。さんさんと降り注ぐ陽の光を浴びながら、大地の香りを嗅ぎ、土に触れるというようなことは、通常の授業では体験することのできない貴重なものです。

次は空豆の収穫です。空豆の名前の由来は、さやが空に向かって伸びるようにつくためということですが、「収穫の目安は豆が大きく育って下を向いていることです。下を向いているものを採りましょう!」と平田さんから説明があり、学生は重さを確認しながら収穫しました。

たわわに実った空豆は後ほど調理することに!

そして、麦畑に移動し、平田さんから麦の説明を受けました。農園では、柳久保小麦(やなぎくぼこむぎ)、大麦、ライムギを育てているそうです。
柳久保小麦は、東久留米市で栽培されている在来種で、江戸東京野菜に選定されている品種です。今年度は 6 畳ほどのスペースで栽培しており、収穫は 5キロほどできる見込みとのことです。

農園には製粉機もあるとのことでしたので、 「この小麦を挽いて粉にして、農園にあるピザ窯でピザが焼けたら素敵だね」と参加メンバーで盛り上がりました。 ライムギは、次年度の種まき用の種を採取するために植えているそうで、今年度は収穫できるほどの量は取れないとのことでした。 最後に大麦については、すでに刈り取ってあったものを当日提供いただき、脱穀、選別を経て、焙じて麦茶つくりにチャレンジすることになりました。

大麦を脱穀して選別したものを、鍋で焙じて麦茶作り。実際に飲んでみるのが楽しみです。

忘れてはいけないのが、もうシーズンも終了間近のため、一人1粒ずつぐらいしか数がありませんでしたが、 平田さんから「食べたくなったらいつでも積んで、洗って食べていいですよ」と言ってもらったイチゴです。

実際、この平田さんの言葉の後すぐに食べた人もいれば、すべての収穫作業を終わってから食べた人もいて、 皆味わった瞬間はバラバラでしが、味の感想は皆「とても甘くて美味しかった」で一致していました。
そして、今回の収穫のラストを飾ったのはジャガイモです。品種はキタアカリ。これを1株ずつ掘り起こしました。

1株につくイモの数に驚きながら、手では抱えきれほどの量を楽しく収穫しました
平田さんの指示のもと、収穫したジャガイモを水洗い
新聞紙とアルミホイルで包み
農園で刈り取って干しておいた藁で焼きました

ただ藁だけでは中までしっかり火が通らなかったため、炭でさらに時間をかけてじっくり焼くことになりました。そして、この炭は続く空豆でも活躍しました。

こちらの炭は農園自家製です
収穫した空豆を皮ごと七輪の上に並べて
農園自家製の炭で真っ黒になるまで焼きました

室内に場所を移して、参加者人数分の紙皿に、焼き上がったジャガイモと空豆を取り分けて、試食することになりまし た。味付けは、シンプルに塩とオリーブオイルのみにしてみました。

採れたて、焼き立ての味を皆で堪能することができました

最後に本日の参加者が全員集まって、今後の「くいしんぼうラボ」の活動について意見交換を行いました。 最初に平田さんより、本日の活動の振り返りと今後の収穫予定が発表され、次いで、今後の活動について、自由な発言機会がありました。そして、東京学芸大学の文化祭である「小金井祭」へのラボとしての出展の可能性や、そうしたイベントで、農園で収穫された農作物やそれらを原料とする食品を販売する可能性など、これからのラボの活動を活気づけてくれそうなイベントについての提案や質疑もあり、前向きに検討していくことになりました。

今回は東京学芸大学からも、辻調からも初参加の学生が多く、さらに農作業ははじめてという人も多かったのですが、 ラボ終了時の表情はみんな満足感にあふれていました。 「普段できない貴重な体験ができた」「他のクラスの人と交流することができてうれしかった」「ラボの今後が楽しみ」 といった、体験の喜びや今後への期待の声が数多く聞こえてきました。 また「食材は買うもの」、せいぜい足をのばして市場まで、というぐらいだった意識が、今回の体験を通して、「食材は育てるもの」に変わるきっかけになることを私たちは期待しています。食材については、その生産地まで足をのばして、その成長の過程を知って、農家さんの大変さ感じたり、農業の重要性を再認識したりすることがこれからは必要だからです。
今回は、まさに「くいしんぼうの視点で、食・農・環境を考える、持続可能な社会のことを楽しみながら学ぶ」という、このラボの趣旨どおりの活動となりました。

辻調理師専門学校  岡田 裕


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