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隠れ家の不良美少女 228 武道館3

キナコはみんなに手を振って見送るとステージに一人になった。

「みんな、私がここまで来れたのはある人達のおかげです、私の曲を作ってくれた人がリーダーのあるグループ!そうですロブスターズの皆さんです!」キナコはステージ後ろに手を振った。

スクリーン前のひな壇が競り上がりバンドのセットが現れる。
そしてロブスターズのメンバーが笑顔で登場した。
 
コメントが驚きで一杯になった。

『え〜伝説のバンドが?』
『嘘〜!!!凄い!!』
『マジヤバい!!』

ロブスターズカラーの赤いジャケットを着たメンバーはキナコに手を振った。
「みんな〜ロブスターズだよ、楽しんでね」キナコが言うと。
和也さんは「ワン・ツウ・スリー・フォー」とカウントを出した。

『ジャキーン♪ダダダダドコドコ・ジャーン』ロブスターズの演奏が始まった。

圧倒的なパワー感で伝説のロックバンドが蘇る。

『俺たちは博多の片隅で〜 産声を上げたのさ〜♪』
『何一つ変わらない日常を変えようと立ち上がった♪』
『音楽と愛で何かを変えようと 立ち上がったのさ〜♪』
『who〜♪♪♪』

スクリーンには博多のロブスターズミーティングの会場が映し出された。
最高に盛り上がっている。

サビになった。
「ウィ アー ロブスターズ  俺たちは争う事なんかできないぜ〜♪」
「ウィ アー ロブスターズ  俺たちはピースサインしか〜できないのさ〜♪」 

博多のロブスターズミーティングのみんなが両手を上げてチョキチョキとピースサインをしている。

俺は思わず吹き出してしまった。

サビが終わると和也さんが2番を歌い出す。後ろのスクリーンに『ひとみ会長、長い間ご苦労さん』和也さんの手書きの文字が映し出される。
それを見たひとみさんは驚いた後両手で顔を塞いで肩を震わせた。
周りは肩を叩いてひとみさんを祝福した。
その後ろで腕を組んで頷いている俺の父親の姿が見えた。
俺は嬉しくなって微笑んだ。

『ジャキ〜ン・・・ガガガ ジャキ〜ン』和也さんがギターのカッティングを初め2曲目が始まる。

また多くのコメントが上がった。

『カッケ〜!!U2みたい』
『さすが生きる伝説!』
『テレキャスいい音だねえ』
『日本にもこんなバンドいたんだ』

和也さんはマイクを掴んでメンバーを見た。
「メンバー紹介!ドラム、山崎健太!ベース、松山愛美!ギター、江頭俊樹!そして、ヴォーカル、東之和也!ロブスターズは完全復活しました!」そう言ってピースサインをした。

ロブスターズは見事に4曲で最高のライブを締め括った。

キナコがロブスターズカラーの赤く可愛いドレスで出てきた。
「みんな〜楽しんでくれた?」
視聴者が映し出されると、みんな手を振ったりチョキチョキピースサインをしたりして盛り上がっている。
「じゃあ、私が初めて歌った曲、そう『ラプソディを君に』を一緒に歌います」キナコは深くお辞儀する。

和也さんはひな壇を降りてきてキナコの横に立った。

イントロが始まりキナコが先に歌い出す。

「後ろ姿の君は〜♪ 笑顔と違った優しさを見せてくれる〜♪」
「そのままで、そのままで、良いのよと〜♪ 慰めてくれる〜♪」

二人はサビを力強く歌った。
キナコママと未来ちゃんのコーラスも心地よく響き渡る。

俺は桜との事が浮かんで来てステージが涙で見えなくなった。
『桜、見てくれてるよな』俺は桜に心の中で呼びかける。

「バンドのみんな〜」キナコが手を振るとバックバンドの子たちが参加した。
バックバンドとロブスターズの共演だ。

キナコと和也さんが並んでギターを弾いた。
キナコはギターを弾きながら力強く歌った。

最後はお互いのバンドのソロ合戦になった。
ギターがお互いにソロプレイを披露した。
ベースやドラムもそれぞれにカッコよくソロプレイを披露した。

圧巻の演奏が終了した。
ロブスターズのメンバーはニッコリと手を振ってステージを降りた。

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