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隠れ家の不良美少女 115 えっ!え〜!!!

翌朝空港では、見送ってくれるフアンにサインをしたり写真を撮ったりとキナコは大忙しだ。
やっとゲートを抜けて待合の椅子に腰掛けると「ふう〜」と声を漏らす。
「お疲れさん、お土産を買おうか」俺は希和に言った。
「うん、やっぱり白樺の恋人かなあ」
「天空のみんなに買っていこう」
「分かった」希和は重い腰を上げようとした時、メールが来る。
「あれ?綾乃さんからだ」希和はスマホを見た。
「ええ〜!」青ざめた顔になり固まっている。
「どうした?」
希和は言葉にならず、スマホを渡す。
『新さんが車で川に落ちた』
「え〜!」俺も言葉を失った。

「友希さん………どうしよう?」
「とりあえず帰らないとどうにもならないからなあ………」
「うん………………」
「どうしたの希和」希美子さんが心配そうに聞いた。
「新さんが事故で入院したみたいなの」
「あの九州の人?」
「うん、私を不良にならないようにしてくれた人」
「そうなの……………」希美子さんも言葉を無くした。

「帰ったら直ぐに病院へ行ってみます」俺は二人に言った。
「そうね……」希美子さんは頷く。

飛行機の中で希和は不安そうにしている。
俺も新くんの無事を心から祈った。

羽田に到着すると、直ぐにモノレールに乗り込み、東京駅から本庄早稲田駅へ向かう。
美奈さんや詩織さんに事情を話し、本庄早稲田に到着すると停めてあった車で希和と病院へ向かった。

「新さん大丈夫だよねえ」希和は不安そうに俺を見る。
「…………………多分………」

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