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隠れ家の不良美少女 229 武道館4

ソロの間にキナコは衣装を変えて登場した。
短い黄色のシュートパンツにおへそが見えている短いTシャツ、そして可愛い半袖の黄色いジャケットで出てきた、レースのストッキングに太ももには可愛いベルトがついている。

コメントはヒートアップした。

『キナコ激カワ!!』
『足が美しすぎる〜』
『太ももセクシ〜』
『おへそ可愛い〜!!』
『完全にK Oされた〜!』

キナコカラーのマイクスタンドがステージ中央に置かれ、キナコはそれをつかむとニッコリした。

「初めて自分で作った歌を歌います、みんな聞いてね」

イントロのシンセサイザーシーケンスがピコピコと流れた。

ステージにはレーザー光線が飛び交い美しい模様を作る。

「………何かが始まる♪………何かが始まる♪」

ドラムがリズムを刻み始めた。

「………何かが始まる♪うう〜………何かが始まる♪WHO〜」

ベースもリズムを刻んだ。

ギターがカッティングを始めた
「………何かが始まる♪イエ〜………何かが始まる♪WHO〜」

キナコはグッと拳を上げた。

転調で鮮やかなサビが始まった。

「………恋が始まるよ♪………夢が始まるよ♪………全てが今、が始まるよ〜♪」

「始まるよ〜♪」キナコママと未来ちゃんのコーラスが合わさって素晴らしいハーモニーは武道館を満たして行く。

コメントも盛り上がった。

『キナコの曲良い!』
『繰り返しがカッコいい』
『歌詞が少ないのに凄い』

絶賛のコメントが次々に上がった。

その後は新しいアルバムのために和也さんが作ってくれたロック調の曲が始まる。
キナコがバンドを手招きすると、バンドのメンバーはひな壇から降りてきてキナコの周りに集まった。
キナコはバンドのメンバーを引き連れステージ狭しと動き回った。
可愛いステップで歩いたかと思うと後ろを向いてお尻を振ったりスキップでクルクル回ったりしている。
バンドのメンバーはキナコのパワーとパフォーマンスについて行こうと必死だ。

コメントは驚きで一杯になった。

『キナコすげ〜!!』
『完璧にアーティストだ!』
『超〜カッコいい!!』

キナコの動きは誰の真似でもなく、完全な自己表現だ。

圧倒的なパワーとパフォーマンスに会場も視聴者も釘付けとなった。

さらにキナコカラーのジャケットに着替えた和也さんはギターのカッティングで参加した。

ステージは最高の盛り上がりを見せた。
スクリーンには拳を振り上げノリノリの視聴者が次々に映し出される。

そしてスクリーンには楽しそうに踊っているココアちゃんが写し出される。
ココアちゃんは事前に『キナコちゃんのライブ配信を見るよ』と告知していたのでコメントが次々に上がった。

『キタ〜!!!ココアちゃん』
『ノリノリココア可愛い』
『見てるよココアちゃん』
『もっとココアちゃん見たい!』

やがて最後の曲になった。
「みんな今日は見てくれて、いや参加してくれてありがとう」
キナコは大きく手を振った。

『キナコ最高!!』
『愛してるよ〜』
『キナコ大好き〜』
『もう終わりなの?』
『もっよ聞きたいよ〜』

キナコはギターを弾き出した。
最後の曲も和也さんが作ってくれた曲だ。

優しさが染みる曲で最後を締め括った。

「みんなありがとう」
キナコは手を振ってステージから楽屋へ向かった。

スクリーンにはアンコールを要求している視聴者が次々に映し出される。

なんと会場の招待した企業からもアンコールの拍手が沸き起こった。

「それを見た友里香さんはニッコリと微笑んだ。

マスコミ関係からもアンコールの拍手が起こった。

突然スクリーンに楽屋が映し出される。

キナコやみかりん、プリンちゃんやまなこちゃんがキナコプリンを食べている。

「美味しい〜、さて、じゃあアンコールに答えましょう!」
そう言うとみんなでステージへ向かった。

「みんなアンコールありがとうね」キナコは嬉しそうに手を振った。
「みんな、最後は一緒に歌おうよ」キナコが言うと、出演者が全員出てきた。

「皆さん、私がこうしてライブできたのもある女性のおかげなんです、彼女が私をマネージャーやプロデューサーさんと引き合わせてくれました。でも彼女はもういません、でも天国できっと見ていてくれると思います、彼女が作った曲は途中でした、しかしそこにいる和也さんが完成させてくれたんです、最後にその曲を歌います」

キナコは深く頭を下げた。
イントロが静かに始まる。
スクリーンには満開の桜の木が映し出された。

「空耳だったの〜あなたの言葉は〜私の心に残っているのに〜♪」
キナコが歌い出す。

スクリーンには桜子のピアノをひいて歌っている映像が流れる。
「えっ?…………」俺は驚いて言葉を無くす。

友里香さんが涙を浮かべながら、「桜にも武道館に出てもらいたかったの」そう言呟いた。

俺の目は何も見え何くらいに涙が溢れた。

サビでは出演者全員で大合唱になっている。

曲が終わると、みんな手を振ってステージから去っていった。

スクリーンにはスタッフが作業している動画が流れる。
全ての参加スタッフが紹介された。

スクリーン横には不思議そうなコメント次々に上がってきた。

『えっ?これで終わり?』
『重大発表は?』
『どうなってるの?』
『????????』

スクリーンのスタッフ紹介が終わると、キナコがポツンとステージに現れた。

「重大発表を忘れてた」そう言っていたずらっぽく微笑んだ。

『でしょう???』
『なんの発表?』
『ドキドキする』
コメントが盛り上がった。

「実は………私には妹がいるんです」
キナコはニッコリステージの袖を見ると手招きした。

「ココアちゃ〜ん!」

ココアちゃんは可愛いドレスでニッコリ手を振りながら出てきた。

「お姉ちゃ〜ん」とても嬉しそうだ。

コメントは驚きで一杯になった。

『え〜マジ!!!』
『ココアちゃんのお姉さん?」
『ヤバイ可愛すぎる姉妹だ!』
『キナコの妹なの?』
『キナコ・ココア・可愛いぞ』
『カワイすぎる〜!!』

「そして私たちのお父さんを紹介します」
キナコとココアちゃんは二人で呼んだ。

「「お父さ〜ん」」

ステージ袖から和也さんが恥ずかしそうに出てきた。

コメントは混乱した。

『え〜!!!どうなってんの?』
『何が起きたんだ?』
『ビビった!!!』
『ウソ!マジ!』

やがてコメントは落ち着き納得した内容が増える。

「じゃあ最後だからピアノを弾いてくれる?ココアちゃん」キナコが聞くと。

「うん、弾くよキナコお姉ちゃん」そう言って用意された黄色いグランドピアノの前に座った。

ココアちゃんは静かに蛍の光を優しく弾き始める。

ココアちゃんのピアノが1コーラス終わるとストリングスが流れる。

「今日は最後までありがとうございました」キナコとココアちゃん、和也さんが深々と頭を下げると出演者やスタッフなど全員ステージに集まった。
バックバンドのメンバーが演奏を始める。
レゲエのリズムに乗った蛍の光が始まった。

ステージの全員が手を振りながら歌っている。

歌い終わるとみんなステージからいなくなった。

キナコは一人残ると改めて「ありがとう」そう言って頭を深々と下げた。

「もし何か気になることがあったら、今夜0時にSONEムービーからキナコのドキュメンタリー映画の配信が始まるので見てね」ニッコリウインクしてキナコはステージからいなくなった。

スクリーンには『KINAKO18』写真集近日発売! プリンちゃん『ファイナル写真集』近日発売と表示された。

会場には笑顔で帰り始めた企業やマスコミの人達が見える。

俺と友里香さんは拳をコツンと当てて微笑んだ。

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