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CT検査とMRI検査の違い

それぞれの特徴について


体の精密検査として、CT検査とMRI検査がよく使われる。それではCT検査とMRI検査は何が違うのだろうか?今回、それぞれの特徴について簡単に解説してみたい。

〈目次〉
1.はじめに
2.発見できる疾患の種類
3.得られる情報について
4.CT検査の特徴 
5.MRIの特徴
6.おわりに

1.はじめに
CT検査は撮影の仕組みとして放射線を使用する。
それに対して、MRI検査は磁力と電波を使用して撮影を行う。

体の断面を撮影した複数枚の写真をコンピュータで処理して、希望の部位の画像を出力したものがCT検査である。

それに対して、細胞に含まれる水素原子を、磁力と電波によって影響を与えて画像化したものがMRI検査である。

2.発見できる疾患の種類
(1)CT検査
脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍 など

(2)MRI検査
脳梗塞(ラクナ梗塞)、脳動脈瘤
脳動脈奇形などの異常 など

3.得られる情報について
CT検査は0.5mm以下の小さな病変を見つけたり、広範囲な確認をすることが得意である。

MRI検査では色の濃淡(コントラスト)がCT検査よりもわかりやすいため、病変をより明確に見ることができる。

また、CT検査では血管の状態などを確認するために、「造影剤」という薬剤を使用することがある。

それに対してMRI検査では、血管の状態の確認でも、通常のMRI検査と同じ方法で検査ができる。

撮影部位や病気の種類によって使い分けや併用が可能である。

4.CT検査の特徴
CT検査はX線を体に当てて、体で吸収される量の違いを出力する。

場所や組織によってX線の吸収される量が違うため、その違いを白黒の濃淡として表示する画像となる。

CT検査では機器が回転しながら沢山の写真を撮影する。この写真をコンピュータで処理することにより、希望の部位をより鮮明に出力できる。

(1)検査時間が短い
CT検査は写真撮影と同じ仕組みなので、磁力と電場を使うMRI検査より短時間で検査を行うことができる。

一般に5分から15分ほどで、何百枚も写真を連続撮影する。撮った画像はコンピュータを使うことで、角度を変えてみることが可能。

(2)X線を使う
CT検査では撮影にX線を使用する。安全性を高める技術開発が進み、現在では放射線被ばくによる影響は非常に小さくなってきたが、被ばくによるリスクは0とはいえない。

しかしながら、検査によってがんを早期に発見でき、治療を行えるメリットの方がはるかに大きいと思われる

(3)造影剤を使用することがある
CT検査の特徴として、MRI検査に比べて色の濃淡(コントラスト)が若干弱く、血管の状態を確認することがあまり得意とはいえない。そのため検査の目的や対象によっては、造影剤という薬を血管から入れて撮影することがある。

5.MRIの特徴
人間の体はたくさんの細胞や水分から構成されている。さらに細かく見ると、無数の水素原子が存在している。

その水素原子は自由に動き回っているが、そこに強力な磁力をかけると規則正しく並ぶ性質がある。この性質を使って撮像を行うのが、MRI検査である。

(1)検査時間が長い
MRI検査は15~60分ほどかかる。また、検査中は狭いところで静止しているため、閉所が苦手な方にとっては大変な検査と言えるかもしれない。
また磁力を使う仕組み上、検査中には大きな音が出つづける。

(2)磁力を用いる
MRI検査は磁力と電波を用いた検査なので、被ばくの影響はない。またMRI検査の磁力や電波で悪影響が体に出る可能性は、限りなく低いといわれている。今後の調査で影響が確認される可能性はゼロではないが、現在は非常に安全性の高い検査と考えられている。

(3)色の濃淡(コントラスト)が鮮明
MRI検査は、画像の濃淡が非常に鮮明に写し出されている。また造影剤を使用しなくても細かい血管の状態を確認することが可能である。

さまざまな部位や角度から確認ができることはCT検査と同じだが、濃淡がくっきりしているため、CT検査ではわかりにくかった小さな腫瘍を発見できる可能性がある。

6.おわりに
CT検査もMRI検査もすぐれた点があり、検査の目的や部位によって使い分けや併用も行われる。検査に多少の不安を感じた場合には、事前に医師にしっかりとその検査の目的や体への影響等を確認することで安心感を得られると思われる。

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