帝国劇場で幕が上がった『ジョジョの奇妙な冒険-ファントムブラッド-』。
初日が遅れた事で世間を騒がせ、公式のアナウンスにも疑問を感じ「初日が遅れた原因はきっと別にある」と想像し、スタッフに知った名前を発見した私は現場スタッフを応援した。
二度の初日延期を経て、帝劇立て直し前の作品として幕が上がったが、この二度にわたる初日延期に関する世間の声を見ていた。

東宝に対する批判については、初日延期の理由が「製作スケジュールの甘さ」とされていたため仕方ない事だろうと思いつつも、基本的にはSNSでの匿名性をいい事に（そのように見えた）限度を超えていると感じるものが散見された。
「原因は東宝にある」と東宝が言っている以上、お客さまにご迷惑をかけた事は責められても仕方のない事だが、
・絶対キャストに謝らせるな
・謝るなら東宝の責任者が謝れ
と言う意見が多く見られ、恐らく東宝サイドもSNSに寄せられたご意見には目を通していると思われるので、謝罪文の掲載、責任者の謝罪が行われた。
ご迷惑をおかけした事に謝罪し、今できる謝罪や賠償については行ったと思うが、これについても
・劇場に来られた人に謝られても仕方ない
・本来来られなかった人に謝罪すべき
・見られなかった人に無料配信するべき
・配信されても劇場で生で見る事を楽しみにしていたのに無意味
ここまで来たら「調子に乗ってああ言えばこう言う」状態である。

それぞれの意見があるのは当然で、これだけの意見が上がったのは作品に対する期待度が大きかったからであり、それを裏切ったから誹りは当然ではあるが、責任者は会社を代表して名前を出して謝罪し、ご観劇にいらしたお客さまへ姿を現して謝罪したのに、それに対して匿名のまま限度を超えていると思われる要求や、脅迫ともとれる発言、責任者を名指しで「覚えておくぞ」などと言うのは余りにも卑怯だと思う。

恐らく関係者もできる事ならご観劇いただけなかったお客さまに対しては、それぞれが納得いく方法で、お詫びしたいと思うが、スケジュールや権利等々実現不可能なための謝罪内容だと推察する。

同じ阪急グループとして先日のタカラジェンヌの転落死に関する歌劇団の対応と比べて追い打ちするような意見も目にしたが、あの場合とは全く違うと考える。
宝塚歌劇団は、生徒の転落死が劇団内のイジメや労務管理に問題があったのではないかと言う問題に対しての記者会見で、問題はないと言う調査報告書を提出し、責任者を交代させる事で幕引きを図った言わば「逃げ」であり、
東宝に関しては、謝罪し、責任を認め、払い戻し等費用負担をし、責任者はお客さまの前で謝罪した。これは「逃げ」ではないと考える。

ジョジョは帝劇のみならず全国で上演される作品の一番最初での騒動であるが、観た方の感想はとても満足度が高そうだ。それ故に観られなかった方は落胆が大きいのも理解する。同情すべき点は多々あるが、観られなかった方はご自分の意見として東宝に伝える事は伝えた方がいいと思う。
意見がある人は、それが正当な意見だと思う人は堂々と言うべきである。
と私は思う。
（えぞひぐまなんて言ってこんな事を書いているのはいいのだろうか）