見出し画像

「不動産豆知識26 心理的瑕疵」FM笹谷部長 Vol.187

FMグループ社内報Vol.187【投稿者:笹谷部長】

我々、不動産仲介業者にとって、所謂事故物件というのは、取扱いの難しい物件で買主・借主さまにどこまで告知すれば良いのか?判断が難しい問題です。

何も言わずに契約を締結し、後日になって事件・事故・自殺がお客さまの耳に入った際に、「知っていたら買わなかった(借りなかった)」と言われてしまうと、我々業者側に否がある事になりかねません。
また、どの程度まで調査をする必要があるのか?噂レベルの話まで告知義務があるのか?…等々考え始めるとキリがない問題でした。

以前、この問題についてある程度の判断基準を、国土交通省がガイドライン(案)としてとりまとめていたので、今日はそれをご紹介しようと思います。(但し、ここに記載する内容は以前まとめられていた、あくまでも”案”であり最終決定版ではなかったので、参考までに。最新情報は別途確認してください。)

◆要点のまとめ ◆
【対象とする心理的瑕疵】
殺人、自殺、事故死などの人の死に関する事項

【対象とする不動産の範囲】
居住用不動産(隣地などは除く)、事故物件取壊し後の土地取引は対象外

【告知が必要な事案】
殺人、自殺、事故死 その他原因が明らかでない死亡 が発生した場合(分譲マンション売買では共用部分を含む、一室賃貸では専用使用部分のみ)

【告知が不要な事案】
自然死(老衰、持病による病死等)の場合(但し、長期間放置により特殊清掃等が行われた場合は告知が必要)

【調査対象・方法】
通常の情報収集等の調査過程において、売主・貸主や管理業者から、事案が発生したことを知らされた場合や自ら認識した場合(ネットや過去報道は、買主・借主から依頼された場合以外は積極調査不要)

【告知すべき期間】
賃貸の場合:事案の発生から少なくとも3年間は、借主に対して告知を要する
売買の場合:経過した期間によらず買主に告知を要する

【留意事項】
遺族、関係者のプライバシーに配慮。氏名・住所・年齢等は不告知、書面等による告知が望ましい

宅建業法上は、このガイドラインを監督行政庁が考慮するようですので、少なくともこの通りにやっていれば、厳しい行政処分は無いと考えられます。但し、民事上は取引当事者からの依頼内容、契約内容等により個別判断される為、この通りやっていても民事責任を全て回避できるとは限りません。

※各記事内の引用や紹介等、著作権の侵害や問題等がございましたら弊社問合せ窓口までご連絡をお願い致します。速やかに削除、引用元の記載等の対応をさせていただきます。
https://f-members.co.jp/contact.php


この記事が参加している募集

オープン社内報

企業のnote

with note pro