20年前の今日、池田小事件が起きた。刃物を持った男が無防備な小学校に押し入り、低学年子供たち８人が命を奪われる、前例のない陰惨な事件だ。

　当時私は知事部局で私立学校管理事務を担当していた。事件の報は恐らく昼のニュースが最初だったろう。以後、刻々と報じられる状況を、皆が固唾を飲んで聴き入っていた。こうした事件は模倣犯を生む可能性がある。すぐさま文部科学省（省庁再編で旧文部省から名称が変わったばかりだった）から全国の教育委員会（＝公立学校所管）と知事部局私学所管に向けてＦＡＸが届き、各学校への警戒要請を行った。その後もしばらくの間、全国的に学校の警戒態勢が問題となった。教育委員会と異なり、私立学校については行政が関与する場面は限られている。文科省の通知を流し、各学校の対応をとりまとめて文科省に報告することが中心になる。

　その頃我が家には４歳と１歳の子供がいた。上の子もまだ幼稚園には上がっていなかったが、それでも近しい年齢の子供たちが犠牲となった事件の衝撃は大きかった。「エリートに世の中の理不尽を分からせたかった」という、身勝手で異常な犯行動機。まさに理不尽。反省を口にせず、希望どおり早期に死刑が執行され、最後まで犯人の意のままであったことの悔しさ。

　今夜のニュースで、池田小での防犯訓練の様子が報道されていた。普通に見かける防犯訓練とは異なる、実戦的で迫真の訓練だった。今の校長先生は当時教員として池田小にいた。また当時いた別の教員のインタビューも流れた。幼い子供たちを護れなかった無念を抱えながら、教育に携わる先生方に、頭が下がる。

■本日摂取したオタク成分

『ドラゴン桜２』第７話、東大模試。今回はあまり集中して観てなかった。『恋と呼ぶには気持ち悪い』第５話、BGV。