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0098:公務員の終わり方(2)

 どこの役所も(一般的な大手企業も同じだ)、役職と年功序列を併用した給与体系を持つ。年功序列は安定の基礎、子育てのライフステージに合わせて一定の給与を保証することで、公務員の公平公正な仕事を担保する設計だ(この点には異論もあろうと思われるので後日稿を改めて考えを述べる)。

 それは一方で、高年齢職員が多いほどその役所の給与総額が高くなることを意味する。新陳代謝(高年齢職員の退職)によって若手職員を雇用した方が給与支出は抑えられるし、中長期的にみた組織の健全性(若手育成による全庁的・中長期的な組織の安定)にも資する。そこで、一般的な自己都合退職の他に早期退職制度が設けられているわけだ。

 役所の退職金の基本的な計算方法は「給与月額×支給率+調整額」による。調整額は役職を直接的に反映する変数で、当然退職直近年の役職が高いほど退職金も高くなる。給与月額も間接的に役職が反映するが、年齢によって上がる側面が強い。ポイントは支給率で、定年より前に自己都合退職する場合は支給率が低く設定され、給与月額とともに定年まで勤め上げるインセンティブとなっている。早期退職制度は、この給与月額と支給率を共に加算優遇することで、逆方向の(=定年前に退職する)インセンティブとする制度である。

 早期退職制度は、その目的に照らして、利用できる職員に制限がかけられている。退職金を優遇してでも早期退職してほしいのは給与水準の高い職員、つまり在職年数が長く、年齢も高い職員ということになる。私は制度の対象年齢であり、かつ、優遇措置が一番有利に働く状況にあった。もちろん定年まで勤め続けた方が退職金総額は間違いなく高い(そうでなければ組織が制度を設ける意味が無い)。しかし、前回記した状況と早期退職制度による有利な条件を考え合わせたならば、今がベストだろうと思えた。続く。

 本日のヘッダ画像は京都府京都市・上七軒ビアガーデン。

■本日摂取したオタク成分
『マンガ飯』ギョーザ&フルーツサンド編、ギョーザのシェフの個性が強いな。でもこの店で食べてみたいと思わせられた。フルーツサンドは興味ねー、とおもってたが完成品の映像観たらすっげえ旨そう。『ISLAND』第2~6話、家業の仕事をしながら一気に5話。細かいところは観てないけど、初回の印象より面白いな。志倉千代丸絡みの作品だからな。

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