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0118:現代社会保険行政組織史

 今日は年休を取って住所地の年金事務所に出かけた。退職後の社会保険適用手続について教わるためだ。

 社会保険制度は大きく「医療保険」と「年金」がある(「介護保険」「失業保険」「労災保険」もあるけどおいといて)。公務員は共済制度の適用を受けるが、退職後は家業の社会保険に切り替わる筈、という話は以前にも書いた。

0070:職域保険と地域保険
https://note.com/f_san/n/n8a51a1f40530

 医療保険は全国健康保険協会、厚生年金は日本年金機構と、組織が異なる。なので二箇所で手続が必要かと思って調べたら、加入手続自体は地方の年金事務所でまとめて受け付けてくれるようだ。有り難いことだ。

 社会保険を司る官庁組織は、私が公務員でいる間に二転した。章輪の時代から長く地方事務官制度(国家公務員の身分で都道府県知事の指揮を受ける者)により都道府県庁内に事務所が設けられていたが、平成12年のいわゆる地方分権改革でこの制度は解体し、都道府県庁から独立した国組織として社会保険庁-地方社会保険事務局-地域事務所の形態が生まれる。ところがわずか7年後に「消えた年金問題」で世論の激しい批判を受け、同時期の老人保健制度から後期高齢者医療制度への転換も「高齢者差別だ!」との根拠のない感情的批判(今同じ事を主張する人を私は知らない)との合わせ技で、人身御供のように社会保険庁とその地方組織はあっさりと解体された。そして今の状況に至る。

 私は当時、近からずといえど遠からず、の距離から社会保険庁の解体前後の様子を見守っていた。詳しく書けることはない。旧体制のある種の腐臭は間近に経験しているので、その意味では大鉈は痛快だった。一方で、マスメディアの扇動に政権が耐えきれず国家組織の解体再編になだれ込んでいく動きには、もう少し冷静に事態を分別すべきではないか、という思いも強くあった。今もこの領域に対しては独特の感慨を抱いている。

 今日の年金事務所での面談は手際よく進んだ。事前に自分の状況と質問事項をペーパーにまとめていたこともあり、担当者はテキパキと書類を整え、説明し、分からないことは他の人に確認して答えてくれた。グッジョブ。社会保険適用開始届(これがないと何も始まらない)の提出は事実の発生以降、つまり4月1日以降でなければ受け付けられない、というのが今日確認できた一番の収穫。これ、公式サイトにはどこにも書かれていない(見落としてたらスマンが)。これが何に影響するかと言えば、保険証の交付時期だ。家族全員の保険証が共済から協会けんぽに切り替わるわけだが、交付されるまで2週間くらいは保険証が手元にない状況になる。保険自体は4月1日から適用されるのだけれど、保険証が来る前に受診の必要が生じたら、医療機関の窓口での取り扱いが場合によっては面倒になる。ここは要注意だな。

 今日のヘッダ画像は広島県広島市・広島城全景。

■本日摂取したオタク成分
『極主婦道』第6話、4~5話を私抜きで家族が観ているので付き合いで視聴。久しぶりに観たら前半ちょっとタルい気がしたけど、後半きちんと没入できた。オモロイオモロイ。

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