見出し画像

水星×FACE対談レポート【後編】個人のスキを企業価値に変えるには?

こんにちは、FACE運営の佐藤です。

水星×FACE対談レポートの後編です。(前編はこちら)
FACEは企業のなかの個を発信するポートフォリオサイトを運営しています。「個の好きを解放する」をテーマに、FACEと共通する個性にフォーカスしたコンセプトをもつユニークな組織と対談してみよう、ということで「HOTEL SHE, KYOTO」に伺い対談をしてきました。

前編ではホテルのコンセプト設計やオンライン発信の考え方について議論をしました。後編では個性を企業価値へとつなげていくポイントについてさらに深くお話を伺っていきます!

対談メンバー

株式会社水星
岸 えりなさん  HOTEL SHE, KYOTO マネージャー
金井塚 悠生さん 経営企画室/ 広報
原 栞菜さん 取材時はインターン 2024年4月から社員としてHOTEL SHE, KYOTOで勤務予定

FACE運営
佐藤、武田、瀧山、横田、三澤、城、内田


こだわり抜くことと、コスト意識の両立

佐藤(FACE):テーマを切り替えて、個性を活かした経営について伺っていきたいと思います。

 武田(FACE):FACEは富士通デザインセンターが母体です。私たちには、企業の中の部門に対してもデザインの価値を伝なければならない課題があります。ときには社内からデザインの活動の意味を問われる場面もあります。水星さんでは、デザインの方向性やイベント開催に関して、社内で逆風がかかるケースがあるのかどうか、また、経営とデザインの捉え方について知りたいです。

経営と個性の関係についてから議論がスタート

岸(水星):決められた予算枠内での実行は求められますが、意欲自体を否定されることはありません。その理由として、全員に「会社の強みは、新しい挑戦をして付加価値を生み出すこと 」「個性を活かす」「龍崎翔子というひとつのビジョンに共感して集まっている」という共通認識があるからだと思います。また、自社物件であることも自由度が高い理由だと思います。

金井塚(水星):観光・宿泊業はライバルの多い業界です。その中で、選ばれるホテルになるためには、ゲストに旅の目的地として選んでもらうためのそのホテルだからこそ提供できる空間や宿泊体験、世界観のデザインが重要だと考えています。その点にこだわったホテルを作ることは、会社の原点です。

岸(水星):支配人としては、デザイナーやブランディング目線で大事にしたいことと、ホテルの業績を上げること。両方にちゃんと責任を持つことが大切だと思います。上層部にイベント企画を提示するときも、最終的な達成目標をロジカルに伝えられるような工夫はしています。

株式会社水星 HOTEL SHE, KYOTO マネージャー 岸 えりなさん

城(FACE):ブランドと事業戦略の両方を見るのは、弊社デザイナーでも本当に難しい視点だと思います。入社2年で実践している岸さんの経歴が知りたいです。

岸(水星):前職は営業職でした。そのため私の思考のベースには売上の責任や、自分が生み出す売上が会社全体の売上に占める割合はどれくらいか、などの考え方があります。また、弊社の社員は、一般企業で営業やマーケティングを経験している人が多く、こういった価値観が最初からベースにあるのだと思います。

城(FACE):そこが岸さんの大きな強みなのですね。前職での売上などのビジネスのこと、そして現職の支配人としてホテルの世界観づくりやイベントプランニングのこと。2種類の思考で岸さんの強みを活かした運営を行っているのだと感じました。

異業種から魅力ある人を集める

佐藤(FACE):水星さんのスタッフさんの魅力は、noteからも、ホテルでのコミュニケーションを通しても伝わってきます。魅力ある人をどのように集めたり育てたりしているのでしょうか?

人材についての議論

岸(水星):当社は、一般企業の営業やマーケティング経験者などの異業種転職が多く、社外からの知見や知識を取得しやすい環境があります。弊社のカルチャーの根幹とも言えます。募集は、Wantedlyなど一般的な採用媒体を使いますが、コーポレートブランディングにはnoteを積極的に活用しています。主な発信コンテンツは、スタッフの業務1日密着や社員紹介です。「noteやSNSを見て知っていました」といったコミュニケーションから始まるため、関係性が深まりやすいと感じます。

株式会社水星のnote

龍崎は普段から「バイブス採用」と言っています。当社のカルチャーとの親和性や、自分自身が応募者と一緒に働きたいと感じるかどうかなどを重視した採用です。そのうえで、事業として実現させるために必要な経営的な目線を養う教育体制を意識しています。

武田(FACE):一緒に働いて楽しいかという観点は、すごく重要だと思いました。アイデアマンだけにとどまらず、経営的な視点を持つための取り組みについても同様です。

スタッフの経験・地縁を活かしアイデアを実現

佐藤(FACE):改めてHOTEL SHE, KYOTOの体験設計における役割分担について、教えてください。

体験設計における人や組織の動き方について

岸(水星):特定の決まった形式はありません。トップダウンではなく、みんなでアイデアを出し合って決めています。

金井塚(水星):「ホテルとはメディアである」や「最果ての旅のオアシス」など、大枠の枠組みは、はじめに代表の龍崎を中心に決めることが多いのですが、その中身、実際の運用方法は、現場の方々がみんなで話し合いながらやっています。

城(FACE):「これいいんじゃない?」と現場で決まったら、すぐに動き出すのですか?弊社の場合、実現方法を検討したり計画から実行までのスパンが長い傾向があります。

岸(水星):HOTEL SHE, KYOTOの運営スタッフは4人です。企画設計は、全員で行います。そして、お客様の口コミなどを参考に実現性を検討しアイデアを形にしていきます。そのあと店舗ミーティングで共有し、役割分担を行います。

スタッフは、京都出身や京都で学生時代を過ごした人を中心に採用しています。私自身も、実際に京都で暮らすなかで京都を好きになり、観光客の方とは異なる目線で観光のあり方を提案したり、地縁や友人をきっかけに「銭湯プラン」やイベントなどを実現しました。コミュニケーションがスムーズに取れることで、よりスピード感を持って業務が進められると感じます。

自分の「好き」がブランドの固有性に繋がる

金井塚(水星):当ホテルの宿泊プランやイベントは、数値分析やカスタマーへのインタビューから生まれたものではありません。
そもそも、SHEは、年齢的にメインのお客さんとスタッフの年齢が近いホテルです。昔であれば龍崎や自分、今だと岸さん。

自分が「今、面白いと思うこと」「好きだと思うこと」をやってみる。そして、反応や反響を受けて、また新しい取り組みを生んでいく。そんな循環がずっと続いているのかなという気がするんですが、岸さん、いかがですか。

岸(水星):はい、お客さまから口コミとしていただくお声も、定期的に振り返ってアイデアに活用させてもらっていますが、ターゲット設定をして行動分析をして、という感じではありません。ペルソナは自分、そして自分が好きだと思うことをやっているという感じです。

城(FACE):過去の企画のなかで、「これは自分の中で手応えがあった!」というものを知りたいです。

岸(水星):銭湯プランです。純粋にアップセルの施策というよりは、自分たちの好きな京都のカルチャーを絡めた感じの施策ができ、結果的にホテルのブランディングとしても、すごくやってよかったなと思っています。

HOTEL SHE, KYOTO 銭湯プラン「シ~ラブズ湯」

金井塚(水星):岸さんをはじめ、それぞれのスタッフが自分の「好き」や「つながり」を起点に企画を作ることで、ブランドの一貫性や固有性が生まれているところはあるのかなと思います。

武田(FACE):まさにFACEが掲げている「個の好きを解放する」が、HOTEL SHE, KYOTOでは実践されているのですね。個性を企業成長につなげる視点はFACEも参考にしていきたいです。

 佐藤(FACE):あっという間に時間が迫ってきたので、ここで締めたいと思います。岸さん、金井塚さん、本日はたくさんのお話しをありがとうございました!FACEの運営にとってヒントになるキーワードをたくさんいただき充実した対談になりました。

まとめ

後編では、スタッフの個性を企業価値へとつなげる、HOTEL SHE,KYOTOならではの経営視点について議論ができました。

・こだわり抜くことと、コスト意識の両立
・異業種から魅力ある人を集める
・スタッフの経験・地縁を活かしアイデア を実現
・自分の「好き」がブランドの固有性に繋がる
 
FACEに置き換えてみると
・サイト運営や活動に対してコスト感、費用対効果の意識をもつ
・様々なバックグラウンドをもつFACEメンバーから学びを得る環境をつくる
・メンバーの個性を活かし、「好き」を起点にアイデアや実現方法を探る
という視点が参考になりました。
 
今回の学びをもとに、FACE運営メンバーは2024年度の活動検討をしていきたいと思います。今後もぜひ楽しみにしていてください。
引き続きFACEをよろしくお願いします!

HOTEL SHE, KYOTOスタッフのみなさまと

興味をもっていただけましたらFACEサイトも覗いてみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?