2024前半|J1経験の強さを見せつける宇宙人集団|横浜FCの解説
第7節 横浜FC vs 仙台 の試合から横浜FCの特徴をまとめました。
横浜FCの歴史と今年の状況
Jリーグ発足時のオリジナル10のチームである、横浜フリューゲルスが横浜マリノスに吸収された1998年末、横浜フリューゲルス有志によって横浜FCは誕生した。
フリューゲルスの名前を冠することが認められなかったため、フリューゲルスの愛称である「フリエ」を経営会社の名称に採用している。
1999年と2000年にJFLで連続優勝すると、2001年にJ2に参加。2007年、2020-2021年、2023年にはJ1に参加するほどの強豪チームへと成長した。
マスコットは、なぜか宇宙人のフリ丸だ。
昨年はJ1で7勝19敗8分と18位になっており、今季より再び戦いの舞台をJ2に移している。2022年のクラブ人件費は17億5300万円とJ2でも2位の経営規模だ。
監督はシーズン中に交代することもあり、2022年からは「四方田修平」が指揮をとっている。監督が3年目を迎えるのは、おそらくクラブ初めてのことだ。四方田監督への信頼感の高さを感じさせる。
2024年の成績は、3勝2敗2分とJ2の5位に位置している。冬の移籍で複数の選手がJ1チームに移籍しており、J1チームからも複数の選手が加入している。J2でも厚い選手層を誇るチームだろう。
選手は固定する傾向にあり、前節のベガルタ仙台戦も怪我人をのぞいてほぼベストメンバーで戦ったように見えた。
主な退団選手(同カテゴリ以上)
GK スベンド ブローダーセン|J2 ファジアーノ岡山
DF 橋本 健人(レンタル)|J2 徳島ヴォルティス(J2 山口)
DF 林 幸多郎|J1 町田ゼルビア
DF マテウス モラエス|J2 ベガルタ仙台
DF 吉野 恭平|K1(韓国)大邱FC
MF 近藤 友喜|J1 北海道コンサドーレ札幌
MF 坂本 亘基|J2 モンテディオ山形
MF 田部井 涼|J2 ファジアーノ岡山(レンタル)
FW マルセロ ヒアン|J1 サガン鳥栖
FW 山下 諒也|J1 ガンバ大阪
複数の選手がJ1のチームへ移籍するシーズンとなった。
主な入団選手(ベンチ入りメンバーのみ)
GK 21 市川 暉記|J1ガンバ大阪(レンタル)
DF 24 福森 晃斗(レンタル)|J1 北海道コンサドーレ札幌
MF 77 新井 瑞希|J1 ヴィッセル神戸(レンタル)
MF 14 中野 嘉大|J1 湘南ベルマーレ
FW 9 櫻川 ソロモン|J2 ジェフ千葉(J2 岡山)
FW 19 森 海渡|J1 柏レイソル(J2 徳島)
FW 38 髙橋 利樹(レンタル)|J1 浦和レッズ
J1G大阪にレンタルしたGK21市川、J1神戸にレンタルしたMF77新井が復帰。MF14中野やDF24福森など、J1チームから選手も獲得している。FW19森が開幕スタメンを務めたものの怪我により離脱した。
横浜FCの特徴
あわてない安定したサッカー
僕程度の観察眼では横浜がなにを狙っているのか正確には理解できなかった。ポゼッションサッカーではないため、どちらかというとカウンター気味の戦術を用いていると言えるだろう。
ロングパスや縦にはやいサッカーを用いるのだが、選手は落ち着いて様子であり、淡々と相手の懐をついてくる印象だ。
5バック気味に安定した守備
ミドルプレスに構えた陣形は、相手から圧力を受けると5バックでガッチリと最終ラインを固める。スキルの高い仙台14相良にドリブル突破されることもあったが、決定的なチャンスは仙台にもあまり作らせていなかった。
また、チャンスであればハイプレスでプレッシャーもかけてくる。
戦術24福森・戦術4ユーリ ララ
横浜FCでも特にチーム戦術の中心にいるのが、左CB24福森とボランチ4ユーリララだ。左CB24福森はプレスキックに優れ、最終ラインから前線の逆サイドの選手まで一気にロングボールを配給できる。
ボランチ4ユーリ ララは、守備と攻撃とのどちらにもアグレッシブに貢献するバランス感の高い選手だ。
ファジアーノ岡山戦での注目ポイント
3-4-2-1のミラーゲーム
岡山と横浜FCのどちらも3-4-2-1で戦うチームだ。このようなミラーゲームでは、1対1に強いチームが有利になりやすい(そんなに単純じゃないけどあえて単純にするのがこのnoteなのだ)。
つまり、選手一人ひとりの純粋な強さがチームの勝敗を分けるポイントになるだろう。
戦術24福森を自由にさせるな
24福森のような左利きのCBはJ2では貴重な人材だ。しかも24福森はプレスキックが得意であり、逆サイドの前線まで届く正確なロングパスを出してくるため、一気に戦局をひっくり返す危険性を持つ。
ただし、仙台戦を見るに24福森は、相手からプレッシャーをかけられるのが苦手なように見えた。失点シーンでは実際に、24福森がボールロストしてピンチを招いている。
プレスをかけるには難しい位置に立つが、岡山の選手が24福森にどれだけプレッシャーをかけられるか注目だ。
後半から攻撃的な展開になるはず
岡山も横浜もおそらく、後半から攻撃的に攻めてくるチームだ。岡山は両サイドのCBの攻撃参加、横浜FCは4ユーリ ララの攻撃参加に注目しよう。
ファジアーノ岡山の注目選手
岡山の選手全員
もう全員が注目選手である。誰がスタメンかも僕程度では予想できない。ベンチ入りした選手も含めて「全岡山の選手に、注目せよ」。(手抜きではないぞ、本当だぞ、本当に手抜きじゃないんだぞ)
DF 16 河野 諒祐
88柳タカが出場停止になった。しかし、J2アシスト王も狙えるSB16河野が岡山では控えており、このチャンスを生かすために気合を入れるはずだ。美しい放物線を描く、クロスボールとフリーキックには注目だ。
横浜FCの注目選手
CB 24 福森 晃斗
岡山43鈴木喜丈のような左利きのCBだ。その強みは特にプレスキックにあり、コーナーキックで精度の高いパスを送り出してくる。また、最終ラインから対角線で放り込むロングボールにも注意だ。
プレッシャーをかけて24福森に好き勝手させてはいけない。
MF 4 ユーリ ララ
岡山24藤田のように攻守でチームを支える中心選手だ。24藤田は相手にくっつくしつこい守備だが、ユーリ ララはさらに一歩踏み込んで相手選手とボールの間に身体をねじ込む力強さを持つ。
カウンターに切り替える速度もはやく、ユーリ ララにボールを奪われるとそのままピンチになってしまうだろう。
MF 14 中野 嘉大
ここ数年は主力級の活躍ではなかったが、J1チームで主力とした経験ももつベテラン選手だ。仙台戦でもゴールを決めており、セットプレーのこぼれ球を鋭いミドルシュートで決めてしまった。
7試合で3得点を決めており、決定力に注意が必要な選手だ。
CF 9 櫻川 ソロモン
岡山サポーターに紹介することはないと思うが、190cmの巨漢でありながら繊細なボールタッチで魅了するテクニカルなCFだ。ただし、横浜FC移籍後も得点機会には恵まれておらず、決定機を外したりPKでスーパーセーブを受けたり、決定力には課題を残したままだ。
雨のピッチで大柄な選手を止めるのはとても難しいことだが、CB陣には試合終了まで頑張ってもらいたい。
大雨での上位対決はどちらが強みを見せるか
残念なことに3日の天気予報は雨となっている。ボールコントロールの難しさやランニングで奪われる体力など、難しさを感じる試合になるだろう。
しかし、ピッチコンディションの悪さはどちらにとってもキツイものだ。いつも通りのプレーができないなかで、根性をみせて自分たちに運を引きよせるのはどちらのチームか。
0-0では終わらせない熱い6ポイントマッチを見せて欲しい。
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