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eスポーツのイベントに参加した話

先日、家からほどほどに近い場所でeスポーツのイベントがあったので、子供たちを連れて行ってきた。

実は、目的は一番の目的はeスポーツのイベントではない。そのなかでやる忍者ショーを子供たちに見せたかったのだ。

今月末をもって、長男が長年続けてきた習い事をやめることになった。
だから、新しく夢中になれるものに出会ってほしかったのだ。

eスポーツは、今までなんとなく知ってはいたけど、実際見るのははじめてだった。
普段、家でやるようなゲームを大きなモニターに映し、参加者が壇上にずらりと並んで「選手」としてゲームを行い、実況者がそれを解説、そして大勢の観客たちがそれを見守る、という光景を直接目にするのはなかなか新鮮だった。
つまりeスポーツというのは、ゲームをスポーツ観戦感覚で楽しむものなのだ、というのがようやく私の中で理解できた。

今回のイベントのゲームタイトルは「ポケモンユナイト」。
子供たちはポケモンが大好きだ。ユナイト自体はそこまでやりこんでいるというほどではなかったが、プレイ経験はあるのでなんとかなるだろう、と思い、参加を決めた。

といっても、私たちが到着した時には、その時間帯の受付は終了していた。
次の受付開始は二時間後、ゲーム開始はそこからさらに二時間後だという。
長男は現在、小学三年生。わりと短気で、体力もそんなにない。
四時間も待つことになるから、嫌だったら諦めて帰ってもいい、と伝えた。
「やらないで帰ったら、来た意味ないでしょ」
それが長男の答えだった。
次男はまだ五歳なので我慢しきれないようだったが、こちらも参戦の意志は強かったので、がんばって四時間待ってもらった。

受付開始の一時間前から並ばなければいけないほど人気のイベントだったが、子供たちはなんとか参加権を獲得した。

二つの陣営に分かれ、一日でトータル11戦やるというシステムで、子供たちが参加することになったのは10戦目。
その時点で、両陣営の対戦成績は5対4。
勝っているのはこちら側の陣営だったが、負けたら勝ち星の数が並び、最終的な勝敗は、次の最終決戦に持ち越されることになる。

結果は惨敗だった。
相手チームのメンバーはゲーム慣れした大人が多く、戦術的に完璧な布陣を敷かれ、こちら側の動きを完全に封じ込められたのである。

負けたけど、一緒に戦ってくれたお兄さんたちはとても優しかった。
帰り道、長男は「またあの人と一緒に戦って成長した姿を見せたい」と何度も言っていた。

ステージの上で、大勢の人に見られながらゲームの対戦をするのが初めてだった長男は、最初の1分くらいは手の震えが止まらなかったと言っていたが、その声には興奮がにじんでいた。

今日の記念になにか欲しいというのでおもちゃ売り場のある店に寄ったら、同じチームの人が使っていたポケモンのぬいぐるみを買っていた。

予想外に帰宅が遅くなってしまったが、長男にとっては忘れられない大切な日になったようなので、私も満足だ。

今後もeスポーツに参加することがあるかどうかはわからないが、もし仮にこれがきっかけでプロを目指すことになったとしても、それはそれでいいな、と私はこっそり思っている。

世の中にはいろんな仕事がある。いろんな可能性があったっていい。
その思いが少しでも伝わってくれていれば幸いだ。

ちなみに、寝る前に「忍者もかっこよかった」と言っていたので、忍者ショーを見せたのも無駄ではなかったようだ。

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