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野釣り場での準備について(第1回)

前回までは、3回に亘って、「野のへらぶな」釣りをするためのエサのお話をしました。

今回から、何回かに分けて、野釣り場での準備についてお話します。

第1回目は、釣り座(自分が釣りをする場所)を決める際に考慮すべき内容についてお話します。

釣り座(自分が釣りをする場所)を決める(その1)

自分の釣り場を何処にするか決めましょう

お目当ての野釣り場に到着したら、まずは何処で釣りを始めるか(自分が道具をセットして釣りをする場所の事を、「釣り座」と言います。)を決めます。この時、次のような点を考慮します。

  1. 釣り禁止の場所でないか

  2. 遊漁料(釣りをするために漁業協同組合に支払うお金)などの料金を徴収される場所か否か

  3. 安全に車を駐車する場所が近くにあるか

  4. 車からの荷物運搬距離はどうか

  5. 背後や側方に、つり竿や仕掛けが引っかかるような障害物となる草木などがないか

  6. 背後や側方の人や車などの邪魔にならないか

  7. 太陽に対して「正面」、「背を向ける位置」のいずれの方向になるか

  8. 自分が釣りをする時間帯の風向きと風速の予報はどうか

  9. 強風が吹いた場合でも釣りをしやすい場所か

  10. 椅子や釣り台を設置しやすい地形になっているか

  11. 自分の座る場所から水面までの高さが高すぎないか

  12. 転倒により落水した場合に自力で陸に上がれるか

なんだよ、釣りを始める前からこんなに沢山のことを考えなきゃならないの?面倒くさいなぁ。と思うかもしれませんが、へらぶな釣りは、一度釣り座を作ったら、場所が良ければ早朝~夕方まで十数時間もその場所で釣りをする訳ですので、出来るだけトラブルなく、快適に釣りたいですよね。

また、これらの判断は言葉にすると如何にも沢山あるように見えますが、実際に現場を目で見て頭の中で判断するのはほんの数分で出来る内容ですので安心してください。

今回は、前半の6つの項目について説明していきます。

1.釣り禁止の場所でないか

川、池、沼、湖といった野釣り場は、何処でも釣りをしてよいという訳ではありません。場所によっては釣りが禁止されている場合があります。
例えば、最も明確なケースですと、市や町などの行政機関、河川管理事務所が川や沼等の周辺をフェンスで囲って人が入れないようにしていたり、堤防上や沼などへ入る道の入り口付近に釣り禁止の看板が設置されている場合があります。

このような看板に注意!

このような場所は、例えフェンス等の隙間から中に入れたとしても、釣りをするのはやめましょう。単にルールに違反するだけでなく、万一落水してしまった場合に、誰にも気付かれずに救助してもらえない危険もあります。

また、公式に釣りが禁止されている場所の他に、私有地や、特殊な場所(本当は法律で禁止されているのですが、一個人が河川の護岸から自作の釣り台を造って設置し、特定の人以外が使用することを禁止している場所)も避けましょう。もし勝手に釣りをしているのが見つかると、トラブルに巻き込まれる恐れがあります。

2.遊漁料などの料金を徴収される場所か否か

川や沼などには、その水域の漁業権を持ち、管理している地元の漁業協同組合が、水産資源管理のために一般の釣り人達から料金(遊漁料)を徴収している場所があります。

自分が野釣りをしようと計画している川や沼などが、遊漁料を払わなければならない場所かどうか、インターネットなどで事前に情報をチェックしておきましょう。

私のこれまでの経験では、仮に遊漁料を徴収されることを知らずにその釣り場に入り、漁業協同組合の管理員の方に見つかった場合でも、その場で遊漁料を支払えば、罰金を取られたり、とがめられたりすることはありません。

その理由としては、管理員の人が広範囲に亘る川や沼の全ての場所を見ていることは出来ませんので、何時巡回してくるか分からないためです。

また、川の一部に網を張り、網で囲まれた範囲でのへらぶな釣りを有料としている場所もあります。例として、千葉県香取市と茨城県稲敷市の県境を流れるへらぶな釣りの名所、横利根川が挙げられます。(但し、2021年7月27日付のWebマガジンTSURINEWSによると、仕切り網撤去に伴って、旧網中エリアの陸釣りでは入釣料の徴収がなくなり無料となった。との情報があります。)

3.安全に車を駐車する場所が近くにあるか

野釣り場で釣り座を決める際には、安全に車を駐車する場所が近くにあることが重要です。野釣り場は、必ずしも管理釣り場のように、近くに舗装された、または整地された駐車場があるとは限りません。

例えば水田地帯や山間部にある川や池、沼で釣りをする場合、現地へのアクセス道路は幅員が狭く、対向車が来てもすれ違うことができないような場所や、未舗装の悪路の場合もあります。

このような場合、釣り座から離れた場所に車を止めて、徒歩で現場まで移動しなければなりません。そうなると心配なのは、うっかり車中に貴重品類を置きっぱなしにしてしまったり、可燃物が入っていたりすると、車上荒らしの被害や、炎天下で社内の温度が上がり火災になってしまう、急な雷雨などの天候急変時に直ぐに車の中に逃げ込めない、といったリスクがあります。

このため、車は可能な限り釣り座から見える範囲に駐車しておくことをお勧めします。

また、やむを得ず路肩に車を寄せて駐車するような場合は、路肩の地盤が緩んでいないか、側溝への脱輪の心配がないかを十分確認しましょう。夏場で草が生い茂っていたりすると、草に隠れてその下の路盤の状況が分かりくくなっています。

特に雨が降った後には路肩の土が柔らかく崩れやすくなっていることがありますので、車をあまりギリギリ道路端に寄せると、脱輪してしまうケースがありますので注意しましょう。(これは実際私が同じ野釣り場で2度も痛い経験をしたことに基づき書いています。)

昔ちょうどこの写真左手の場所で脱輪しました!(季節外れの写真ですが・・・)

4.車からの荷物運搬距離はどうか

車を駐車する場所に関係する話ですが、こちらはリスク面というより利便性の視点からの判断材料です。

車を駐車する場所からお目当ての釣り座までの距離が遠いと、重たい釣り道具やその他の持ち物を運搬するのが大変です。特に、一度に運びきれないほどの大荷物になってしまった場合は、釣り座と車の間を何度も往復しなければなりません。

このため、先ほどお話したように、車はせめて釣り座から見える範囲、理想的には、釣り座のすぐ後ろに駐車できるのが良いです。

私が良く行くお気に入りの野釣り場では、釣り座から土手を上がって直ぐの後方に車を駐車できます。このような場所ですと、準備の途中で車から取り忘れた道具を取りに戻ったり、食料や飲み物を取りに行きたい場合でも非常に楽ですし、急な雨の場合もすぐに社内に退避出来ます。

5.背後や側方に、つり竿や仕掛けが引っかかるような障害物となる草木などがないか

釣りをする際には、長さが2m~9mにもなる長尺物のへら竿を扱います。また、竿の穂先に結んだ仕掛けは、へら竿の長さ+数十cmの長さがありますので、それが一直線上になると、概ね4m~18mもの長さになります。

この仕掛けを目標のポイントに振り込むためには、へら竿を水面とほぼ水平の位置から水面と竿のなす角度が6、70度程度までゆっくりと立てることで、エサの付いた仕掛けを振り子のようにして水中に投入したり、向かい風が吹いている場合などは、竿を垂直より更に後方まで傾けて、それを前方に振り下ろすように竿を振って仕掛けを前方の水面に飛ばします。

このため、自分が座っている釣り座のすぐ後方に草や木が生い茂っていると、仕掛けがそれらに引っ掛かるトラブルに繋がります。このため、釣り座を決める際は、自分が仕掛けを振り込んだ場合の仕掛けの飛ぶ軌道や、竿先が後方どのあたりまで到達するかを考えた上で、十分に距離に余裕のある場所を選びます。

使用するへら竿の長さが短ければ、さほどシビアに考えることはありませんが、長尺の竿を使う状況では注意が必要です。

この記事を読まれている方は、へらぶな釣りをまだやったことが無い方、或いは初心者の方が中心かもしれませんので、以下の写真ような山上湖でのボート釣りをされるのはまだ先かもしれませんが、このように後方に草木がある場所で、夢中になって竿を後ろに傾けすぎると、仕掛けが木に引っ掛かるアクシデントに見舞われる恐れがありますので、ご用心ください。

(私も、陸釣りですが、魚が掛かって慌ててうっかり竿を上げたら、後ろの木に仕掛けを引っかけて回収に手間取った経験があります。)

6.背後や側方の人や自転車などの邪魔にならないか

野釣り場には、川の護岸や池、沼の外周が遊歩道やサイクリングロード、人が歩ける未舗装路などになっているような場所があります。このような場所で釣り座を構えると、釣りをしている後ろを散歩、ジョギング、サイクリングをしている人、後ろで釣りの様子を見ている人に、仕掛けのハリを引っかけてケガをさせてしまう危険性があります。

このため、一般の通行者に迷惑が掛からないよう、釣り座を決める際は、十分に離隔距離を確保できるような場所を探しましょう。

このような釣り座と道の距離が近い場所では、後方に注意!

今日は、「野釣り場での準備について(第1回)」として、釣り座を決める際に考慮すべき点の前半のお話をしました。

次回は、釣り座を決める際に考慮すべき点の後半についてお話します。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。


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