私は『最悪な日に、大嫌いなサウナに行き、最高な人に出会い、特別な日に変わった話』を書いてみようと思う。

9月に入り、まだまだ暑い日
九州の少し都会の場所で、小学生からずっと東京でモデルになることを夢見ていた女の子は
16年後、新卒が入ってはいけない企業の一つと言われるSES企業の新入社員となり、そして休職をした。

モデルになることが夢ではないと思ってた時期もあった。
私は背が170cmあり、顔も綺麗系と昔からどこに行っても注目の的となる。
だけど、九州にはあまりにもチャンスがない。
だから絶対に東京や都会に行きたかった、東京に行けば少しはチャンスに近づけるはずと信じてた。

それが夢ではなくなった日は、九州から上京し大学に入学した日だった。
周りを見れば、一般人なのに無駄な脂肪がなく顔も可愛い人ばかり。
入学したての頃は、地元の友達や親に、可愛い人の多さの衝撃をずっと話していた。

また、都会には可愛い階層があるように思えた。
一般人で可愛い層
インスタのフォロワーが何万人もいる層
ミスコンに出られるくらい可愛い層
芸能人をしながら大学に通ってる層
そして、この層が少し違うだけで、
できる経験・出会える人が全然違う。
・みんな自分がどこの層にいても良いのか
・どこの層に所属したいのか、
すごく理解しているし努力もしている。

私は大学生の時に、
自分の層を傲慢だが『一般人だけど顔の良さで何となく運が良い層』と思って生きていこうと決めた。

その層が実は違うこと、この層で生きていくことがとても愚かだと気がついたのが、
「就職活動」と「元カレ」だった。

元カレは、個人情報なので詳しいことは話せないが、友達誰もが私を妬むような相手だった。
だけど、結果的に上手くいかないどころか、大切にしてもらえず依存をした。
上手くいかなかった理由はただ一つ
「お互い見た目しか見ておらず、中身に向き合わなかったこと」だった。

経験者ならわかると思うが、
依存していた相手から離れるのは、とても難しい。
結局就職活動中は、元カレと復縁することに命をかけてしまい（笑）少ない選択肢から今の企業を選んだ。
自分が選んだかのように言っているが、私の中身の薄さは見透かされてしまい、行きたい企業からは落とされた。

現実の自分は、
『見た目ばかりで、中身に目を向けない層』
だったのだ。

ここでサウナの話をするが、私がサウナを嫌いなのは元カレがサウナが好きだったからである。
しょうもないと思う人もいるかもしれないが、
私は当時このしょうもない層に所属していたので仕方がない。

SESは新入社員が入ってはいけない企業と言われており、実態はITをする派遣社員と言われている。そのことは知っていたが、入るからには頑張ろうという気持ちでいた。やる気もあった。

また、嬉しいことに入社前に元カレへの未練も断ち、同じ学年の新しい彼氏もできた。

入社後は、ITの研修から始まり、プログラミングはとても苦手だった。だがSESとはいえ、割と優良な企業に運良く入ることができ、周りの人には恵まれて何かと助けてもらっていた。
やる気があったので、辛くてもあと一歩頑張ってみることを繰り返していた。

そのあと一歩は必ず使いすぎると必ず限界がくる。ある日あと一歩の一歩が歩けなくなった。
電車で強い吐き気に襲われたのだ。
社会人になってから、元々プログラミングが苦手で、毎日合わない仕事をしながら自分の悪いところを指摘されているような感覚だった。

今後について彼氏に相談をしていると、彼氏から「ストレングスファインダー知ってる？」と尋ねられて、知らないと答えた。
診断テストで、自分の強みや才能が５つわかるらしい。（有料ですがおすすめです）

https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/253634/ホーム.aspx

診断を受け、５つの中に１つ不思議なものがあった。「運命思考」
運命思考がある人は、人やもの全てにつながりがあると考えているそうだ。
何故運命思考が印象的だったかというと、
ここに登場する才能はほぼ全て、

ビジネスや社会で役に立ちそうなのに、運命思考だけスピリチュアルのような存在で、いつどこで役に立てるのかわからなかったからだ。

診断を受けて、この才能を活かしてこの仕事なら出来るかも！と思いたかったが、私の持ってる才能は他の4つも、限られた場面でしか活かせない、今の職場で活かせるものはなかった。

頑張ろうと思っていた仕事が合わないこと、
自分は社会や仕事に活かせる才能がないと気がついて以降、
慢性的に吐き気や気持ち悪さだけではなく、次第に遅刻や忘れものが増えた。
そして、資料作成を頼まれたある日
心の中の悪い自分が「あれ？これって意味ある仕事なの？」と尋ねきた。
「ないかも」と私は自分に言った。
その日から、自分の仕事は意味がないと決めつけ、尚更体調不良が悪化した。
周りの人も、私にどう関わればいいのかわからなくなっていた。

病院に行き、受けた診断結果は
『適応障害』
一度全部をリセットしたかった、私に丁度よかった。
お医者さんに、「原因はなんですか？」と尋ねた。
するとお医者さんから「自信がないんじゃないかな」と言われた。

https://ikezawa-clinic.net/info_tekiou.html

前半の文で気がついた人もいるかもしれない。
女子を勝手に階層で分けたり、
仕事の意味の有無を勝手に決める。
こういう少し馬鹿にした思考は、馬鹿にされるのが怖いから、自分に自信がないからなのである。

ストレングスファインダーで、独特で活かしにくい強みが出たように、私は昔から変わってるねと言われることが多かった。いじめられたこともある。
独特だから、もう普通に馴染むのは諦めたかった。
けど、特別になることもできなかった。
素をだすのが怖くて、隠していた。
そして、限界が来たのである。

帰り道、歩いてるサラリーマン・ビルを建ててる人・ゴミを拾ってる人、歩くだけでたくさん働いてる人がいて、みんな一生懸命に見えた。働く意味があって羨ましかった。

それに比べて私の存在も、私の仕事は意味がない。
じゃあ、
意味のある仕事ってなに？
私の良さってなに？
意味がない仕事ってなに？
将来が不安、私って大丈夫なの？
頭の中で考え事が止まらず、考えるのもごちゃごちゃした頭も整理したかった。

強制的に思考を止められる場所を私は知ってる。
『大嫌いなサウナ』である。
23時30分、私は家を飛び出して近所のサウナに行った。

サウナにはたった2人しかいなかった。
深夜だし、人が少ない方が良かった。

サウナ→水風呂→休憩→お風呂を自由に楽しんでいると、
24時ごろ声の綺麗な50代くらいのおばさんが、
「アロマのアウフガースをします〜、どうぞサウナ室にお入りください」と、私含めた2人に声をかけていた。

アウフグースを簡単に説明すると、サウナ室で扇のようなものを仰ぎ、熱風を送る。
ただでさえ高温のサウナ室で、熱風を身体が浴びるとさらに汗を出すことができて気持ちいい。

https://onesauna.jp/blogs/sauna/20210410

アウフグースをする熱波師という専門的な仕事もあるくらい、サウナーの中にはアウフグースファンも多い。
ただここのサウナでは、アルバイトの方が＋αでアウフグースも行っているようだった。

この時ふと思った「この世に、たくさんアルバイトがある中で、暑さに耐えながら、サウナ室で動き回らないといけない仕事があるんだ」と。

吸い込まれるようにサウナ室に入った。
すると、先程の声が綺麗なアルバイトの方が、
「2人だけだと寂しいですね、ごめんなさいね」と、笑顔で話しながら入ってきた。
このアルバイトの方の声や笑顔には和ませる力があった。
高温のサウナ室とは裏腹に和んだ空気の中、
「とんでもないです！ありがとうございます」と返した。

「じゃあ暑かったりしたら、声をかけたり外に出て構いませんからね」から、アウフグースが始まった。

このアルバイトの女性は、
私の暑さ加減を考えながら仰いでくださり、
距離を調整したり、信じられない程暑いサウナ室で動き回っていた。

きっと何度もアウフグースは経験しており、私1人だけでいくらでも手が抜ける環境のはずなのに、私のことを気遣い一生懸命働く姿を見て、サウナ室で過ごす時間が特別な時間に変わった。

そして、気がついた
「私は自分自身を特別にする努力もせず、仕事の意味の有無を考える時点で、三流以下。一生懸命働いてる人の仕事こそが一流で意味がある。そしてその頑張りは必ず誰かを幸せにしているのだと」

浴室から出て、つい勢いで先程のアルバイトの方に声をかけてしまった。
「私実は今日から仕事で病んで休職をして、けど働いてる姿をみてすごく感動しました」と。

アルバイトの方は、内面の美しさが溢れていて、何より目力が強く真っ直ぐ私のことを見てくれていた。
「まあ！よかった〜」と笑顔で答えてくれた。
「また来ますね」と、私が背を向けた歩き始めた時、
アルバイトの方が「元気になってくださいね」と。
この言葉を、誰もが眠くなる夜遅い時間にかけられることが、この女性の強さを表してると感じた。

帰り道、私は前を向いて
来た時よりも少し強い気持ちで歩けていた。

私の良さの一つである運命思考が「就活失敗の大きな一因となった元カレが好きだった
サウナに来て、忘れられない幸せな一日を過ごせてしまった」と。辛い時に、私の良さはどんな出来事にも意味があるんだよと助けてくれる。
私って最高じゃないか。

「私も一流になりたい」
「中身の美しさが外面に溢れる人になりたい」と。
まだ、素敵な人に出会える運を持ってるんだから、頑張ろうと思った。

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