第一章 第七話 北の迅獅子対赤髪の暗殺者
「お待ちください。私はヴァンベルグ君主国の王子リュシアン・ギヴェロンと申します。
南部最強と謳われるリュウガさんに、試合を申し込みます」
そう言うと、リュシアンは席を立った。
「こちらこそ北部最強と噂される極寒の迅獅子と称されるリュシアンさんのお力、是非お見せいただきたく思います」
彼は笑みを浮かべて│踵《きびす》を
返して、両者は待ちかねていたと
言わんばかりの顔つきで、
中央まで出ていってお互いに見つめ合った。
「先ほどの舞は実に見事でした。言葉を失いました。さすが