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The Power Law(ザ・パワー・ロー) ベンチャーキャピタルが変える世界(上) (日本経済新聞出版)

ザ・パワー・ロー ベンチャーキャピタルが変える世界(上)は、セバスチャン・マラビーと小林恭子の共著で、シリコンバレーのベンチャーキャピタルの歴史と戦略、そしてその影響力についての興味深い本です。ベンチャーキャピタルとは、高いリスクと高いリターンを伴う革新的な事業に資金と知識を提供する投資家のことで、アップルやグーグルなどの世界的なテクノロジー企業の誕生に大きく貢献してきました。本書では、シークォイア、クライナー・パーキンス、アクセル、ベンチマーク、アンドリーセン・ホロヴィッツなどの有名なベンチャーキャピタルのファンドマネージャーたちにインタビューを行い、彼らの思考と行動の背景にある「パワー・ロー」という法則を解き明かしています。

パワー・ローとは、ベンチャーキャピタルの投資成果は、ほとんどの事業が失敗し、ごく一部の事業が大成功するという極端な分布に従うという法則です¹。この法則により、ベンチャーキャピタルは、既存の産業や生活様式を破壊するような独創的なアイデアを持つ起業家を探し、彼らに大きな資金と支援を与えることで、社会に大きな変革をもたらそうとします。例えば、ウーバーは交通のあり方を変え、インポッシブル・フーズは牛肉産業に挑戦することで、パワー・ローの実現を目指しています²。

本書は、シリコンバレーのベンチャーキャピタルの起源から、中国での台頭までを追っています。その過程で、アップルやウィーワークなどの有名な成功と失敗の物語を紹介し、ベンチャーキャピタルがどのようにしてイノベーションと経済を牽引してきたかを明らかにしています。また、ベンチャーキャピタルには、孤独な天才起業家の理想を追求する傾向や、女性やマイノリティの起業家に対する偏見などの問題点も指摘しています。本書は、ベンチャーキャピタルの仕組みと役割について、豊富な事例と分析を交えて説明しており、ビジネスマンにとっても参考になるでしょう。私たちの未来を作るのは、誰なのか、何なのか、そしてどうやって作るのか、という問いに答えるために、本書を読むことをお勧めします。

パワー・ローの法則とは、ベンチャーキャピタルの投資成果は、ほとんどの事業が失敗し、ごく一部の事業が大成功するという極端な分布に従うという法則です。この法則は、経済学者のヴィルフレド・パレートが発見した「パレートの法則」や、「ロングテール」と呼ばれる現象と関連しています。パワー・ローの法則は、ベンチャーキャピタルにとって、多くの失敗を覚悟しながらも、少数の大当たりを狙うという戦略を正当化するものです。また、パワー・ローの法則は、ベンチャーキャピタルが支援する起業家にとっても、競争の激しい市場で勝ち残るためには、既存のルールを打ち破るような革新的なアイデアを持つ必要があることを示唆しています

シリコンバレーは、世界のIT産業の中心地として有名な地域です。シリコンバレーには、多くの革新的な企業や研究機関が集まっており、常に新しい技術やサービスを生み出しています。シリコンバレーの歴史や特徴について、以下の情報を参考にしてください。

- シリコンバレーの名称は、半導体の主原料であるケイ素(英語でシリコン)と、地形が渓谷(英語でバレー)であることに由来します¹。
- シリコンバレーの発祥は、1891年にリーランド・スタンフォードがスタンフォード大学を設立したことにさかのぼります²。スタンフォード大学は、半導体やコンピュータの研究開発に力を入れ、多くの技術者や起業家を輩出しました³。
- シリコンバレーの発展には、政府や軍の支援も大きな役割を果たしました。第二次世界大戦中には、スタンフォード大学を中心として軍需関連の産業が勃興しました⁴。また、インターネットの前身であるARPANETや、マウスやGUIなどの発明にも、政府や軍の資金が投入されました⁵。
- シリコンバレーの特徴として、起業や事業運営に好意的な規則、専門化したビジネスインフラ、知識の集約と流動性、結果志向型実力社会、失敗に寛容な風土、オープンなビジネス環境、産業と大学の相互交流、高い生活の質などが挙げられます。
- シリコンバレーには、アップル、グーグル、フェイスブック、インテル、アドビ、シスコなどの有名なIT企業の本社や研究所があります¹。また、近年では、自動運転や人工知能などの分野にも進出しており、イノベーションの最前線を走っています。


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