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自分を自分たらしめている根本的な要因とは



他人の感情や気分をコントロールすることはできない


「SMARTの法則」の「A」は
“Achievable”。

つまり

「現実的に
達成可能な目標かどうか」

を表しています。

そこで改めて
今回のナミさんの目標を
振り返ってみると

「居心地よく晴れやかな気分で
仕事ができること」

とあります。

無理難題なところもなく
夢物語で運任せな部分もないので
一見達成可能な目標に見えますが
要点はそこではなく

「現実的に」達成可能かどうか

です。

と言いますのも
ナミさんは今回の目標を
「SMARTの法則」の「S」
の項目でさらに
もう一歩具体的にしていて

「悪口や嫉妬などの
ドロドロした感情がなく
お互いが信用し合えていて
私だけじゃなく
みんなにとっても居心地がよく
晴れやかな気分で
仕事をしてもらいたい」

と話していました。

まわりのスタッフのことも
考えられていて
ナミさんの優しさが伝わる
とても素晴らしい目標です。

しかし
水を差すようですが
まわりの人の気持ちまでも
コントロールしようとするのは
現実的とは言えません。

もちろん
悪口や嫉妬などがない
クリーンな雰囲気で
あり続けられることが
理想の職場
なのかもしれませんが
人間はそこまで
神聖な生き物ではありません。

時にはイライラしてしまったり
誰かに悪態をついてしまったり
妬んだり嫉んだりすることもあって
結果としてそれが
ドロドロした感情や雰囲気を
生んでしまうこともあります。

そうした感情や雰囲気を排して

「みんなに気分よく
仕事をしてもらいたい」

と思うこと自体は
結構なのですが
それを目標としてしまうと
一気に非現実的に
なってしまうのです。

なぜなら
繰り返しにはなりますが

「人の感情や気分は
コントロールできない」

からです。

なのでいくらナミさんが

「職場を居心地の良い
雰囲気にしたいから
みんなドロドロした気分に
ならないでね!」

とか

「みんなで
気分よく仕事するために
イライラしたり悪口を言ったり
誰かに嫉妬するのはやめよう!」

と言ったところで
ナミさんの気持ちは
伝わるかもしれませんが
実現されるかどうかは
まわりのスタッフ次第
となってしまうため
ナミさんひとりで
どうこうできる問題では
なくなってきてしまうのです。


「自分をコントロールすること」が目標達成の鍵


そうなってくると

「この目標を
現実的に達成可能なものに
落とし込むためには
一体どうすればいいのか」

という新たな問いが
生まれてくるのですが
この疑問を解決するために
必要な考え方というのが

「自分の物事の捉え方を
コントロールすること」

言わば

「バランスのとれた考え方」

であり
これらを身につけることで
目標が現実的なものに
なっていくのです。

考え方のクセとは


「考え方のクセ」

とは
自分にとって
ストレスを
強く感じるような状況や
苦手としている出来事に
出合った時につい考えてしまう

「パターン化された思考」

のことです。

誰もが多かれ少なかれ
このような
考え方のクセを持っていて
状況によって出てくるクセも
人によって異なります。

たとえば
ナミさんのクセの中にある

「読心術」


根拠もなくまわりの人たちが
自分に対して

「悪口を言っているに違いない」

「悪い印象を持っているに違いない」


一方的に考えてしまうクセですし
まわりの人達がイライラしたり
舌打ちをしたりして
雰囲気が悪くなっている原因を
自分のせいだと思い込むのも

「自己関連付け」

というクセです。

考え方のクセに意識を向けた方がいい理由


ではなぜ
これらの考え方のクセに
気づく必要があるのかというと

「その時の状況や
問題への対処能力を
低下させてしまうから」

です。

たとえば
忙しいからなのか
職場のみんなが
イライラしていて
態度もドライで
素っ気なく接してきた場合

「全部私が悪いんだ」

「みんな私のことが嫌いなんだ」

といった具合に
極端なことを考えてしまうと

「そもそもなぜみんなは
こんなにイライラしてるのか」

「自分含めみんなの
ストレスの原因は
一体なんだろうか」

「私が今やれる対処はなにか」

「改善の余地はあるだろうか」

といった
状況を整理して
対処に向かうための気力が
削がれてしまって
辛い状況や
困難から抜け出すための扉を
自分で閉ざしてしまうことに
なってしまうのです。

さらに

「考え方のクセ」

「考え慣れた思考パターン」

とも
言い換えることができるため
ほぼ無意識に頭に浮かんでは
そのまま認識されることなく
消えていきます。

しかしそれでいて
着実に自分の気分や
パフォーマンスを落としたり
睡眠不足や過食など
日常生活に変化を
もたらしたりするので
少々厄介なのです。

なのでそうならないためにも
僕はクライアントの方に

「ストレスのかかる状況や場面で
とっさに思ったこと(考え方のクセ)
を捕まえて
なるべくメモに残しておくこと」

をおすすめしています。

バランスのとれた考え方を身につけるためのメモの取りかた


それではここから
メモの取りかたについて
解説してまいります。

バランスのとれた考え方を
身につけるためのメモの取りかたは

(ストレスのかかる状況下にて)
①:「私は今〇〇と考えている」と
とっさに思ったことをメモする。

②:①でメモした
とっさに浮かんだ考えに対して
以下のように様々な
質問をしていく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・とっさに浮かんだ考えが
 真実であることを裏付ける根拠は?

・とっさに浮かんだ考えが
 必ずしも真実とは言えない場合
 他にどのような可能性があるか。

・とっさに浮かんだ考えを
 信じることの
 メリットとデメリットは?

・とっさに浮かんだ考えが
 現実のものとなったら
 最悪どんなことになるか。

・以前同じような状況になった時は
 どのような対処をした?

・今のこの状況に対して
 どのような対処ができるだろうか。

・自分と正反対の考え方を持つ
 友人や知人だったら
 どのように考えるだろうか。

・もし友人や知人が
 同じような状況に陥っていたら
 どのような言葉をかけてあげるか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

③:とっさに浮かんだ考えに対しての
質問の答えを見ながら
新しい考え方を選び直してみる。

④:選び直したことで気持ちに
変化があったかどうかをメモする。

⑤:新しい考え方をなじませる。

以上を一日一回行いながら
振り返りをしていくことで
今までとは違った新しい物の見方が
できるようになります。

とはいえ
最初の方は新しい考え方が
うまくイメージできなかったり
なかなか頭にインプットされず
忘れてしまったりすることも
あるでしょう。

ですが今回のセッションの狙いは

「カチコチに固まって
極端な考え方をしてしまう頭を
柔らかくしていくこと」

なので

「バランスのとれた考え方が
うまくイメージできない自分は
なんて頭の悪い人間なんだろう」

とか

「せっかく
新しい考え方を覚えたんだから
日常生活に活かさなければ!」


自分を責めたり
追い込んだりせず
はじめは

「バランスのとれた考え方
ってものがまだうまく
イメージできないでいるけど
とりあえずこんな風に
考えることができたらいいな」

「新しく覚えた
バランスのとれた考え方も
日常で少しづつ使えるように
なれたらいいな」

くらいの感覚で
少しでも気持ちが落ち着く方へ
少しでも気持ちが楽になれる方へ
考え方をシフトしていくのが
おすすめです。

続く。




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