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置いていかないで

私、今19歳。時代は令和6年、西暦2024年。月は5月、日付は9日。時は早朝5時。

でっかい吐き気を抱えている、私の睡眠は終わったのに
空が白んできた…私だけを置いていかないで…

時は目くるめく進む。私には止められない......
速すぎる時の流れは体の脇をかすめてゆく。伸ばした両手の指の股を通り抜けてゆく......
その流れが瑞々しく美しいものには、私にはみえない。それは濁っているように見える。よどみのせいで、前も、後ろも、下も上も、自分の傍らも、奥まで見通すことができない。

私はいずこ、君はいずこや

この淀みにはいたくない、頭の中まで淀み、ものを考える気力が消えてゆく。うっすらと残った意識の中で、うつつとなにか暗闇の狭間で浮き沈みする...........................

私のふちはどこにあるんだろう。あるような、ないような......。私は造られたんだろうか。造られたわけじゃないんだろうか。何のために............?
青い悩み。 本当にそうだろうか。

死んだようなツラをつけた大人たち。白い化粧の向こうに何かあるのだろうか。その皺は何か語っているのだろうか?
電車に乗っている幼い子供、その眼は輝きを秘めている。その肌は輝いている。目を合わせれば、黒い瞳はなにかを問いかける ― 意識なく。
隣に座る青年の瞳はどうだろうか?俯き灰色にくすんだツラの皮に、二つの穴が開いている。眼前に据えられた長方形は、彼らをうつつから引き剥がし、彼らがうつつと思いこむどこかへいざなう。




置いていかないで......................................

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