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中学性音楽日記

 中学生の頃って本当に性について興味津々だったわけ。
そりゃそうだよね、そういう年頃なんだから。
だから、ちょっとでもエッチなテレビや写真などに反応してしまい(昔は深夜番組に限らず、おっぱいがテレビから流れていたんだよ)、それはすぐに学校で話題になっていた。
 そんな時だよ、友達のU君が血相を変えて1枚のアルバムをもってきた。
「兄貴のレコード棚に、こ、こ、こんなものが!」
スコーピオンズの『狂熱の蠍団 ヴァージン・キラー』(1976)!

 なんとも言えないジャケット。中学1年の私たちはアワアワと言葉にならない言葉を繰り返すのみ。
ま、そこからスコーピオンズを聞き始めるきっかけにはなったんだけど、何ともねぇ。
後日、アルバムを購入し、家で聴く時も親の目を気にしたりして・・・エロ本と同じ感覚だ。

 そして、そうこうしているうちにテレビから下着姿のお姉ぇちゃんが股を広げて歌っている画像が流れて来るやないですか。
そうです、ランナウェイズの登場です。
『悩殺爆弾〜禁断のロックンロール・クイーン』(1976)。

凄い邦題だね。悩殺爆弾って・・・。
 ヴォーカルのシェリー・カーリーがコルセットとガーターベルト姿で股を広げて
「チェチェチェチェチェチェチェチェ・チェーリ!ボーム!」って叫んでんのよ。
なんだか中学生のチェリーボーイであるアタシは正視できなかったのよね。
思春期でもあり、女の子と話すこともだんだん意識し始める時に、いきなりランナウェイズの悩殺爆弾はいかんだろ。

 そういう時って、音楽好きの友達はいろいろと話を持ってくるのよ。例えばアタシが吉田拓郎を好きになったきっかけのひとつに『青春の詩』(1970)ってあるのね。
「お前、拓郎が好きとか言ってな。これ知ってるか?」といって友達が『青春の詩』のシングル盤を貸してくれたわけ。
ま、面白い歌で、
「喫茶店に彼女と二人で入って コーヒーを注文すること あーそれが青春」
「繁華街で前を行くイカシた女の娘を ひっかけること  あーそれが青春」
といったC調の歌詞や
「飛行機のっとり 革命叫び 血と汗にまみれること   あーそれが青春」
「フォークソングにしびれてしまって 反戦歌を歌うこと あーそれが青春」 
という時代を反映した歌詞もある中で
「セックスを知り始めて大人になったと 大喜びすること あーそれが青春」
といった若者のホンネの部分を包み隠さず歌ってしまっていて、そういうところに人生経験の浅い中学生は衝撃を受けてしまったりしたわけ。
 あー、もう歌詞に書いてあるんだから声を大にして歌っていいんだ、なんて思ってしまい、セックスなんてしたことないのにわかったような顔して大声で歌うという、今から思うと恥ずかしい体験もしたわけでありますな。

で、最後にブラインド・フェイスね。

『スーパージャイアント』(1969)。
 これはエリック・クラプトンがクリームを解散して、スティーブ・ウィンウッドやジンジャー・ベイカー、リック・グレッチと組んだバンドで、「マイ・ウェイ・ホーム」とか「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」などといった名曲が収録されているんだけど、これもまた凄いジャケットでね。
ま、親と一緒に聞けない部類のやつだったね。
で、こういう類のアルバムジャケットでキャーキャー言ってた中学時代でしたが、高校生になり都心の輸入盤屋などに行くようになると、ソウル系やブラコン系などのジャケットはそんなんばっかなのね。で、スコーピオンズやブラインド・フェイスのようなロリータではなく、大人の女の人なのよね。でもって、艶っぽい。

それからは、ブラックも聴くようになるというわかりやすさ。
あー、女の人に支配されてきた音楽人生なのでありますな。

わかりやすい。
新年早々こんなコラムでいいのか・・・。

※見出し画像はコラムの内容とは一切関係ありません。

2019年1月22日
花形

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