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商売繁盛の福の神 えべっさんとは誰?

トップ写真 徳島県那賀郡にある蛭子神社拝殿(ひるこじんじゃ)


えべっさんは七福神

商売繁盛のお祭事。
西日本エリアでは十日戎が有名。
関東を中心としたエリアでは酉の市。

戎社 総本社 西宮神社の十日戎
浅草 酉の市発祥 鷲神社(おおとりじんじゃ)

毎年、
多くの方が
福を求めて参拝されてることでしょう。

かくいう私も、
毎年、地元にある西宮神社の十日戎。
欠かすことなく参拝しております。

兵庫県西宮市にある西宮神社。
全国にあるエビス社の総本社です。

そう聞くと、元々、
エビス様は西宮市で最初に祀られていた。
そう思われる方も多いでしょうね。
私も、そう思っていました。

ところで、エビス様とは誰?
グーグル検索で調べてみると、
七福神のエビス様と出て来ます。

では、七福神とはなんでしょう?
お寺にも神社にもいらっしゃいますよね。

浅草名所 七福神の案内

私も詳しくはありませんが、
ヒンズー教、仏教、道教にも出現される神様。
だということ。

大きく外れると、古代イスラエルから、
宝物を積んでやってきたユダヤ人。
なんて、ぶっとんだ説もあります。(笑)

難しいことは置いといて、
七福神のお一人ならぬ一神様であるエビス様。

えべっさんの系統は2つある

私は以前から気になっていたことがあります。

それは、
イザナギ大神とイザナミ大神が生んだ蛭子神。
(ひるこ)
失敗作だったので、舟に乗せて海に流した。
漁師が、その蛭子の像を拾ってお祀りした説。

西宮神社祈祷待合所にあった新聞 字が小さくてすみません

もう一つの説は、
エビス様は事代主大神という説。
事代主とは、大国主の息子さん。
国譲りを承諾した出雲の神様。

全く出自が違うお二神。
両方共にエビス様と呼ばれているのです。

神社で言うと、
兵庫県にある西宮神社系と、
島根県松江市にある美保神社系列。

えべっさんが事代主大神 松江の美保神社

どういう流れで、
双方をエビス様と呼ぶようになったのか?
どちらが先にエビス様と呼ばれたのか?

この問題を考えると、夜も寝られなくなるほど。(笑)

蛭子神社(ひるこ)

前置きが長くなりました。
本日ご紹介するのは、
徳島県那賀郡那賀町にある蛭子神社。
(ひるこじんじゃ)

御祀神は、蛭子大神、天照大御神、素戔嗚尊、
境内社に月読命の三貴神含む十柱の神々。

蛭子神社 社頭

この御祀神の流れから考えると、
イザナミ大神が産んだ蛭子神(ひるこ)。
素直に解釈すると、そう考えるのが普通。

たまたま、私たちが参拝したタイミング。
宮司さんが、お出かけから帰って来られ、
境内を散策していた私に、
ご挨拶に来てくださいました。

神社好きにとって、神官さんからお話を聞ける。
とても嬉しいこと。

宮司さんはとてもユーモアがあって、面白い方。

私たちが西宮市から来てること。
毎年、西宮神社の十日戎へ参拝すること等。
お伝えすると、

宮司さん、遠慮がちに、
「こんな田舎ですけど、
この神社も十日戎やるんですよ。
福笹配るんです。」
と、教えてくださいました。

西宮神社 十日戎 福笹を売る福娘

西宮神社の元社は蛭子神社ですか?

私は兼ねてから思っていた疑問。
宮司さんにぶつけてみました。

「西宮市にある西宮神社が、
エビス様の元と言われてますが、
実は、ここが元社ではないでしょうか?」

なぜ、こんな質問をしたか。
以前もnoteにて書きましたが、
徳島県にも西宮神社があることを、
不思議に感じていた。

徳島にある西宮神社 

もう一つは、
全国の神社を巡って、様々な神社に参拝。
その神社が醸し出す気。
とでもいうのか。
ここ、蛭子神社(ひるこ)のただならぬ雰囲気。

私の質問に対して、
よくぞ、言ってくれました。
そのとおりなんです。

そんな答えを期待していたのですが、
宮司さんはとても謙虚な方。

「いえいえいえ!
そんな畏れ多いこと、
私の口からは申し上げられません。
めっそうもないことです。」

と、期待と反する回答でしたが、
言挙げしない阿波国の神官。
そのやり取りから、私が感じ取ったのは、
宮司さんの内なる自信みたいな空気でした。
(個人的主観ですよ)

宮司さんから重大発言が

他、もう一点。
宮司さんから思いがけない一言が。
「当社は、蛭子(ひるこ)系ではなく、
美保神社系かもしれません。」

徳島県勝浦町にある生夷神社
えびすさん(事代主)が生まれた勝浦町とある看板

むむ!
これは聞き捨てならぬ重大発言!(笑)
神社の名前がひるこ。

誰もが、イザナギとイザナミの生んだ神様。
そう思うはず。
ところが、こちらの神社を守り続ける神官家。
その宮司さんから美保神社系?
ということは、ひるこ大神ではなく事代主大神?

東京神田明神 こちらのえびす様は少彦名命 ややこしいですね

頭が大混乱。
ただ、その根拠として明確なお話は聞けず。
宮司さんも、
いろいろな情報をお持ちのようでした。
よって、深く詮索せず。(笑)

空海は天才

蛭子神社のすぐ近く。
四国八十八か所の太龍寺があります。
すごく立派なお寺で観光名所。
蛭子神社へ参拝されてる方は私たちだけ。
太龍寺の方は、大きな駐車場が満車。

太龍寺ロープウェイより 手前の方が蛭子神社辺り

その光景を見て思ったこと。
空海は天才。
隣にある重要な神社へ、
注目が集まらないように結界を張った。

なに訳分からん事言ってんの!
あんたアホちゃう?

皆様の心の声が聞こえて来ます。(笑)

また機会があれば、天才空海については書きたい。
そう思ってますので、お楽しみに。

蛭子神社見どころ

話戻して蛭子神社。
神紋は三柏に三本の蔓。

蛭子神社 神紋

兵庫県西宮市の西宮神社はシンプルに三柏。

西宮神社 神紋

この違い、なんでやろ?
誰か教えてください。

境内には樹齢千年を越えるだろう大木。
宮司さん曰く、
以前から何度も訪れる生物学者さんの弁として、
「1300年は確実。1500年と言ってもいい。」
そう教えてくれましたよ。

すごいご神木 見事
二本から四本生えたと ひるこ大神が乗っていた丸太船から生えた説もあり

他、境内に生える苔。
これが美しい。
そのことを宮司さんに伝えると、
「掃除が大変なんですよ。落ち葉とか集めるの、
熊手とか使ったら苔に傷がつくのでね。」
そんな苦労話も聞かせてもらいました。

苔の美しい境内
苔と巨木 美しい

十日戎も酉の市も元は阿波から?

蛭子神社は、
式内社 和奈佐意富曾神社の論社でもあります。

個人的には、とてもお気に入りの神社の一つ。

実際に訪れてみて、
宮司さんのお話を伺い、
えべっさんに関する疑問。
益々、大きくなってしまいました。

関東の酉の市。
浅草の鷲神社から。
祀神は天日鷲命。
忌部の祖である阿波の神様。

天日鷲命とヤマトタケル命を祀る 浅草鷲神社


総合的に考えると、
全ての元は阿波にあり。

だとすると、全ての疑問は解消する。
そんなことを考えさせられた参拝でした。

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本日も最後までお読みいただきありがとうございます。


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