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「キー・コンピテンシー」の中核をなす「リフレクション(思慮深さ)」と自らのキャリアを自覚する「キャリアオーナーシップ」



気軽に登れる山を目指すときの
第一歩と、富士山の頂を目指す
ときの第一歩は、同じ第一歩でも
大きく違い、覚悟が違います。
どちらの山を目指すのか、
一人一人の「主体性」が問われます。


「目標を持つこと」「高い志を持つ」
一日一日の質を高めるために
大事なことは”覚悟”を決めること、
「仕事ができる人」は必ず、
「覚悟を決めている」といいます。


「覚悟」を辞書で調べると
一般的には困難なことを予想して、
それを受けとめる心構えをすること、
とあります。
覚悟の文字は、
「覚」=さとる、さと
「悟」=さと
という意味の漢字で、
「覚悟」は「さとり」を表す
2語からなる複合動詞です。


「迷いを去り、道理を悟ること」
「予想されるよくない事態や結果に対し、
それをそのまま受け止めようと
心決めること、観念すること」


言い換えてみると
「目標を決めたら、迷わずに
成功(成長)を信じて
取り組もうとする心構え」とも
いえるのではないでしょうか 。


アメリカの心理学者
「バーナード・ワイナー」氏は、
失敗の原因をどう帰属させるかが
成功(成長)の意欲に関わって
いるとし、
ある結果に対して
その原因を考えるプロセスを
「原因帰属」と示しています。


たとえば、
Aさんが数学のテストで
”35点”を取りました。
赤点を取ったという結果は
変わりませんが、
そのとらえ方は変えることが
できます。


「運が悪かった」とするなら、

→”自分は頑張ったけれど、
 結局、問題が合わなかった”
という点に原因を置いている
ことになります。

一方で、
「苦手教科だから、最初から
無理に決まっている」
ととらえる人もいれば、

「頑張ったのに!今度こそは
いい点を取ってみせる」と

→”前向きなエネルギーに変える”
人もいます。


このように、同じ結果でも
その原因をどうとらえるかによって
心のエネルギーやストレスは
変化します。


原因帰属とは、ある結果の原因を
推測・判断するプロセスのこと、
原因帰属理論は、その認知過程を
研究する領域になります。


つまり、
「何のせいにするか?」に関する
認知的アプローチです。
そして、
この「何のせいにするか?」が
行動やモチベーションに
影響を与えるのです。


運のせいにしたなら、
心の負担はかなり軽減されるでしょう。
原因は自分以外にあり、さらに
変わりやすいものなのですから、
自分でどうにかできる部分は
少なくなります。


そうなれば、
仕方のないことだったと
あきらめもつきやすいでしょう。
しかし、欠点として、向上心に
つながりにくくなります。


もし、自分に原因を求め、
それが努力によって
変えられると考えたならば、
その思考は向上心と直結します。

自己効力感の観点でいえば、
後者の方が良いかもしれません。


バーナード・ワイナー氏によると、
原因帰属は「3つの次元」で
理解できるとされています。


原因帰属の3次元とは、

◎位置(内的/外的)
→原因が自分の内にあるか、外にあるか。

◎安定性(安定/不安定)
→その原因が時間的に
 安定しているものか、していないものか。

◎統制可能性(統制可能/不可能)
→その原因を
 コントロール可能か、不可能か。


同じ原因でも、
それをどうとらえるかは
「本人次第」ということには
なりますが、


自分を成長させるために
『どんな状態に身を置くか』、
これからの時代には
『簡単に答えが出せない状況に
耐える力』が
何事も最後までやり遂げる
強い精神力、粘り強い学力を
育てるように思います。
責任を持って協力していく
「覚悟」が試されています。


より良い方向に変えていく
フラット化する社会では、
リーダーのみならず誰もが
世の中を変える力を持つために、
高い倫理観を持つ必要があると
言われています。


そのためには、
自分の行動や考えに対して
批判的なスタンスで考える
「リフレクションの習慣」が
求められているようです、


経済産業省が提唱する
「人生100年時代の社会人基礎力」
としても注目を集めている
リフレクション(思慮深さ)とは、
(OECD(経済協力開発機構)の
発表した教育指針
”キーコンピテンシー”)
「キー・コンピテンシー」の
中核(中心)をなす言葉です。 


「思慮深い思考と行為であり、
相手の立場に立つこと」と説明し、
変化に応じてその状況から学び取り、
最適解を見いだしていくために
不可欠な能力。
「メタ認知能力」「内省的な能力」
そのものです。


「今、自分はどこにいるのか」
「今、自分は何をしているのか、
 何をしようとしているのか」
「このまま行くとどうなるのか」
これらを俯瞰して判断できる
能力です。

(「自分の経験を相対化できること」
「物事を多角的な視点で捉えて
 批判的に考えられること」
「多様な変化に創造性をもって
 柔軟に対処できる思考力」
 などが含まれます)


能力とか適性と
訳されることもある
「コンピテンシー」は、
1960年代頃から、
経営・人材管理の分野で、
高い業績を上げる人の特性
(職務遂行能力)を意味する
言葉として
使われるようになりました。


1990年代以降は、
教育分野でも頻繁に登場する
ようになりますが、
その背景には、
社会のグローバル化が進展し、
不確実性が増す中で
答えのない課題に向き合い、
適切な”問い”を立て、
情報を収集、活用して
問題を解決できる柔軟な力の育成が
求められたことにあります。


「コンピテンシー」とは、
優れた成果・業績をもたらす
業務遂行能力の高い人物
(ハイパフォーマ―)に
共通した考え方や行動特性、


1970年代前半の
米国文化情報局(USIA)の
職員採用選考をきっかけとして
生まれました。
それまでUSIAでは、
IQの値や学歴を基準として
選考を行っていたのですが、
あるとき高いIQや高学歴を持つ
職員のパフォーマンスが必ずしも
良いわけではないことに気づきました。


ハーバード大学で動機づけ理論を
研究していたマクレランド教授に
原因の調査・究明を依頼し、
優秀な職員とそうでない職員を
主に調査すると、
次のことが明らかになりました。


◎職員のパフォーマンスと
 学歴・知能にはあまり相関性がない

◎ハイパフォーマー
(パフォーマンスが高い職員)は
特有の行動をしており、
それに結びつく思考パターンや
性格などの動機的な部分にも特徴がある

この調査結果がコンピテンシー
という概念のきっかけとなり、
高い業績をもたらすことができる
個人の特性や、組織が求める結果を
もたらすものがコンピテンシーである、
といった解釈がされています。


つまり、その行動をもたらす
「性格」や「動機」「価値観」
といった要素に重きが
置かれていると思うのです。


知識や技能よりも1段階上位にあり、
知識や技能の習得を越え、
共に生きるための学力を身に付けて
「人生の成功と正常に機能する
社会のため」にキー(鍵)となる
能力概念を定義したのです。


「キー・コンピテンシー」は、
3つのカテゴリーに区分される
9つの能力で構成されています。

基本的にこれまでの
社会⼈基礎⼒の
「3つの能⼒/12の能⼒要素」
の内容は変わっていませんが、

一方で、「3つの視点」として
◎何を学ぶか(学び)
◎どう学ぶか(統合)
◎どう活躍するか(目的)
という考え方が加わりました。


自らが能力を発揮するにあたって、
この3つの視点(学び、統合、目的)
のバランスを図ることが、
自らキャリアを切り開いていく上で
必要と位置付けられています。


(学び): 学び続けることを学ぶこと。
(統合): 自らの視野を広げて、
      自己の多様な体験・経験や能力と
             多様な人々の得意なものを組み合わせて、
             目的の実現に向けて統合すること。
(目的): 自己実現や社会貢献に向けて
      行動すること。


この3つ視点のバランスを
図り続けることで、
変化する社会の中で、自らの
立ち位置が常に相対化される
と言われています。


現在の
複雑、不透明、不確実な時代を
生き抜くための3つの視点は、
「キャリア・オーナーシップ」を
個々人が
見定めることにつながるために
必要なのだということです。


すなわち、
「自らのキャリアを自ら考え、
実現のために
“社会人基礎力”をベースに行動し、
自ら自分を変えていける力」
”キャリア・オーナーシップ”こそ、
「覚悟を決めると同時に思慮深さ」と
いえるのではないでしょうか。


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