Web小説発掘記 その238 それなりに怖い話。 作者 只野誠様

本編URL

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前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※こちらは『だれのて』までを読んでの感想、レビューとなります。

あらすじ

これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。

なので、安心して読むことができます。

ストーリーと見所

怖い話が大量に詰め合わされたオムニバス形式のホラー小説。

物語は章ごとに独立していて、舞台も登場人物も全て違う。

基本的に一話ないし二話程度で終わるような内容となっており、適度に切りながら読み続けられるのでちょっとした隙間時間に最適の優しい仕様。

内容としては短編ということもあってか、がっつりと伏線やらなんやらを張って謎を解いていくようなものではなく、ほんのり不気味な話がまとまっているといった感じとなっている。

どうでもいいけど洒落怖とかって今もあるんだろうか……?

で、まぁ……肝心の内容としては上にも書いた通りちょっと不気味なお話の詰め合わせといったところ。

一話が短い分、どうしてもあのじんわりと響くようなホラー小説の恐怖や、自分達がいる場所の常識が通用しない異世界感は控えめとなっている。

その辺りが残念に思う反面、割とものとしては読みやすく良くも悪くも「それなり」のクオリティのものが沢山あるというのは意外と悪くはないのかも知れないと思ったり籠ったり。

勿論そればかりではなく、謎を残したままいい感じの不気味さを醸し出しながら終わってくれるようなものもあったりと、充分に楽しめるような内容となっている。

総評

評価点

読みやすく、いい意味であっさりとした口当たりのものが多い。

読者に対しての考察の余地を残したものも多く、読みながらその辺りに思案を巡らせるのもまた一つの楽しみ方といえるだろう。

一話が短いので、上にも書いた通りちょっとした空き時間に読むのにも非常に適している。

問題点

この辺りはコンセプトとの兼ね合いになるのだろうが、やはりホラーとして見るとちょっとばかり物足りなさがあるのは否めない。

最終評価 53点(Web小説としては充分な良作)

かなり読みやすい、良作ホラー短編集。

ホラーとして物足りないとは書いたものの、それはあくまで全体を通してみればのお話。

話一つ一つに焦点をあててみればなかなかにぞくりとさせられるものも用意されていた。

ちょっと怖いものは見たいけど、そこまで本格的でなくてもいい……といった需要に対してはしっかり応えることができる良作小説。

何度も書くようだが、一話が短いのも空いた時間に手早く楽しめるという点では高評価。

所要時間は『だれのて』までで凡そ15分ほど。


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