Web小説発掘記 その260 【しこしこ電神】で世界を救え! 私達が奏でる! 異世界スマートグリッド!! 作者 いぬぅと※本作読んで作者への性癖認定禁止様

本編URL

https://kakuyomu.jp/works/16817330669458589299

前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※こちらは甘口記事です。

あらすじ

世界を、【闇】が包もうとしていました。

この世界は、幽(ほの)かに玄(くら)い。

人類は嘗て、この世界を統べる魔王に敗北。そして魔王は勝利の証、人類の反抗の代償として。
この世界から、「永遠」を奪いました。

じわじわと、衰退してゆく人類を見届けるつもりなのです。

【闇】は世界の涯に興り、彼方から、此方へと。

私、大賢者の孫娘、エオスは、王都を後にします。
「雷の魔法使い」を探すために。

そして、ひとりの青年と出逢うのでした。



「お前の無駄を徴収する。【しこしこ電神】!」



その青年は、不思議な能力を持っていました。
私は彼と、「無駄とは何か?」を思索する旅をすることになります。


あ。

あと。


世界も救わないといけないのでした。

ストーリーと見所

とんでもないタイトル……からのシリアスな導入……そしてそこからやっぱりとんでもねぇ展開……。

などと、かなりインパクトが強いファンタジー小説。
内容としては魔物と戦ったりとかそういった感じではなく、どちらかといえば哲学……?いや、哲学ではないかも……でもやっぱり哲学科かも……みたいなお話となっている。

とはいっても心配ご無用。小難しかったり、説教っぽいような話ではない。あくまでもそういった要素が含まれているというだけで、作品としては割とライトな雰囲気で進んでいくファンタジー小説。

一応の大きな目的こそあるが、作品自体はちょっと短いお話を幾つか繋げたようなもの。

それらの中に大きなテーマである『無駄』について色々と考えさせられるようなお話が含まれており、読んでいるとこれが胸に残るようなものとなっている。

程よくコメディ、そして物語の根幹部分である無駄とかそういうものについて語る部分では真面目に話が進んでいき、重苦しくない程度にある種の考え方のようなものを伝えてくれている。

特にとあるエピソードに関しては、小説を書き続けることに対しての一つの解答のようなものにもなっているので必見。

キャラクター

エオス

物語の語り部。

雷魔法の使い手の祖父を持っているが、肝心のその魔法を受け継ぐことができなかった悲劇の少女と、結構重いストーリーを背負っている。

とはいえ、作風の関係上そこまで重苦しいものではないので安心。

物語は彼女の視点を通して、無駄と言うものについて思考を深めていくように語られていく。

バシル

物語の主人公。

無駄を吸収して魔力に変換する精霊を従えている。
その名前がとんでもねぇのだが、それは本編を読んでのお楽しみ。いや、タイトルにも書いてあるのだが。

一見するとぶっきらぼうだが、割と情に厚い部分があったり人の意見をちゃんと認めるなど柔軟な部分が目立つ。

総評

評価点

無駄と言うものに対しての色々な考え方を知ることができる。

少しばかり小難しい話もなくはないが、それをキャラクター同士のやり取りに乗せているのでわかりやすく読み進めることができる。

文章は綺麗で上手い。
各キャラクターの考え方といい、タイトルからは想像もできないぐらいに丁寧に作られた小説。

問題点

特になし。

最終評価 XX点(甘口なので点数はなし)

無駄と言うものについて深く語られる小説。

その考え方には同意できるものもあれば、少し首を傾げるものもあるだろう。
読者がそう思うように、作中のキャラクター達もそれに対して様々な考え化を持っている。

また一見無駄に見えるが長い目で見れば結果に繋がるようなことなど、広い視野で無駄について語られているので、その辺りも一見の価値がある小説。

所要時間は凡そ15分ほど。

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